01:「アジアの頂点を獲りにいく」 女子日本代表 大神 雄子選手

「アジアの頂点を獲りにいく」
大神 雄子選手(JX-ENEOSサンフラワーズ)

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喜怒哀楽を素直に出し、そして女子日本代表チームを鼓舞し続けるキャプテン・大神雄子選手。日本代表活動が始動した5月1日、多くの報道陣の前で日本代表への思いを語った。
「JXの大神とか、トヨタの久手堅とか、所属チームを捨てるわけではありませんが、ここにきた以上は、今着ているウエアの胸に書かれているチーム名”JAPAN”が全てなんです。今までも、日本代表合宿にきているのに、所属チーム同士でシューティングしていたり、それは近くにいても気になっていました。なので、『ここは日本代表であり、母体チームとは関係ない。今年はこの日本代表という1つのチームとして、みんなで取り組んでいこう』と、練習後に話しをしました。今日から活動がスタートしたからには、日本代表の大神として行動すべきですし、日本代表は誰もがなれるわけではないことを再認識するためにも、みんなが同じ方向を向かねばいけないと思い、そのことは強く伝えました」。

今年度は最年長となった大神選手。「認めたくはありませんが、一番年上なので、ダメなものはダメだと言えるような雰囲気は絶対に必要であり、作っていきたいです。また、自己主張していく中でも、本当にこれで良いのかという疑問が少しでもあれば全員で問題にしなければならず、そして全員でクリアにしていかなければいけません。そうすれば、何かあっても全員で取り組める日本代表になると思います」と話し、昨年に引き続き、今年度もチームを引っ張るキャプテンに任命された。

一昨年8月、長崎県大村市で行われたFIBA ASIA選手権大会でオリンピック出場への切符を逃し、そして昨年6月、トルコで開催されたFIBAオリンピック世界最終予選でも、最後の1枚を争ったカナダに敗れ、2004年アテネオリンピック以来の8年ぶりとなるオリンピック出場の夢は消えた。その悔しさを晴らすためにも、次のオリンピック出場へ向けて、今から準備が必要となる。
「(2016年)リオデジャネイロオリンピック出場という目標のためにも、今年が大事です。今年があるから、その次も考えられるようになるわけで、今年の10月に開催されるFIBA ASIA選手権で決勝までいき、一番を獲らなければいけません。3年後のFIBA ASIA選手権で勝ってオリンピックにいこうではなく、今年絶対に決勝の舞台に立って、今年からアジアの頂点を取りにいかないと3年後はないという気持ちで臨まないといけません」と、今年からアジアの頂点に立たなければいけないことを力説した。

5月13日、ハヤブサジャパン 女子日本代表チームは第2次強化合宿の最初の地、アメリカ・フェニックスへ出発。アメリカ遠征後、そのまま5月24日からヨーロッパへ移動し、スロバキアとリトアニアで開催される国際大会への出場を予定している。
大神選手は「ヨーロッパ遠征で出場する大会は、むしろ優勝を獲りにいかないといけません」とキッパリ。その理由として、「FIBA世界選手権でも、オリンピック世界最終予選でも、勝ち進むためには絶対にヨーロッパのどこかを倒さなければいけないので、今回出場する大会も隙を見せてはいけません。その覚悟を持って戦うためには、経験を積むための遠征として考えていてはダメです。アジアの頂点を獲るという目標を決めた以上、ヨーロッパでの大会も同様に頂点を獲る覚悟で戦わなければなりません」。これまでの経験、そしてオリンピックに出られていない現状が、4年後を見据える今の時期からトップギアで走っている。

「プレイで通用しなかった部分はみんなで克服していくことができますが、プライドの部分は一人ひとりしか持てません。その日本代表のプライドを、より大きな固まりにするためにも、まずはこの海外遠征で国同士の試合になった時に、どれだけ強く持てるか、気づくかだと思います。プレイを修正するのはヘッドコーチやスタッフの役割であり、私たち選手たちは”日の丸を背負って、戦うプライドを持つこと”に尽きます」と、海外遠征でのチーム目標を掲げ、選手個人のスキルアップ、そしてチーム全体のレベルアップを目指した武者修行の旅へと出発した。

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大神 雄子(おおが ゆうこ)
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コートネーム:シン
生年月日:1982年10月17日(30)
ポジション:PG
身長/体重:170cm / 61kg
出身校:うめばちミニ→山形一中-桜花学園高→JOMO(現:JX-ENEOS)
出身地:山形県
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第28回オリンピック競技大会(2004/アテネ) 第10位
第17回FIBA女子バスケットボール世界選手権大会(2010/チェコ) 第10位・得点王
第24回FIBA ASIA女子バスケットボール選手権 長崎/大村大会(2011/日本) 第3位 他
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