ホーバスジャパンの改革

アナリティック バスケットボール

オフェンスにおいてホーバスHCが取り組んだのは、東京2020オリンピックで女子日本代表が成果を挙げたシュート期待値を意識した攻撃、”アナリティックバスケットボール”である。表を見るとシュート期待値においては、ペイント外2pt(Non Paint2pt/ペイント外の長い2pt)の期待値が低いことは明らかである。一方で、スペイン戦のショットチャートを見て分かるように、東京2020オリンピック時点では日本は多くのペイント外2ptを打っており、その数はなんと1試合平均14本であった。

パリ2024オリンピック出場を決めたカーボベルデ戦では、日本のペイント外2ptの期待値は劇的に減り、わずか3本である。多くの人が「3ptの試投数が多いことがホーバスジャパンである」という認識をしているが、実際は違う。ホーバスHCが最も狙いたいシュートはペイント内2ptである。その理由は、最も期待値の高いFTを多く獲得したいからだ。①FT、②ペイント内2pt、③3pt、④ペイント外2ptと、狙うべきシュートエリアの優先順位が選手に浸透し、全ての試合で明確な徹底がなされた。FIBAワールドカップ2023においては、ペイント外2ptの平均試投数はわずは3.8本であった。

東京2020オリンピックでのエリアごとのFG%と期待値(PPP)


FG% PPP
Paint 2pt 52.6% 1.050
Non Paint 2pt 30.9% 0.618
3pt 34.5% 1.035
FT 75.0% 1.50

東京2020オリンピック
vs スペイン戦

FIBAワールドカップ2023
vs カーボベルデ戦