世界のスタンダードから学ぶ

セルビアのオフェンス遂行力

ランダムショートPNR

ランダムにプレーされるのでセットプレーではない。
ショートPNRとは、もう1人のビッグマンをベースラインに置いたスペーシングでのPNRを意味している。
このプレーにおいては、ヨキッチが4番でも、5番でもスクリーナーになり、もう1人のビッグマンがベースラインに行く。
ハードロールよりも、ショートロールになるため、ヨキッチの判断力が活かしやすいと考えられる。
PNRだけではなく、一度ヨキッチにボールを預けるゲットアクションから入ることも多い。
4アウトスペーシングで行われるPNRもあるが、ほとんどのランダムPNRはこのスペーシングで行われるのがセルビアの特徴である。また、他のセットプレーもメインアクションでショットにつながらなければ、このショートPNRになることが多いのがセルビアの特徴である。

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映像124_セルビア_ランダムショートPNR

■ゲットアクションとは?
ゲットアクションとは、一度ビッグマンにパスし、そのボールを追いかけハンドオフ(HO)に入るアクションを言う。ヨキッチが世界屈指のパッサーであるため、シンプルながらこのアクションが強力な武器となる。良いショットが打てなければ、リピック(PNR)や、サイドチェンジして、他のハンドラー(ボグダノビッチ)との2メンゲームがコンティニューされる。

ランダムショートPNR

ヨキッチのエルボーアクション(ヨキッチ5番)

ジッパー to エルボーフレアリップHO (PPP=1.13)

ヨキッチにエルボーでボールを持たせ、2番でプレーするボグダノビッチをオープンにするために、4番にバックスクリーン(リップ)をかけるプレー。直前の3番へのフレアスクリーンは囮の動きだが、もちろんボールが飛ぶこともある。メインアクションでショットを得られなければ、最終的にはショートPNRとなる。

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映像125_セルビア_ ジッパー to エルボーフレアリップHO

ヨキッチのエルボーアクション(ヨキッチ4番)

スタックアウト to エルボーリップHO (PPP=1.25)

前のプレーとプレーのユーザーが違う。エルボーでヨキッチがボールを持つことは変わらないが、リップスクリーンをかけユーザーとなるのが主に1番(PG)のミチッチとなる。

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映像126_セルビア_スタックアウト to エルボーリップHO

ヨキッチを使ったズームアクション

サイドPNR to ピンチポストズーム (PPP=1.22)

サイドでのPNRからスタートし、ボールをスイングしてズームアクションへ入るプレー。5/4は必ずヨキッチになり、2番としてプレーするボグダノビッチとヨキッチの2メンゲームが最終的にプレーされる。

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映像127_セルビア_サイドPNR to ピンチポストズーム

ボグダノビッチを使うためのプレー”ホーク”

ホーク to スタッガー DHO(PPP=1.00)

2番でプレーするボグダノビッチのためのプレーで、FIBAワールドカップ2023から多く使われるプレー。ホークカットがエントリーで最終的に4番とのスタッガーHOから、ボグダノビッチとヨキッチの2メンゲームになる。
ホークカットでエントリーすることで、スタッガースクリーンをトップブロックされにくくすることが狙いと考えられる。
オプションとしてボグダノビッチが1番にDHOしてPNRユーザーを変え、またボグダノビッチがピンスクリーンを受けるオプションもある。

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映像128_セルビア_ホーク to スタッガー DHO

スペインPNR(SOB)

SOB スタックアウト to DHO スペインPNR (PPP1.26)

主にはSOB(サイドラインからのインバウンズプレー)として使われるが、ハーフコートセットとしてプレーされることもある。
4番がDHOをした後に、スペインPNRとなる。5番は基本的にはヨキッチとなるが、1番,2番は誰をハンドラー、誰をバックスクリーナーで使いたいかによって、ポジショニングをコントロールする。特にボグダノビッチ、ミチッチの2人のボールハンドラーは、ハンドラーにもスクリーナーにもなる。

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映像129_セルビア_SOB スタックアウト to DHO スペインPNR