ホーバスジャパンのバスケスタイル

バスケットボールスタイル

5アウトオフェンス

ホーバスジャパンのハーフコートでのオフェンスの基本コンセプトは5アウトである。複雑な決まりはなく、ペイントタッチ(イージーな2点)と3ptという明確な優先順位を持ち、選手それぞれの役割によって全く違うオフェンスになる。セットプレーのように決められたオフェンスではないため、相手チームにとってはスカウティングが難しい。

ペイントタッチを目指す

トランジションでも、ハーフコートでも、まずペイントにアタックするマインドが必要不可欠である。ゲームでも、普段のドリルでも、より強力な5アウトオフェンスを構築するために、ドリルの中でもペイントタッチを意識づけしていった。

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映像30_5アウト_ベーシックな5アウトオフェンス

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映像31_5アウト_4対0 ドリル

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映像32_5アウト_ペイントタッチを目指す

シュートファーストのマインド(最初のチャンスを見逃さない)

良いオープンがあればファーストチャンスでもどんどんシュートを打っていくメンタリティを3年間で植え付けてきた。オープンショットを打ち切ってホーバスHCが怒ったことは一度もない。逆に、ホーバスHCが1番嫌っているのが、オープンでシュートを打ち切らないことである。これは、日本代表の5アウトオフェンスを語る上で忘れてはならないマインドセットである。

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映像33_5アウト_シュートファースト

リロケーション ーペイントタッチしたらすぐ外に出るー

ドライブやカットでペイントタッチをした時に、長くペイントにとどまらず、すぐにシューターになれること。また、素早くペイントから出ることで、次のペイントタッチへのスペースを作ることが大切。

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映像34_5アウト_リロケーション

エントリーでフローを作る

オフェンスのエントリーにはいくつかのバリエーションがあり、スロットカット、ディレイアクション、アウェーアクションなどが主である。速い動きで攻撃を仕掛けたい日本にとって、エントリーの動きでフローを作り出すのが狙いである。

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映像35_5アウト_5対0 パッシングドリル

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映像36_5アウト_試合でのエントリー

5アウトで必要になるスキル

ベストパッシングチームになりたい

ホーバスジャパンが3年間取り組んできたのはパス。基本的なパスを徹底し、ミスを減らす。特にペイント(トラフィック)の中でのパスはバウンスパスをするのがルール。

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映像37_パッシング_トラフィックパス

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映像38_パッシング_バウンスパスメンタリティ

ジャンプストップ

ペイントタッチをすることは5アウトオフェンスの最も重要なコンセプトだが、異次元なサイズと対峙する世界との戦いにおいて、簡単にワンツーでジャンプしてしまうとブロックショットやターンオーバーに繋がる。バランス良くストップをすることで、いろいろなオプションを持つことができ、またアンダーコントロールなスピードでペイントに侵入することができる。

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映像39_ジャンプストップの必要性

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映像40_ジャンプストップドリル

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映像41_ジャンプストップ_オフボールリアクション

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映像42_5アウト_試合で発揮されるジャンプストップ

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映像43_5アウト_試合で発揮されるジャンプストップ_オフボール

ペイントフィニッシュ

ペイントに侵入するだけではなく、コンタクトしながらフィニッシュできること、またフローターなどのスキルを持つことが重要になる。

小さなアドバンテージから大きなアドバンテージへ

ペイントタッチやオンボールスクリーンで作った小さなズレ(アドバンテージ)を、大きなズレにしていく。そのためのパススキル。

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映像44_5アウト_4対3:5対4

自分の役割、チームメイトの役割を理解
(Know your role, know your teammate's role)

動き方の決まりのない5アウトオフェンスを成功させる上で必要となるのは、それぞれの選手が”自分の役割”を理解すること、また”チームメイトの役割”を理解することである。役割というのは、つまり自分の得意なことになるが、所属チームでの役割とは異なる場合もある。もちろん役割は1つではなく、2つ以上の役割を求められる選手もいる。ホーバスジャパンでは、全選手が3ptラインで脅威になれることが理想であると考えている。ディフェンスやリバウンドで貢献できる選手も同時に重要視しており、現段階のロスターでは全員が3ptを武器にできるところには至っていない。

選手の役割(例)

  • 富永、須田は3ptを打ち切る(シュートを10本打った場合、3ptが8〜10本になる)
  • 比江島は3ptとドライブ(シュートを10本打った場合、2ptが5本、3ptが5本)
  • 富樫、河村はPNRでチームメイトのチャンスをクリエイトする+3pt
  • 吉井はディフェンスとカッティング

上記はあくまで一例であり、それぞれの選手には状況に応じて他にも役割がある。

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映像45_5アウト_Know Your Role, Know Your Teammate's Role

FIBAワールドカップ2023 日本 vs カーボベルデ

ピック&ロール

オンボールスクリーンを混ぜながらスペーシングを作る

オンボールスクリーン(ピック&ロール、ピック&ポップ、ハンドオフ)

5アウトオフェンスでは、ドライブ、パス、カッティングの他に、ランダムでオンボールスクリーンを織り交ぜていく。オンボールスクリーンが起きた時に、周りの選手がそれに対してどうサポートの動きを取るかが大切になる。ロールするスクリーナーに対して、バックサイドにいる選手は一般的にはリフトすることでディフェンスを守りにくくする。また、ポップしてくるスクリーナーに対してはバックサイドの選手はスペースを保ったり、逆にペイントにカットしていくことでポップする選手を守ることを難しくさせる。

また、ショットクロックが8秒までに良いショットを打つことができなければ、短い時間で誰かがオフェンスをクリエイトしなければならない。24秒の最後の8秒では、コートでベストなボールハンドラーがピック&ロールをすることになっている。

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映像46_5アウト_エンディングピック&ロール

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映像47_5アウト_ピック&ロールのリアクション