PNRのスキルという時、ハンドラーのスキルを想像するのが一般的だ。また、ビッグマンに関してもどうしてもボールを扱うスキル、すなわちパスをレシーブした後に目が行きがちである。ここでは、世界レベルのビッグマンがスクリーンを”ヒットする(あえてヒットしない)”スキルに注目していきたい。
日本は3試合目、ブラジルのPNRに苦しめられた。日本はコンテインディフェンスで、ハンドラーのプルアップ2ptを打たせるように仕向けたものの、実際高い確率で次々に決められてしまった。エルボー付近でオープンになった41歳ウエルタスのシュートにコンテストをすることが難しかった理由、それこそが見えないカボクロのスクリーンスキルだ。
スクリーンセット時、足の位置をハンドラー側に広めに置き、ファイトオーバーするスペースを与えない。
ハンドラーディフェンスが方向付けをしようとするようなディフェンス(アイスなど)に対して、素早くアングルチェンジをする判断力。
ハンドラーディフェンスがチェイスする(オフェンスのお尻を追いかけるような)ポジションだった場合、ヒットするよりもスリップを選ぶ。
コンテインに対し、スプリントロール(ダイブ)し、スクリーナーディフェンスの裏側を目指す。素早くシールして1on1のチャンスを作る。
スクリーンへ行くまでのスピード。加速してからスピードを緩め、スクリーン位置をアジャストする。
1ポゼッションの中で、スプリントスクリーンを2回3回繰り返すことができるハイモーター。
リジェクト成功の場合はダイブしてポケットへ。リジェクトがセットアップになった場合はスクリーンをセットする。
映像77_PNRスクリーナー スキル
アンダー側に広く足をセットし、スクリーンをヒットする。アンダーされた場合は、ハンドラーディフェンスのお尻を追いかけるようにターンし、次はアンダーできないような低いアングルせリスクリーン(リピック)をセットする。
飛び出していくショーディフェンスに対してセパレーション(距離)を作るようにスリップ。スリップ後は戻ってくるショーディフェンスにシール。
スイッチが分かった段階でスリップを狙い、ハンドラーディフェンスに下を取らせないようにする。もしくはシールしてアドバンテージのあるゴール下でシール(パニッシュメント)。
相手が明らかにスイッチする組み合わせと事前に判断できる場合、フラットぎみにスクリーンをしてスイッチを成立しずらくする(プリベント)。
映像78_様々な`PNRカバレージに対しての判断力
オフボールスクリーンであっても、スクリーンをヒットしようとするメンタリティは変わらない。ブラジルには確かに良いハンドラーやシューターが多い。しかしそれは、スクリーンの精度が支えていることが分かる。
映像79_ビッグマンスキル_スクリーン精度を考える_オフボールスクリーン