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3×3男子日本代表 強化合宿④ レポート「今は2年後を見据えた道筋を立てています」若木悟琉選手

2026年5月14日

FIBA 3x3ワールドカップ2026はベスト8を目標に掲げ、今合宿では新たなオフェンスシステムにトライ

3x3をはじめて2年目、一歩一歩成長につなげる若木悟琉選手

 3×3男子日本代表は5月12日(火)〜13日(水)の期間、「FIBA 3×3ワールドカップ2026」(以下ワールドカップ)の選考を兼ねた強化合宿④を実施。4月のFIBA 3×3アジアカップ2026(以下アジアカップ)や、その後の世界トップチームとの練習試合を経て、中祖嘉人ヘッドコーチは「オフェンスのシステムをブラッシュアップしていく」ことに今合宿は注力しました。

 昨年のワールドカップで日本は12位。ロサンゼルス2028オリンピックへ出場できるのも12チームです。出場圏内と言えますが、2027年12月時点で世界各大陸のランキング上位がストレートインで決定し、日本より下位のチームが出場権を得る可能性も少なくありません。その後のオリンピック予選へ向かうチームはランキング上位が占めることが予想され、2年後に向けて逆算し、今年のワールドカップ2026では日本初のベスト8進出を目指します。

 中祖ヘッドコーチは、「ドイツやオランダといった世界トップチームにも決勝トーナメントへ進んだときに1回でも勝てるようにチャレンジをしないといけません。ワールドカップの予選を抜けることは昨年クリアでき、それはもうチャレンジではないので今大会の目標はベスト8。ここを目指していかなければオリンピック出場も難しくなり、それを達成するためにも世界トップ8のチームに勝たなければいけないです」と述べ、まずオフェンスのてこ入れからはじめました。

 アジアカップ2026で日本代表初選出されたクーリバリ ソロモン選手(UTSUNOMIYA BREX.EXE)は、「オフェンスのシステムが今回はアジアカップのときとは全く違い、新しいトライでした。チーム全体として、どういう動きが正解なのかをフォーカスしました」と話すとおり、合宿初日はうまく噛み合いません。しかし、少しずつ相手の裏を取るプレーが出はじめ、「まだまだですが、良いイメージはできています」と小澤崚選手(SHIBUYA SCELFIDA)も新たな光が見えはじめていました。

 ワールドカップで過去最高位の11位となった2016年を含め、3度世界の舞台に立った鈴木慶太コーチ。現役を続ける3×3プレーヤーであり、長年の経験を惜しみなく選手たちに伝える役割を担います。オフェンスに特化した今合宿について、「より日本の戦力の中でストレスなく得点できるか」に取り組み、短期間ですが成果は現れはじめています。昨年はコーチとしてワールドカップへ率い、予選を突破してベスト8進出を懸けたPLAY-INトーナメントまで進みました。しかし、プエルトリコに14-22で完敗。「ベスト8への壁はすごく大きなものとしてあると感じています。しかし、目標へ向かうためには絶対に通過しなければいけないですし、その先に進んだチームにも勝てる力をつけなければ、今後にもつながりません」と鈴木コーチは話し、挑戦することにフォーカスしていました。

 今年2月の最初の強化合宿で「日本代表になりたい選手は日本代表に選ばれないと思ってください。オリンピックに出たい選手しか日本代表には選ばれない、オリンピック出場が3×3男子日本代表のゴールです」と中祖ヘッドコーチは宣言し、2年計画の強化がはじまりました。この時点でFIBAランキング国内196位だった若木悟琉選手(SHINAGAWA CITY.EXE)ですが、気がつけばトップ100に加わりました(99位/5月13日現在)。

 アジアカップでの日本の戦いを参考にしながら、「今の日本代表選手とは違うものを僕は持っていると中祖ヘッドコーチに言われ、その自覚もあります。自分の強みは何でもできる点とこの中では能力が高いと思っています」と自信を持って臨み、強化合宿を重ねる毎に成長を見せています。若木選手に足りないのは経験であり、「その差をいかに縮めていくかが大事になります」という課題も明確です。

