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JBA × ナイキ × S.C.P. Japanがタッグを組んで挑む、女の子がバスケを続け られる環境づくり。ジェンダーインクルーシブコーチング研修 in 有明 レポ ート【前編】

2026年9月16日

2026年8月15日(土)・16日(日)、バスケットボール男子日本代表の国際試合「買取大吉カップ2026(8/15)」および「SoftBank CUP 2026(8/16) 」の同日に、指導者研修プログラム「COACH THE DREAM 〜女の子のためのスポーツの未来の描き方〜 in有明」を開催しました。

本プログラムは、「女の子がバスケットボールを続けられる環境をつくる」という共通のビジョンのもと、公益財団法人日本バスケットボール協会(以下JBA)、ナイキジャパン、一般社団法人S.C.P. Japanが連携し、主に女子選手を指導するバスケットボールの指導者を対象に行う「ジェンダーインクルーシブコーチング研修」です。8月16日(日)には、スペシャルゲストとして、パリ2024オリンピックで女子日本代表のヘッドコーチを務め、現在は東京医療保健大学女子バスケットボール部の監督を務める恩塚亨さんもご参加。計136名の参加者とともに、女の子を取り巻くスポーツ環境や日々の指導のあり方を改めて見つめ直し、学びを実践へと繋げるための機会となりました。

本記事では、当日の様子や参加者の声を、取り組みに込めた想いと交えながら紹介します。

「コーチ」という存在が持つ可能性と力を改めて見つめ直す
次世代のスポーツの未来を考える時、存在として欠かせないのが指導者=コーチたちの存在です。特にユース世代のアスリートや子どもたちにとって、コーチは競技やスポーツの可能性や選択肢を提示するだけではなく、人生そのものを導く存在であるといっても過言ではありません。「COACH THE DREAM」のプログラムには、そんなコーチたちの存在と、一人ひとりのコーチが持つ力を称えるとともに、改めてその可能性に気づいてもらえたら、という想いが込められています。
 
スピーカーを務めた、ナイキジャパンのソーシャル・コミュニティ・インパクト アジア太平洋シニアディレクターである森本美紀さんと、JBAの基盤強化本部・指導者養成グループマネージャーの関根夏美さんは、3つの団体が連携してこのプログラムを実施する目的をこう語ります。

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スピーカー:ナイキジャパン 森本美紀さん

「ナイキでは、グローバルで女の子のためのコーチングについてまとめた『女の子のコーチガイド』という教材があり、それを日本版にして展開しています。ただ、ナイキだけでは指導者のネットワークにリーチすることはできません。そこで、JBAさんと連携することでより多くのコーチに研修を届けていくことができますし、S.C.P. Japanさんは、リアルな声をしっかりと拾いながら、現場のニーズや課題に対応したコンテンツにアップデートしていくことができます。このように、それぞれが持っている強みを融合させてできたのが、この『COACH THE DREAM』です。」

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スピーカー:JBA 関根夏美さん

「バスケットボール界を見た時に、男子に比べて女子の割合が低いという課題があるのが現状です。女性コーチや審判を増やしていく取り組みも進めている中で、女の子がバスケットボールを続けていける環境づくりも、取り組むべき課題だと認識しています。ただ、自分たちだけではすぐに変えることは難しいので、ナイキさんやS.C.P. Japanさんと連携することで、少しずつ変えていけると考えています。プレーヤーに直接影響を与えるのは、現場にいるコーチです。いいコーチがいたら、プレーヤーにとってより良い環境ができる。だからこそ、指導者を育てていくことは非常に大切なことだと思っています。同じような悩みを持つ指導者同士で意見交換できる点も、このプログラムの大きな魅力だと考えています。」

3時間にわたる研修は、座学による学びのインプットはもちろん、グループでのディスカッションや実際に体を動かすアクティビティを多く取り入れています。知識や新しい視点を取り入れるだけではなく、他者の言葉や振る舞いからインスピレーションを受ける時の感覚や気づきが生まれる瞬間、繋がることの喜びを、体感として持ち帰ってもらうことを目指しています。

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女の子がバスケットボールを辞めてしまう要因に隠されたもの
今回の指導者研修には、U12、U15、U18とさまざまな年代を指導する指導者の皆さんが集まりました。女の子のスポーツ参加率は、年齢を重ねるにつれて急激に低下していくというデータが示されており、指導の現場でコーチの皆さんが感じている課題は年代ごとでも多種多様。女の子がバスケットボールを継続できるかどうかの分かれ道には、どんなことが影響しているのでしょう。

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グループに分かれて行われたディスカッションでは「友達同士で揉めてしまってやめたい」「親に試合に出られないならやめた方がいいと言われた」など、周囲との関係性の中で続けられなくなったという事例のほか、「脚が太くなるのが嫌だから」「おしゃれを優先したい」「ロールモデルがいない」「体型や体の変化に戸惑う」といった“女の子特有だと思われている”ような理由も挙がりました。

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なぜこのような要因で、女の子たちはバスケットボールから離れてしまうのか。これらは、単に女の子自身の心の問題や個人的な感覚に留まるものではないと、本プログラム開発者のひとりである、一般社団法人S.C.P. Japanの三倉茜さん(順天堂大学助教)は話します。

「女の子がスポーツをやめてしまう要因として、怪我や健康上の問題など、個人的な理由はもちろんある一方で、実は一番多いのは社会的な要因だと言われています。例えば『バスケをしているとモテない、おしゃれがしたい』とか『体型が気になるから嫌だ』と聞くと、一見、その女の子自身の価値観だから仕方ないよね、他にやりたいことがあるなら仕方ないよね、となってしまいがちですが、その気持ちがなぜ生まれてきたのかを突き詰めて考えると、社会的な要因に帰属することが多いと言われています。社会で当たり前とされている考え方や、指導者をはじめとする周りにいる大人の言葉や関わり方が、彼女たちの自信や意欲に大きく影響すると調査によっても明らかにされています。」

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本プログラムでは、特に女の子たちのスポーツ環境を考える時、社会的・文化的な要因として障壁になりやすいアンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み)にフォーカスしています。女の子たちが置かれている環境や状況、周囲の影響を知ることからはじめ、どのようなコミュニケーションが必要なのかを考えること。その上で、指導や女の子たちと関わる際にかける言葉が、無意識の思い込みに基づいていないかを見つめ直すこと。

そのような思い込みは誰もが持ち得るものだからこそ、女の子たちが前向きにスポーツを続けていく機会を繋げていけるよう、現在の課題を深掘り、それらを乗り越えていくためのアイデアを出し合いました。

*後編に続く(近日中に掲載予定)