パリ2024オリンピックを振り返る

データ

日本は大会で1番若く、1番小さいチーム

比江島、富樫、渡邊雄太が30歳を超えるメンバーだったが、ジェイコブスが20歳でロスター入りしたことを筆頭に、河村が23歳、富永も23歳と、若い力も着々と育っている。大会の平均年齢を見ると、今大会はアメリカが最も年齢が上だった。チームのビッグ3とも言えるレブロン(39歳)、カリー(36歳)、デュラント(35歳)の年齢を見れば当然納得できる。スペイン、ブラジルが若返りに上手くいっておらず、どちらもPGは大ベテランに頼っている。スペインのセリヒオ・リュルは36歳、ブラジルのウエルタスは41歳だった。一方、若い選手がいないわけではなく、スペインのアルダマは23歳。ブラジルのグイ・サントスは22歳だった。オーストラリアはFIBAワールドカップ2023から、さらに若返りを図った。1番のサプライズはそのFIBAワールドカップではほぼ出番がなかった21歳のダイソン・ダニエルズが、スタメンで27分のプレータイムを得たことだ。PGのジョシュ・ギディも21歳。オーストラリアはベスト4を逃しはしたが、まだまだ未来の明るいチームである。

平均身長では、日本が圧倒的に最下位だった。167cmの富樫、173cmの河村を除いた10人の平均身長でも198.4cm。世界と比べるとまだサイズの差は大きい。

平均年齢

順位 チーム 年齢
1 アメリカ 30.0
2 スペイン 29.2
2 ブラジル 29.2
4 ギリシャ 28.5
5 ドイツ 28.3
6 フランス 28.3
7 プエルトリコ 27.8
8 セルビア 27.7
9 カナダ 27.5
10 オーストラリア 27.4
11 南スーダン 26.8
12 日本 26.4

平均身長

順位 チーム 年齢
1 セルビア 203.3
2 オーストラリア 201.8
3 ギリシャ 201.7
4 南スーダン 201.3
5 ドイツ 200.8
6 フランス 200.3
7 アメリカ 200.1
8 カナダ 199.5
9 スペイン 199.3
10 ブラジル 196.3
11 プエルトリコ 195.8
12 日本 193.7

NBA選手が多いチームが強いのか?

この表は、パリ2024オリンピック時点でのロスターの所属クラブ構成である。これを見ると、NBA選手だけでロスターを組んでいるチームは、アメリカのみ。全てのチームに最低1人はNBA選手がいたことになる。ただし、NBA選手は28日間しか代表チームでの活動が認められておらず、NBA選手が多ければ多いほど、チーム作りは難しいはずだ。ドイツ、ギリシャ、スペインは、NBAの次にレベルが高いと言われているユーロリーグでプレーする選手が大半であるということも非常に興味深い。

日本のロスターは、8人がBリーグ(国内リーグ)でプレーしており、これは最多である(ただし、ユーロリーグはヨーロッパを跨いだ国際リーグなので、ユーロリーグの自国チームでプレーしている場合はこれに含まないこととしている)。世界の他の国はどんどん海外に選手が出て行っているという見方もできるが、日本はBリーグの成長が目覚ましいために、海外リーグに出ずとも代表選手がどんどん成長できていると見ることもできる。もちろん、パリ2024オリンピック時点で2人の日本人NBA選手がいたことが大きなアドバンテージだったことは疑う余地がない。

チーム NBA EuroLeague 海外 国内 Gleagu
日本 2 - 2(大学) 8 -
アメリカ 12 - - - -
フランス 5 6 1 - -
セルビア 4 7 1 - -
ドイツ 4 8 - - -
カナダ 10 - 2 - -
オーストラリア 8 - 3 1 -
ブラジル 2 3 5 2 -
ギリシャ 1 8 2 1 -
南スーダン 1 2 8(大学1) - 1
スペイン 2 8 2 - -
プエルトリコ 1 - 5 5 1