ホーバスジャパンのバスケスタイル

バスケットボールスタイル

ギャップディフェンス

ホーバスジャパンの基本となるマンツーマンディフェンスは、ギャップディフェンスである。これは、ワンパスアウェーのディフェンダーがパスに対してディナイせず、ボールとマイマンのギャップに入るディフェンスである。1対1を、1対1で守り切ることが難しい国際レベルの大会では、能力の高いスーパースターの1対1を、1対2、1対3に見えるようにする必要があるため、このディフェンスを採用している。ベーシックなギャップディフェンスのポジショニングのルールは明確だが、実際の試合でのポジショニングは、ボールマンがどれほど優れたスコアラーなのか、オフボールのプレーヤーがシューターかどうかといったスカウティングによって変化する。

▶ 動画を見る

映像49_4対4_ディフェンスポジションイング

トランジションディフェンス

圧倒的にオフェンスが有利な状況にある攻守の切り替え(トランジション)でこそ、チームの規律や習慣、トレーニングの真価が問われる。ホーバスジャパンではトランジションディフェンスにおいて、主に3つのルールを選手に求め、全ての試合で徹底をしてきた。

  1. 素早くマッチアップをピックアップすること
  2. ボールをピックアップし宣言する
  3. ローディング (ボールサイドへ人数の負荷をかける)

FIBAワールドカップ2023では、トランジションで許した得点は13.0で大会11位という数字だった。ドイツ、カーボベルデがあまり早いテンポのチームではなかったことを差し引いても、これは素晴らしい数字だったと言えるだろう。

▶ 動画を見る

映像50_トランジションディフェンス

ピック&ロール ディフェンス

ピック&ロール(以下PNR, ここではオンボールスクリーン全般を指すことにする)は、現代バスケにおいては全てのチームが行うグループ戦術となった。国際大会においては、ハーフコートオフェンスの中でPNRを見ないポゼッションはほとんどないと言っても良いだろう。つまり、PNRをどのように守るか(PNRカバレージ)は、チームディフェンスコンセプトの根幹の1つとなる。

ホーバスジャパンでは、メインのPNRディフェンスは持ちながらも、スカウティングによって試合前、試合中にディフェンスを変更できるように常に7〜8個のPNRカバレージを準備している。しかしながら、短い代表活動においてPNRディフェンスをビルドアップすることに避ける練習時間はあまりなく、説明だけでそれぞれのカバレージの守り方を理解し、選手同士でコミュニケーションを取りながら遂行できる力を、選手1人ひとりに求めている。

▶ 動画を見る

映像51_ディフェンス_PNRディフェンス_コンテイン

コンテイン系 ステップアウト系 アンダー系 その他
①コンテイン
②アイス
③ウィーク
④ハードショー
⑤ブリッツ(ダブルチーム)
⑥ショー&アンダー
⑦スルー
⑧ジャム&アンダー
⑨スイッチ

Transition Def Pts Rank
(FIBAワールドカップ2023)

順位 チーム %Time PPP Ave
1 ラトビア 9.6% 1.125 9.0
2 スペイン 12.8% 0.942 9.8
3 カナダ 12.4% 0.976 10.4
4 リトアニア 11.3% 1.120 10.5
5 エジプト 13.5% 0.917 11.0
6 ブラジル 12.8% 1.058 11.0
7 オーストラリア 11.1% 1.163 11.4
8 アメリカ 12.6% 0.959 11.6
9 セルビア 16.4% 0.927 12.8
10 コートジボワール 13.4% 1.143 12.8
11 日本 14.6% 0.970 13.0
28 スロベニア 15.1% 1.396 17.6
29 ベネズエラ 18.6% 1.208 18.6
30 カーボベルデ 19.4% 1.167 19.6
31 ドミニカ共和国 18.6% 1.250 20.0
32 レバノン 16.3% 1.507 20.8