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2025年度 JBA 公認 B 級コーチ養成講習会 (第3回・熊本会場) 開催報告

2025年10月20日

講習の様子

コーチング実践の様子

 当協会 (JBA) では、9 月19日 (金)~9 月23日 (火) の 5 日間、ecowin 宇土アリーナ (熊本県宇土市) において、2025年度の 3 回目となる JBA 公認 B 級コーチ養成講習会を開催しました。B 級コーチ養成講習会は、年間 5 回、東京都近郊や地方での開催を行っており、今回は全国各地から38名の方が受講されました。

 B 級コーチ養成講習会では、「主に育成年代 (18歳以下) において専門性の高い指導ができる人材を養成するとともに、都道府県のリーダーとなる人材を養成すること」を目的として実施しています。
 5 日間にわたる集合講習では、コーチングの “ How ” にフォーカスし、座学でコーチングの様々な手法を学び、午後のコーチング実践でトライし、振り返ることで学びを深めていきました。

 
● 講習の主な内容
・コーチングスタイルとコーチングアプローチ
・コーチングプロセス
・スキル獲得の原理
・年代・習熟度に応じたコーチング
・練習計画の作成
・スポーツパフォーマンス向上の取り組み
・安全管理 (リスクマネジメント)
・インテグリティの向上
・長期競技者育成計画
・コーチングフィロソフィー
・レフェリーとのコミュニケーション
・コーチング実践

● 受講者のコメント
○ 宮腰武典さん (富山県 / ジュニアケイジャーズ (U12・女子))
 私がこの B 級コーチ養成講習会を受講しようとしたきっかけは、私が指導する小学校のチームの子どもたちから「今年度は全国大会を目指して頑張りたい」と申し出があったことです。子どもたちがそのように明確な目標を立てて努力するのであれば、私も一緒に高みを目指してステップアップすべきではないかと思い、また所属している富山県では、育成センターに携わらせてもらっており、いかに限られた時間のなかでしっかりと選手を成長させられるかが常に課題であり、普段の指導だけでは解決出来ないため、このたび受講することにしました。
 今回の B 級の講習会の内容は「プレイヤーズセンタード・コーチング」のアプローチの仕方としてプッシュとプルをうまく使い、選手の学びに結びつけるような、すぐに実践できる内容で良かったです。特にゴール設定の大切さという点では、ゴールを明確に設定することで指導もしやすくなり、選手の成長を促すことができました。
 講習中、毎日行われたコーチング実践では、毎回緊張と不安でいっぱいでしたが、初回と最終回のビデオを見返すと、我ながら成長が一目瞭然でした。上記以外にもこの講習会で学んだこと、得た知識等様々なことを、指導するチームにはもちろんのこと、県の育成センターでもしっかりと発揮し、選手の更なる成長と、自己研鑽にも励みたいと考えています。
 今回は熊本県開催に参加させていただきました。参加までは、もう少し近くの会場を設定していただくなど、受講しやすくしてほしいとの思いもなかったわけではありませんが、実際に参加してみると、日本各地の様々な場所、プロ選手から U12 カテゴリーまでの指導者が参加されていて、たくさんの方々とコミュケーションをとり情報交換できたことは、大変貴重な経験になりました。
 子どもたちに背中を押され参加した講習会でしたが、程良いストレス (緊張感) のなかだからこそ、素晴らしい学びと良い成長ができたと思っています。
 今回、学びをサポートしていただいたメインのコーチデベロッパーの方がおっしゃっていた「自信のない謙虚はただの弱気‼︎」を忘れずに、これからは自信がなくても強気で学び、チャレンジをしていきたいです。
 一緒に受講した皆様、支えていただいたコーチデベロッパーの皆様、本当にありがとうございました。

○ 松﨑圭介さん (鹿児島県 / Red Monsters (一般・男子) / 鹿児島レブナイズアカデミー)
 私は現在、プロバスケットボールチームのセカンドチームでヘッドコーチを務めており、日々の指導のなかで、選手を上のカテゴリー、つまり B リーグの舞台へと送り出すという明確な目標を掲げています。
 しかし、選手たちの能力が高まるにつれ、これまでの自分のコーチング手法では彼らの成長をサポートしきれないという限界を感じていました。
より高いレベルでの指導者としての知識と、選手をプロへと導くための新しいアプローチを学ぶ必要があると感じ、B 級コーチライセンスの受講を決意しました。
 講習会では、「プレーヤーズセンタード・コーチング」という哲学に深く触れる機会を得ました。これまでの私は、勝利にこだわりすぎるあまり、選手の主体性よりも自身の指導を優先してしまうことが多々ありました。初回のコーチング実践でも「コーチセンタード・コーチング」だと指摘されてしまいました。
 そういった日々の練習で結果を出すことにフォーカスしすぎ、コーチングの原点である自身のフィロソフィーを忘れかけていたことに講習会を通じて気づきました。
 私のコーチングフィロソフィーは、「バスケットボールを通じて、選手を人として成長させる」ことです。このシンプルな信念が、講習会で再認識した「プレーヤーズセンタード・コーチング」の理念と深く結びついていることを学び、選手をバスケットボール選手としてだけでなく、一人の人間として尊重し、彼らが自ら考え、行動する力を育むことこそが、プロとして成功するための土台だと改めて確信しました。
 講習会での 5 日間は、まさに濃密な時間でした。コーチデベロッパーの方々や、全国から集まった、現役選手から各カテゴリーのコーチの方々からフィードバックをいただき、非常に実りのある経験ができました。私自身の指導に対する視野を大きく広げていただき、「コーチング」の重要性を痛感させられました。
 講習会を終え、現場では勝利にこだわることももちろん重要ですが、それ以上に「なぜこの練習をするのか」「このプレーの意図は何か」を選手自身に考えさせる時間を積極的に取り入れています。
 今後も、この学びを胸に、自身のコーチングフィロソフィーをブラすことなく、バスケットボールと真摯に向き合う選手たちを育成していきます。そして、私の目標である B リーグの舞台で活躍できるプロ選手を一人でも多く輩出するために、日々情熱を持って指導に励んでいきたいと思います。

※2025年度の JBA 公認 B 級コーチ養成講習会の受講者募集は終了しました。