ニュース
3×3日本代表「FIBA 3×3 アジアカップ2026」総括:継続的な強化の必要性と危機感を抱いたアジア全体のレベルアップ
2026年4月7日
経験豊富な選手たちとともに大会を通じて対応できた3x3男子日本代表
2ポイントシュートを軸に目指すべきスタイルが浸透しはじめた3x3女子日本代表
「FIBA 3×3 アジアカップ2026」では男女ともに4位となった3×3日本代表が、戦いを終えて無事帰国しました。3×3男子日本代表を率いる中祖嘉人ヘッドコーチは、「アジアの国々が日本をかなり研究し、守り方の対策を練ってきていました」と感想を述べます。結果は昨年と変わらぬ4位でしたが、チーム平均総得点を見ると昨年は19.2点、5試合中3試合は先に21点を決めてKO勝利。しかし、今年は平均18.4点、21点を挙げたのは準々決勝のモンゴル戦だけであり、中祖ヘッドコーチが感じたことを結果が現しています。相手のディフェンスに対応するために準備し、3位決定戦の中国戦は20点に乗せ、試合を通じて改善も見られました。「他のチームは確率良くシュートを決め、攻撃力が高いチームも多かったので難しかったです」と勝負どころでの決定力の差が勝敗を分けました。21点を先に取って逃げ切る日本のスタイルを、今後も突き詰めていかなければなりません。
3×3女子日本代表の前田有香ヘッドコーチも、アジア全体のレベルアップを感じています。FIBAランキング12位の日本に対し、初戦のシンガポールは20位、準々決勝のタイは30位、そして準決勝で敗れたフィリピンは19位。シンガポールとタイは今大会や世界のトップチームが集うFIBA 3×3チャンピオンズカップを招致し、急速に経験値を引き上げています。日本の武器である2ポイントシュートを7本成功(38.9%)させたフィリピン戦でしたが、「1点を積み重ねて来たプレーでやられてしまい、新たな課題も見えました」と前田ヘッドコーチは振り返ります。21本中16本を決めたフィリピンのパワフルなインサイドに対するディフェンスは、今後も世界との対戦が続く日本にとって改善すべきポイントです。
今大会よりファウルの基準が変わったことに苦労したと、両ヘッドコーチは声を揃えます。昨年のFIBA 3×3ワールドカップ2026での4試合で男子は15/26本、女子も18/21本といずれも20本以上のフリースローを得ました。しかし、今大会は試合数が1つ多い中でも男子の17本が最高試投数であり、女子に至っては8本しか打つ機会はありませんでした。前田ヘッドコーチは「ファウルの基準が変わったことで笛がなかなか鳴りませんでした。どれだけインパクトが与えられるかをレフェリーは見ていて、選手に影響がなければ吹かれないことが多かったです。1対1でドライブアタックして行くところの判断はできていました。最後のフィニッシュやファウルをもらうスキルが、次のステップとして強化していかなければいけないです」と課題を持ち帰ります。
初選出された男子のクーリバリ ソロモン選手(UTSUNOMIYA BREX.EXE)は平均6.2点、3リバウンド、2.6アシスト、2ポイントシュート7本成功させ、素晴らしいデビューを飾りました。小澤崚選手(SHIBUYA Scelfida)と2ガードで起用する時間帯もあり、「チームとして得点が取れない、または小澤選手のシュートが入らない時間帯をしっかりつないでくれました」と中祖ヘッドコーチは評価します。大会直前まで各所属チームの活動があり、準備期間も少なかったですが、さすがは3×3経験豊富な選手たち。チームケミストリーを発揮し、「それを体現するために、仲西(佑起 )選手と井後(健矢)選手を常に招集している理由です。彼らがいることで、ピック&ロールに長けた選手がいればチームとして機能します。小澤選手とクーリバリ選手のリズムはまったく違いますが、そこにしっかりアジャストできることが彼ら2人の強みです」と中祖ヘッドコーチは言うように、ベテランたちが存在感を見せました。
一方、女子は鶴見彩選手(MAURICE LACROIX)を除き、年間を通してWリーグで5人制バスケに取り組む選手たち。2026年シーズンへ向け、ディベロップメントキャンプから強化を続けて来たことで、「4人それぞれ違った個の良さを出し、そこが噛み合った時はすごく良かったです。初戦のシンガポール戦を大事に練習から取り組んでいました。その成果を出し切ったシンガポール戦はすごく良い試合ができたと思っています」と前田ヘッドコーチが目指すスタイルが浸透しはじめています。
次は6月1日より、ポーランド・ワルシャワで開幕するFIBA 3×3ワールドカップ2026に3×3日本代表は男女揃って出場します。中祖ヘッドコートは、「相手のレベルは別格に上がりますが、ひとつでも勝利をもぎ取っていかなければなりません。そのための準備に対して、今回のメンバーには宿題を与えました」と課題を共有し、レベルアップを図ります。前田ヘッドコーチも4位に終わった悔しさを糧に、「3×3はいろんな経験をしていくことがロサンゼルス2028オリンピックに向かうためにも必要なことです。フィリピンに勝てなかった準決勝をもう一回見直して、修正点を洗い出していかなければいけないですし、危機感も感じています」と今後も続く世界へ挑む準備をはじめます。
