ホーバスジャパンの改革

BELIEVE ー信じてますか?ー

トム・ホーバスHCのチーム作りはこの言葉に集約される。東京2020 オリンピックでは自国開催で出場したものの、予選を勝ち抜いて自力出場はまた別次元の難易度となる。ホーバスHC就任時点ではFIBAワールドカップ2019、東京2020オリンピックと、世界レベルの大会では8連敗中だった。そして、FIBAアジアカップでさえ、2000年以降の10回の大会においてメダル獲得は一度もなく、ベスト4に入ったのも2015年のわずか1度だけだった。オリンピック出場に現在FIBAが定める条件は、”ワールカップでアジア1位”になること。日本にとっては、信じることすら難しいのが当時の状況であった。

ホーバスHCの求める代表選手は、”気持を持っている”、シャイではなく”熱さを表現できる”ことが絶対的な条件であった。

9月から5月まで、NBA、Bリーグなどの各クラブで60試合以上の激しい戦いをする選手にとって、シーズン合間の11月、2月のFIBA Windowを代表選手として戦うこと、また本来は身体を休めるべき夏のオフシーズンを代表活動に費やすことは、家族の理解や選手自身の覚悟も伴う。しかしながら、ホーバスHCは「みんなが目指したい日本代表」へと変化させていった。そして、世界からも毎年リスペクトを獲得していったのである。

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映像8_信じてますか?_スロベニア戦後のチームミーティング

信じることの力(勝久ジェフリー アシスタントコーチ)

「目標を決めて、チームで共有し、選手とスタッフ1人ひとりが『信じています』と声に出すことにより、皆が決意を固めました。合宿、強化試合、本戦というあらゆる場面で言い続ける事により、自分の中を決意を何回も確認することが出来ました。意志を声に出して世の中に送り出すことが、大きな力を生み出すと実感しました」

【世界大会後のランキング推移】