大会総括/データから見る日本の立ち位置(ディフェンス)

ディフェンスを振り返る

DEFENSE REBOUND

サイズで負ける日本の永遠の課題であるリバウンド。今大会は68.6%と過去の大会と比べて、高い確率でリバウンドを獲得した。とはいえ、これでもまだ9位であり、目標の70%にはまだわずかに及ばない。また、試合ごとに見るとドイツ戦は84.3%と最高の仕事をしたが、ブラジル戦ではカボクロに9本のORを取られ、DR%が55%と敗因の1つとなった。とはいえ、日本のボックスアウトスキルやコンタクトの強さは着々と進化しており、フィジカルコンタクトもかなり増えているのは間違いない。

しかしながら、3試合で取られたORの原因分析を見ると、まだまだボックスアウトできていないところがあり、練習で取り組んでいるステップアウトさえできていれば取れていたものもまだ少しあるのが現状だ。赤字の数字は、自分たち次第で解決できる可能性が高い項目である。

一方で、ミスボックスアウトの中には、PNRでコンテインしている時に、ロールマンへのボックスアウトが弱く取られてしまったものが3つある。その中にはゴベアのプットバックダンクなども含まれており、ミスマッチでなくとも簡単には取れない状況も存在する。

また、緑色の数字で書かれた項目のアウトナンバーやレイアップはそもそもディフェンスを崩され、良いショットを打たれているので、ボックスアウトそのものが不可能な状況を指している。このレベルではリバウンドよりも先にディフェンスでバッドショットを打たせることが難しく、ディフェンスのレベルを上げなければリバウンドも難しい。

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映像100_DR_ドイツ戦のフィジカルなボックスアウト

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映像101_DR_ミスボックスアウト_ステップイン

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映像102_DR_ロールマンへのボックスアウト

オフェンスリバウンドを与えた原因分析

項目 パリ2024
オリンピック
FIBAワールドカップ
2023
ミスボックスアウト 14 10
努力不足 0 5
リークアウト 0 1
アウトナンバー 7 3
レイアップ 9 2
ミスマッチ 3 4
不運なバウンド 3 4
TOTAL OR 36 28

リバウンド原因分析

赤字は自分たち次第で解決できる可能性があるもの。緑色の文字はディフェンスが向上すれば解決できる可能性があるものを指している。

ボックスアウトのミス (Miss Box Out)

ボックスアウトしなかったものや、上手くコンタクトできなかったケース

努力不足 (Lack of Effort)

どちらが取ってもおかしくないエリアに跳ねたルーズボールへの反応が遅れたケース

リークアウト (Leak Out)

ボックスアウトせずに走り出してしまい取られてしまったケース

アウトナンバー (Out Number)

ディフェンスが破られたことによってローテーションが生まれ相手の人数が上回っているケース

レイアップ (Lay Up)

イージーレイアップミスで、レイアップした選手に取られてしまうケース

ミスマッチ (Miss Match)

ローテーションやスイッチからサイズのミスマッチで取られてしまったケース

不運なバウンド (Unlucky Bounce)

取ることが不可能なエリアにボールが行ってしまうケース

Defense Rebound Ranking
(パリ2024オリンピック)

順位 チーム DR% OPPONENT OR OPPONENT Poss
1 南スーダン 76.8% 8.3 90.0
2 セルビア 76.2% 8.8 88.2
3 ギリシャ 72.1% 9.8 82.5
4 オーストラリア 72.0% 11.3 92.0
5 アメリカ 70.6% 12.8 94.5
6 ドイツ 70.5% 10.2 80.0
7 ブラジル 70.4% 10.5 86.0
8 スペイン 69.5% 10.7 83.3
9 日本 68.6% 12.0 88.7
10 カナダ 68.5% 11.0 87.0
11 フランス 67.8% 11.8 84.8
12 プエルトリコ 61.9% 15.3 99.3

Defense Rebound
(パリ2024オリンピック)


DR% OPPONENT OR POSS
ドイツ戦 84.3% 5 81
フランス戦 68.0% 15 97
ブラジル戦 55.0% 16 88
パリ2024
オリンピック
68.6% 12 88.7
FIBAワールドカップ
2023
64.0% 14.8 91.6
東京2020
オリンピック
64.4% 14.0 91.3
FIBAワールドカップ
2019
59.2% 13.8 87.4