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ナイジェリア

ナイジェリアのディフェンスから生み出したトランジションオフェンス

今大会、台風の目の一つとなったナイジェリア。その成功を紐解いていく。まずはオフェンス面で特徴的だったのは、トランジションオフェンスである。彼女たちは今大会全体の2番目の得点数と効率を叩き出した。トランジションオフェンスは、相手のターンオーバーやタフシュート後のリバウンドから発生しやすい。実際にナイジェリアは相手にターンオーバーを2番目に誘発させていた。ナイジェリアは、後述するがディフェンスの強度が高く、その持ち前の身体能力を発揮し、オフェンスにいい形で入っていた。それがトランジションオフェンスの機会数と効率を高めた要因だったと考える。

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映像190_ターンオーバーを誘発したことでトランジションオフェンスに繋がった

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オーストラリア vs ナイジェリア ハイライト

トランジションオフェンスPPP

順位 チーム %Time PPP Ave PT
1 アメリカ 20.0% 1.255 23.0
2 ナイジェリア 16.4% 1.172 17.0
3 フランス 15.1% 1.165 15.3
4 オーストラリア 15.9% 1.049 14.2
5 中国 9.1% 1.043 8.0
6 ベルギー 10.4% 1.038 9.2
7 ドイツ 12.9% 0.867 9.8
8 カナダ 14.2% 0.846 11.0
9 プエルトリコ 17.1% 0.810 11.3
10 日本 13.7% 0.771 9.0
11 セルビア 14.2% 0.714 8.8
12 スペイン 13.7% 0.702 8.3

OPPONENT TO%

順位 チーム Basic Def Turn Over
PPP TO% TO
1 フランス 0.772 23.2% 20.0
2 ナイジェリア 0.813 23.1% 21.0
3 セルビア 0.809 20.1% 16.5
4 スペイン 0.841 19.6% 17.0
5 プエルトリコ 0.800 18.0% 15.0
6 カナダ 0.864 17.4% 15.0
7 ドイツ 0.894 16.8% 14.3
8 ベルギー 0.845 16.2% 14.7
9 アメリカ 0.803 15.6% 13.7
10 オーストラリア 0.874 14.9% 12.7
11 日本 0.949 14.9% 13.7
12 中国 0.895 7.0% 6.0

ナイジェリアのプレッシャーとポストディフェンス

前述したが、ナイジェリアはディフェンス強度がとても高いチームの一つであった。実際にターンオーバーを多く誘発させた。ハーフコートのディフェンスPPPは大会3番目で、ポストディフェンスに関してはPPP0.568と素晴らしいディフェンスを披露した。彼女たちのポストディフェンスは1on1でフィジカルに守り、フィーダーから寄りを深く入り、簡単に1on1をさせないようにしていた。彼女たちのディフェンスは単純な戦術ではなく、絶対に守るという意思をコート上で体現していた。その気迫が結果的に相手を苦しめることにつながったと言える。

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映像191_高い強度のディフェンスが相手を苦しめた

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映像192_アメリカへのディフェンス

ポストディフェンス PPP

順位 チーム %T PPP
1 ナイジェリア 10.2% 0.568
2 中国 9.0% 0.739
3 ドイツ 7.9% 0.778
4 オーストラリア 9.6% 0.816
5 カナダ 6.6% 0.824
6 スペイン 8.6% 0.867
7 プエルトリコ 10.8% 0.889
8 ベルギー 8.9% 0.896
9 アメリカ 8.8% 1.000
10 日本 20.3% 1.000
11 フランス 8.7% 1.111
12 セルビア 5.2% 1.294

ハーフコートディフェンス PPP

順位 チーム G POSS %TIME PTS PPP
1 フランス 6 72.7 84.2% 54.5 0.750
2 セルビア 4 66.8 81.2% 51.8 0.775
3 ナイジェリア 4 72.8 79.9% 56.8 0.780
4 アメリカ 6 77.0 88.2% 60.5 0.786
5 ベルギー 6 77.3 85.6% 62.7 0.810