スカウティング

ベルギー

女子ベルギー代表の主な特徴

堅実なディフェンスとチームプレー

ベルギー代表は、堅実かつ規律あるディフェンスと、高い遂行力に裏打ちされたチームプレーを最大の武器としている。個々のディフェンス技術に優れているのみならず、ヘルプディフェンスやローテーションにおいても精度の高い連携を見せ、相手に簡単な得点を許さない構造を築いている。また、攻守の切り替えが速く、守備から速攻へとスムーズに移行できる点も強みである。ベルギー代表は、個の力と全体の統一感で勝負する集団であり、そのスタイルは国際舞台において高く評価されている。

エマ・メースマンを中心とした攻撃力

ベルギー代表の攻撃において中心的存在であるのが、フォワードのエマ・メースマンである。彼女はFIBAの主要国際大会で長年活躍し続けており、2024年のパリオリンピックでも平均23.3得点、7.5リバウンド、4.3アシストというハイレベルなスタッツを残し、その実力を改めて世界に示した。得点面ではアウトサイドシュートからポストアップまで多彩なバリエーションを持ち、ディフェンスのミスマッチを的確に突く判断力にも長けている。さらに、パス供給の起点としても機能し、味方選手の動きを生かすプレーメイク能力も備えている。彼女の存在は、ベルギー代表のオフェンスにおける中心軸であり、リーダーとしての精神的支柱にもなっている。まさにチーム全体の攻撃力を底上げする原動力である。

ジュリー・ヴァンローの司令塔としての役割

ポイントガードのジュリー・ヴァンローは、ベルギー代表における司令塔として攻撃を統率する重要な役割を担っている。彼女は得点力とゲームメイクに優れており、試合の流れを読む力と冷静な判断力によって、ゲームのテンポを自在にコントロールすることができる。2024年パリオリンピックでは、平均14.0得点、6.8アシストを記録し、単なるプレーメイカーではなく、自らも積極的に得点を狙うスコアリングガードとしても存在感を発揮した。また、3ポイントシュートの精度も高く、ディフェンスを外に引き出す役割を担いながら、インサイドのスペースを作ることにも貢献している。彼女のパスセンスと状況判断は、ベルギーの多彩で機能的なオフェンスを支える屋台骨であり、ミースマンとの連携はチームの得点パターンにおける重要なファクターとなっている。