パリを振り返って(オフェンス)

4FACTORS / PPP

ここからは準備をしてきたことが結果として、どのような効果を生み出したのかを検証していく。
下の表はオフェンスやディフェンスを評価する時に用いられる指標としてPoints Per Possession(PPP)がある。1回のオフェンスやディフェンスで何点取っているか表す指標である。東京2020オリンピックと比較した時に、オフェンスのPPPが大きく減少している。逆にディフェンスはほとんど変わっていないことがわかった。

OFFENSE 4FACTORS


POSS PPP
パリ2024オリンピック 83.5 0.773
東京2020オリンピック 85.3 0.959

DEFENSE 4FACTORS


POSS PPP
パリ2024オリンピック 92.0 0.949
東京2020オリンピック 85.0 0.951

オフェンスPPPのランキングでは、日本は10位に位置している。金メダルを獲ったアメリカが一番高い結果であった。アメリカは常にPPPは0.9以上を出し続けており、過去12年間の世界大会において、常にPPPが一番高い数字を叩き出している。まさしく絶対女王に相応しい結果である。
日本は東京2020オリンピックでPPPが全体2位(0.959)になり、オフェンス効率がよかった。今後、世界大会において、PPP 1.00を目指す中で0.9以上を出すことはメダル獲得を考えた時に最低ラインになる。

OFFENSE PPP RANK

# チーム PPP Ave. PT POSS 最終順位
1 アメリカ 0.936 85.8 91.7 1
2 ベルギー 0.910 77.2 84.8 4
3 中国 0.894 75.7 84.7 9
4 オーストラリア 0.869 73.8 85.0 3
5 フランス 0.868 75.5 87.0 2
6 ドイツ 0.851 74.3 87.3 7
7 スペイン 0.843 72.3 85.8 5
8 ナイジェリア 0.791 70.0 88.5 8
9 セルビア 0.777 67.0 86.3 6
10 日本 0.773 66.0 85.3 12
11 プエルトリコ 0.707 63.0 82.0 10
12 カナダ 0.687 58.0 91.7 11

次は日本のオフェンスPPPを対戦国別でみてみる。
アメリカ戦での0.854という数字は、アメリカが対戦した中で2番目に高い数字であった(1番高い国はナイジェリア)。アメリカのディフェンスPPPは0.803で大会3番目に低く抑えていた。また、東京2020オリンピック時の日本がアメリカに対するオフェンスPPPは初戦0.767、決勝0.824であった。ドイツ戦やベルギー戦でPPP 0.7台であったことが、今大会の大きな失速につながったと言える。

OFFENSE 4FACTORS POSS/PPP


eFG% TO% %FT ORB% POSS PPP
vsアメリカ 48.0% 13.5% 3.4% 19.6% 89 0.854
vsドイツ 43.7% 17.6% 8.2% 19.0% 85 0.753
vsベルギー 38.5% 17.1% 8.5% 23.8% 82 0.707
パリ2024
オリンピック
43.7% 16.0% 6.6% 20.8% 83.5 0.773