パリを振り返って(フィジカル)

コンタクトスキル向上への取り組み

強度の高いプレー実現に向けたコンタクトスキル強化の取り組み

代表合宿において、高い試合強度を実現するために必要な要素として「コンタクトスキルの向上」をテーマに掲げ、日々のトレーニングに落とし込みながら、実戦に直結する形でアプローチを行った。

オフェンスにおける取り組み

  1. リバウンド時のタグアップ
    オフェンスリバウンド後のトランジションディフェンス強化の一環として、リバウンド後のタグアップを徹底。これにより、相手の速攻を未然に防ぐと同時に、コンタクトを通じて相手の動きに干渉し、バランスを崩すことを狙った。また、オフェンス側がタグアップを仕掛けることで、ディフェンス側にとっても自然にボックスアウトのトレーニングとなり、相互に実戦的なコンタクト練習が可能となった。
  2. スクリーンプレーの質向上
    スクリーンプレーでは、「ただ立つ」のではなくしっかりと“当てる”ことを意識し、ハンドラーとディフェンスにズレを作る技術を重視。一方で、スクリーンを使う選手には、リジェクトなどを用いてディフェンダーをしっかり剥がしてからスクリーンを活用することを徹底し、スクリーンの有効性を高める動き方にも焦点を当てた。これにより、オフェンス全体の中でコンタクトの意味と役割を再認識させる機会となった。

ディフェンスにおける取り組み

  1. ボディアップと進行の抑止
    相手のドライブやポストプレーに対して身体で圧をかけ、進行を止める目的でのボディアップを徹底。そのための基礎動作として、横方向へのスライドステップを力強く・正確に踏めるようにするトレーニングを継続的に実施した。接触を恐れず、自分から圧力をかけていく意識付けを行った。
  2. ポストディフェンスにおける連携
    ポストアップに対しては、1on1で対応しきれない状況を想定し、2人で止める意識を共有。
これにより、コンタクト時に必要なサポートの意識や、ローテーションの判断も含めた実戦的な連携強化に繋げた。

コンタクトスキル強化のための連携とサポート

日常的に高い意識でコンタクトに取り組めるよう、スポーツパフォーマンスコーチの臼井氏の協力のもと、ウォームアップ段階からコンタクト要素を取り入れたドリルを導入。これにより、身体の準備と同時に「当たる・当てられる」ことへの耐性を徐々に高め、自然と接触ができる身体感覚を養うことを狙った。 また、レスリングのコーチを招聘し、接触時の姿勢・体重移動・相手の力を受け流す技術などを指導してもらうセッションを実施。この取り組みは、体格差のある相手と対峙したときにどう主導権を握るかという実戦に即した技術習得に貢献した。さらに、Wリーグ所属の外国籍選手や男子大学生と練習を共にすることで、通常よりも高いフィジカルレベルでの接触経験を積ませ、試合本番を見据えた強度の体感を目指し、取り組んだ。