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【インカレ2025レポート】中学〜高校〜大学と冬の日本一決定戦を“コンプリート”した選手たち

2025年12月11日

山梨学院大学 #28 山銅彪剛選手

関西学院大学 #21 東 紅花選手

 開幕から13日目を迎える「第77回全日本大学バスケットボール選手権大会(インカレ)」は、本日12月11日(木)の女子2回戦からシード校が登場し、ついに全チームが出揃います。冬を彩る本格的なバスケシーズン到来。インカレの後にはSoftBankウインターカップ2025、そして年明けには京王 Jr.ウインターカップ2025-26と、学生日本一を決める大会が続きます。

 京王 Jr.ウインターカップが新設されたのは2021年、現在の大学2年生が中学3年生のときでした。今年のインカレに出場している選手のうち、SoftBankウインターカップと京王 Jr.ウインターカップの両方に出場経験があるのは男子34名、女子48名。中学〜高校〜大学と“冬の日本一決定戦”をコンプリートした選手たちが現在進行形で熱戦を繰り広げています。京王 Jr.ウインターカップの初代チャンピオンとなった男子・秋田市立城南中学校の小川瑛次郎選手は羽黒高校〜白鷗大学へ、女子・四日市メリノール学院中学校の福王伶奈選手は桜花学園高校〜早稲田大学、東 紅花選手は福岡大附若葉高校〜関西学院大学へそれぞれ進み、大学バスケでも活躍しています。

 女子1回戦に登場した関西学院大学 #21 東選手。昨年のルーキーイヤーは平均約3分の出場でしたが、2年生となった今年はスターターとして起用され、約35分間コートに立ち続けました。「常に自分が求められているプレーを遂行することを意識してプレーしていました」と語り、12点・7リバウンド・3スティールの活躍で初戦を突破。中学・高校時代から全国大会に出場してきた経験値が、大学でも生きています。「バスケをしているときは『やるべきことをやる』それしか考えていないので、これまでも今も変わったことはないです。常にどのカテゴリーでも、どんな場所でも、どこが相手でも自分のバスケを発揮し、関学が目指すスタイルを貫ければ良いと思っています」と話し、明るい先輩たちに支えられながら大学バスケでも頭角を現しはじめています。

 第2回京王 Jr.ウインターカップを制したのは、瀬川琉久選手(現・千葉ジェッツ)率いるゴッドドアでした。準優勝したKAGO CLUB出身、当時の大会ベスト5に選ばれた中で唯一、1年生ながら今大会に出場しているのが山梨学院大学の#28 山銅彪剛選手(明徳義塾高校出身)です。山梨学院大学は昨年の関東大学リーグで2部に降格。今年は関東ブロックの出場枠が14チームから12チームへ減少し、1部昇格を果たさなければインカレへの道が閉ざされる状況でした。そんな中、ルーキーの山銅選手は先発として奮闘し、1部復帰と全国への切符獲得に大きく貢献しました。関東1部のフルチームと対戦したのは入学直後の第74回関東大学選手権での中央大学戦、リーグ入替戦の専修大学戦だけ。インカレ出場を決めたあとに行われた天皇杯セカンドラウンドでは神奈川大学に勝利。準決勝で白鷗大学に74-79で敗れたものの、「関東1部リーグのチームはフィジカルだけでなく身長の高さも違いました。また、バスケIQが高く、僕たちのスタイルへのアジャスト能力も高かったです」という山銅選手にとっては貴重な経験を積む場となりました。

 インカレでも先発としてデビューを果たし、初戦の中京大学戦では11点を挙げて勝利に貢献。「Jr.ウインターカップではメインコートに立ったことで、このインカレもあまり緊張することはなかったです。これまでの全国大会の経験により、今回も落ち着いてプレーすることができました」と感想を述べます。2回戦は前回王者の日本大学に挑み、44-56で敗退。山銅選手は7点を挙げました。

 「中学のときはKAGO CLUBでドリブルスキルを学び、明徳義塾高校には留学生ビッグマンが仲間だったおかげでピックの使い方やその対処法を身につけることができました。今は高校で学んだことをさらに深く突き詰めており、インカレでもうまく使うことができました」とそれぞれステップアップできた環境や恩師に感謝します。現在、古田悟監督からは「自信を持ってもっと積極的にプレーしよう」「スリーポイントをどんどん打って良い」と背中を押されており、来シーズンの関東1部リーグではさらなる成長が期待されます。

 女子トーナメント2回戦に進んだ東選手は、「目標は打倒関東」と力強い言葉を口にします。次戦の相手は昨年のチャンピオン・白鷗大学です。「白鷗大学は代表で活躍されるような素晴らしい選手の方が揃っていますが、そのチームに対して自分のプレーと関学のバスケットがどれだけ通用できるかを試したいです。緊張しますが、4年生と最後の大会に臨んでいるので、思いっきり楽しんで挑みたいです」と笑顔を見せます。

 中学〜高校でしのぎを削った選手同士が大学で再び相まみえるケースもあれば、高校時代に全国へ届かなかった選手が大学で頭角を現すケースもあります。カテゴリーを超えて成長を続ける若き選手たちの集大成の舞台であるインカレも残り4日。明日12月12日(金)、メインコートに変わる大田区総合体育館で女子準々決勝。4強が出揃った12月13日(土)は男女準決勝、翌14日(日)に今年の大学バスケ日本一が決まります。