「中祖ヘッドコーチからは2年後のオリンピックに向けて少しでも経験を積んでもらいたいと期待して合宿に呼んでもらっていると思っています。2年後に向けた今の課題はフィジカルの部分をどう補っていくか。フィジカルで負けずに世界と対等に戦えることでスタートラインに立てなければ、その先のプレーや日本代表に絡んでいくことも難しいです。今すぐに取り組み、来年にはその課題をクリアにしていることを目標にし、さらにそこからオリンピックに向けた代表選考に絡んでいきたいです。そのために今は、2年後を見据えた道筋を立てています」

 東洋大学卒業後、昨年の3×3 JAPAN TOURで頭角を現した若木選手は2年目を迎えています。パリ2024オリンピックが開催された2年前も、味の素ナショナルトレーニングセンターで合宿に参加していました。しかし、当時・東洋大学4年生だった若木選手は、オリンピックへ向かう5人制バスケ女子日本代表の練習相手として、「少しでも役に立ちたいという思いと、純粋に応援していました」と振り返ります。2年が経った今、「まさか自分が当事者として、日本代表合宿に参加していることにビックリしています。正直言って最初は実感が湧いていませんでした」と立場が一変しました。

「今回で4回目ですが、合宿を重ねる毎に代表として日本を背負う気持ちもどんどん強くなっています。選考される人数も5人制よりも狭き門であり、サブメンバーの2人を合わせても6人しか選ばれません。アジアカップ出場を目指していましたが、あらためてメンバーに選ばれる厳しさを感じました。でも、2年後に選考されるために今はがんばっていきたいです」

 新たなオフェンスシステムのケミストリーを試した今合宿では、ワールドカップへ出場する4名の選考は難航しており、直前合宿まで中祖ヘッドコーチは悩み続けます。

■FIBA 3×3ワールドカップ2026
【開催地】ポーランド・ワルシャワ
【期間】6月1日〜7日
【出場チーム】20チーム
プールA:セルビア(1)オーストリア(9)スペイン(8)オーストラリア(35)マダガスカル(53)
プールB:アメリカ(2)ラトビア(7)モンゴル(11)チェコ(18)ポーランド(20)
プールC:オランダ(3)ドイツ(6)中国(10)日本(14)ニュージーランド(22)
プールD:リトアニア(4)フランス(5)ベルギー(12)プエルトリコ(13)ブラジル(47)
※()内はFIBAランキング(5月13現在)
【日本過去データ】今回で6大会連続8回目出場/最高位11位(2016)
https://fiba3x3.basketball/2026/worldcup

■ロサンゼルス2028オリンピックへの道
・出場枠=12(うち1枠は開催国アメリカで決定)
・2026シーズン(2025/12/1〜2026/11/30)と2027シーズン(2026/12/1〜2027/11/30)の2年間で獲得したポイントの国内ランキング上位20人分を合算して決まるFIBAランキングにおいて、アジアパシフィックゾーン上位2チームが出場権獲得(※オセアニアが上位2チームの場合、3位となるアジアのチームが繰り上がって出場)。その他世界3ゾーンを合わせ、開催国とともに6チームが2027年12月時点で決定(ストレートイン)。
・残る6枠は4回開催される世界予選(OQT)へ
OQT開催国+上位11チーム(※出場資格はFIBAランキング17位以内を想定)
※東京2020オリンピックへ出場した日本は最初のOQT1へ出場資格なし→チャンスは3回
OQT2(出場12チーム中2枠)OQT3(出場8チーム中1枠)OQT4(出場8チーム中1枠)
※FIBA 3×3アジアカップ優勝チームが出場できる3×3 CHAMPIONS CUP 2027で優勝したチームにOQT3への出場権付与