パリを振り返って(オフェンス)

3ポイントシュート

女子日本代表のコンセプト『走り勝つシューター軍団』の生命線でもある3Pを振り返ってみる。
全体の1位はドイツの36.8%であった。この数字は3Pを1本放つことで、1.1点が入る計算になる。金メダルを獲得したアメリカは30.8%と全体の7位であった。また試投数も全体で1番打っていないことから、アメリカは2PでオフェンスPPPを引き上げていることが分かる。日本は、前回の東京2020オリンピックの時と同じく、最も多い試投数であったが、成功率は31.1%と低迷した。後述するが、確率が高いシュートと確率が低いシュートを分けてみていきたい。

3FG% Ranking(パリ2024オリンピック)

順位 チーム G 3FG% M A
1 ドイツ 4 36.8% 7.0 19.0
2 オーストラリア 6 33.8% 7.7 22.7
3 中国 3 33.3% 9.3 28.0
3 セルビア 4 33.3% 6.0 18.0
5 ベルギー 6 32.8% 7.0 21.3
6 日本 3 31.1% 11.0 35.3
(全体1位)
7 アメリカ 6 30.8% 5.5 17.8
8 ナイジェリア 4 28.4% 5.8 20.3
9 カナダ 3 28.3% 5.7 20.0
10 フランス 6 28.2% 8.3 29.5
11 スペイン 4 26.7% 6.0 22.5
12 プエルトリコ 3 24.7% 6.3 25.7

GUARD 3pt%


G 3FGM 3FGA 3pt%
#27 林 3 8 31 25.8%
#32 宮崎 3 3 10 30.0%
#13 町田 3 3 10 30.0%
#23 山本 1 5 11 45.5%
#75 東藤 3 1 3 33.3%
#15本橋 3 2 6 33.3%
#12 吉田 3 - - -
TOTAL
22 71 31.0%

BIG MAN 3pt%


G 3FGM 3FGA 3pt%
#8 髙田 3 5 12 41.7%
#30 エブリン 3 3 11 27.3%
#88 赤穂 3 2 6 33.3%
#3 ステファニー 3 1 2 50.0%
#52 宮澤 3 0 4 0%
TOTAL
11 35 31.4%
TEAM TOTAL 3 33 106 31.1%

Catch&Shoot 3pt%


G 3FGM 3FGA 3pt%
#27 林 3 8 28 28.6%
#8 髙田 3 5 12 41.7%
#30 エブリン 3 3 11 27.3%
#32 宮崎 3 3 5 60.0%
#88 赤穂 3 2 6 33.3%
#23 山本 1 3 7 42.9%
#13 町田 3 1 4 25.0%
#3 ステファニー 3 1 2 50.0%
#15 本橋 3 1 5 20.0%
#52 宮澤 3 0 4 0%
TOTAL
27 84 32.1%

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映像81_宮崎のLong 3P(C&S 60%)

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映像82_高田というストレッチビックマン

スポットアップのキャッチ&シュートを見た時にUnguarded(オープンシュート)、Guarded(コンテスト)で分けた。試投数割合として、コンテスト下が58.2%であった。東京2020オリンピックは約50%であったことから、よりコンテスト下の試投数が増えたことになる。これは相手が日本の3Pシュートをより脅威と考えていた表れと考えて良い。オープンシュートは42%と高い確率で決めることができたが、コンテスト下のシュートは25%低い水準となった。

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映像83_世界を代表するシューター林

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映像84_世界を代表するシューター林に対するディフェンス

Catch&Shoot Analysis


%T 3FGM 3FGA 3pt%
Unguarded 41.8% 16 38 42.1%
Guarded 58.2% 12 48 25.0%
TOTAL
28 86 32.6%

Guarded 3pt


G 3FGM 3FGA 3pt%
#27 林 3 4 16 25.0%
#30 エブリン 3 2 9 22.2%
#8 髙田 3 1 7 14.3%
#32 宮崎 3 1 3 33.3%
#23 山本 1 1 3 33.3%
#88 赤穂 3 1 2 50.0%
#75 東藤 3 1 2 50.0%
#13 町田 3 1 1 100%
#15 本橋 3 0 2 0%
TOTAL
12 48 25.0%

現代バスケではプルアップ3Pの確率は、チャンスを作り出す上でとても重要な数字の一つと言っても過言ではない。その中でいうと、山本は1試合ではあったが、3/6(50%)という高水準だった。また、PNRでアンダーされていた町田は、33.3%と決して悪い数字ではなかった。ただ、アンダーされ続けた町田は対戦相手から、「彼女が生み出すアシストは、は彼女自身の3Pより防ぎたい」という意志を感じる瞬間でもあった。

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映像85_ハンドラーで重要なPull up 3P(山本)

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映像86_ハンドラーで重要なPull up 3P(町田)

Pull Up 3pt


G 3FGM 3FGA 3pt%
#23 山本 1 3 6 50.0%
#13 町田 3 3 9 33.3%
#32 宮崎 3 0 6 0%
#27 林 3 0 4 0%
#15 本橋 3 1 1 100%
TEAM
7 26 26.9%