ニュース

U14ナショナル育成センター(男女) 第1回キャンプ レポート「バスケの技術などを習得するには時間がかかるもの」アレハンドロ・マルティネスヘッドコーチ

2025年12月2日

岸 鈴華選手は普段とは違ったプレーにチャレンジ

琉球の先輩たちの背中を追いかける大城瑛士選手

 世界に通用する選手の育成を目指し、ジュニア世代の選手に対して、体力面・心理面・技術面の向上を図ること、さらには積極的な言動・リーダーシップ・ポジティブシンキング等の社会性を身につけるとともに、心身の健全な成長を促進することを目的とするU14ナショナル育成センター。10月のトライアウトを経て、男女各30名を選考し、11月28日(金)〜30日(日)に2025年度第1回キャンプを実施しました。

 今年の男女U16日本代表は揃ってFIBA U16アジアカップでベスト4入りし、来年開催されるFIBA U17ワールドカップへ出場します。冒頭に述べた目的とともに、2年後のFIBA U16アジアカップを見据えた選手発掘と育成を担ってきたことが結果につながりました。男子はアレハンドロ・マルティネスヘッドコーチ、女子は鈴木良和ヘッドコーチとアンダーカテゴリー日本代表を指揮する2人が直接指導し、日本が目指すスタイルや今年の大会を通じて見えた課題をU14世代から落とし込みます。

 マルティネスヘッドコーチは「バスケの技術などを習得するには時間がかかるものです」と話すとおり、少しでも早い段階から必要なスキルや練習法を伝え、習慣化を目指します。鈴木ヘッドコーチも女子U16日本代表を率いて見えた課題として、「リバウンドでのボックスアウト、1対1のフィニッシュ、また1対1では相手が守りにくい方を抜くオフェンススキル。この3つはU16日本代表の短い合宿では習慣化まで行かないので、U14から繰り返し積み上げて欲しいというのが一番のテーマです」と必要な要素を伝えます。

 ブレイク ジェレマイヤデービット海斗選手、宮里俊佑選手(ともに琉球ゴールデンキングス U18)、 越圭司選手(Concordia Lutheran School of Omaha)の先輩たちが男子U16日本代表として活躍した姿を見てきた琉球ゴールデンキングス U15の大城瑛士選手。2年後にチャンスがやってくることを自分事として捉え、「去年もこのキャンプに参加しているので分かるところはみんなにシェアし、分からないところは積極的にコミュニケーションを取りながら、みんなと一緒にアレハンドロコーチの指示を理解することを意識して臨みました」と話し、このキャンプの目的のひとつであるリーダーシップを発揮します。

 昨年のキャンプで成長を実感できた大城選手は、「強みを生かしながらも気を抜いてしまった時にコーチから指摘されることがあったので、1試合を通してコーチから求められていることを常に遂行し続けるポイントガードになれるようにがんばりたいです。今回のキャンプで見つかった課題をしっかりチームに持ち帰って、次の1年間へ向けた成長につなげていきたいです」と新たな目標へ向かいます。

 岸 鈴華選手(サザンギャルズ1031)はFIBA 女子U16アジアカップを「少しだけ見ましたが、自分に当てはめることはできていませんでした」と率直な感想を述べます。京王Jr.ウインターカップ2024-25に出場し、1年生ながら先発を任された岸選手は「自分のレベルがどれぐらいなのかを知りたかったので、この機会を与えてもらえたことはとてもうれしかったです」と世界に目を向けるきっかけとします。

 所属チームではセンターを務める170.3cmの岸選手ですが、キャンプメンバーの中では平均程度。「自分よりも大きな選手を仲間として使ってバスケをするためには、パスもうまくできないといけないと思いました。今はセンターですがポジションを変えたり、ミスマッチをうまく使ったりして大きい選手を上手く使えるようになりたいです」と普段とは違ったプレーやポジションに挑めるのもこのキャンプの特徴です。

 第2回キャンプは12月13日(土)~15日(月)に実施します。今キャンプを通じて選考を行い、30名から20名へメンバーが絞られます。マルティネスヘッドコーチは、「2週間後のキャンプには参加できない選手もいますが、変わらず努力し続けてください。バスケは少しずつしか成長できないので、日々のがんばりが大切です」と選手たちへメッセージを送ります。鈴木ヘッドコーチも「ポテンシャルの高い選手もたくさんおり、伸びしろは感じています。ここから20人に絞っていきますが、今回セレクトアウトした選手も2年後には力をつけてくることはこれまでもありました」とすべての選手に可能性があり、期待を寄せます。U14ナショナル育成センターはあくまで育成キャンプであり、日本代表候補ではありません。2年後のU16日本代表エントリーキャンプに招集され、短い期間で実力を発揮するための予行練習。バスケのスキルやトレーニング方法など、このキャンプでたくさんのコーチ陣から学んだことをどれだけ継続できるかが2年後、そして将来の日本代表につながっていきます。