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U15ナショナル育成センター(男女) 第1回キャンプ レポート「ディフェンスとリバウンドの重要性を経験」有田直生選手

2025年12月8日

有田直生選手はFIBA U16アジアカップ 2025に飛び級で出場

女子U16日本代表候補を経て、積極的にシュートを狙う髙橋実来選手

 ジュニアユースアカデミー、U14ナショナル育成センターに続き、トライアウトを経て合格した男女各30名を招集し、U15ナショナル育成センター 第1回キャンプを12月5日〜7日に実施。3年後のFIBA U18アジアカップ 2028へ向け、 世界に通用する育成を目指して体力面・心理面・技術面の向上を図りながら、心身の健全な成長を促進することを目的とした3日間のキャンプとなりました。

 男子アンダーカテゴリーを率いるアレハンドロ・マルティネスヘッドコーチ、男子日本代表アシスタントコーチであり、一気通貫コーチとして男女アンダーカテゴリーにも携わる冨山晋司コーチが女子を担当。スポーツパフォーマンスコーチを含め、日本代表も取り組んでいる練習やトレーニングと同じメニューを伝授します。

 冨山コーチは「ターンオーバーや悪い判断などはプロ選手でもすることであり、それは仕方ありません。でも、この3日間でシュートを打てたけどパスをしてミスをしたり、本当はドライブできたのに行かなかったり、『やれば良かった』『こうすれば良かった』と思ってした失敗は良くないことです。日々の練習からできるようになればどんどん差がついていくので、毎回やり残したことがないようにがんばってください」と伝えました。今回のキャンプも選考があり、限られた時間の中でアピールしなければならないからこそ、すべてを出し切ることが大切です。

 男子は平岡泰介選手(RIZINGS徳島)と有田直生選手(ライジングゼファー福岡 U15)、女子は木下咲弥選手(札幌市立東月寒中学校3年)と先発で起用された安井穂香選手(四日市メリノール学院中学校3年)の各2人が飛び級で今年のFIBA U16アジアカップへ出場。有田選手は「アレハンドロヘッドコーチの求めているバスケにしっかりアジャストして、練習でも試合同様に変わらぬ強度でプレーしながら細かい部分を突き詰めてハッスルしていきたいです」と実際に国際大会を経験したからこそ、このキャンプを通じてさらなるステップアップに励んでいました。

 対戦相手の印象として、「日本より身長も身体も大きかったので、当たり負けする部分がありました。体重を増やしてしっかり体づくりをしていきたいです。また、オフェンスも大事ですが、それ以上にディフェンスとリバウンドの重要性を経験してきたので、所属チームの練習からより意識しています」とマルティネスヘッドコーチが徹底指導してきた意味を理解します。

 今回のキャンプに参加したメンバーも、来年7月開催されるFIBA U17ワールドカップへ飛び級で選ばれる可能性を秘めています。もう一度メンバー入りを目指す有田選手は、「今回は先輩ばかりで引っ張ってもらった側なので、自分はリーダーシップを執ることがなかなかできず、そこが課題です。このキャンプでしっかりリーダーシップを発揮していけるようにしたいと思っています」と話すとおり、同学年だけのこのキャンプでは積極的にコミュニケーションを取っていました。

 今年の女子U16日本代表では、最終選考で外れた髙橋実来選手(四日市メリノール学院中学校3年)。「まだまだ足りないことがあり、シュートを積極的に打つことができませんでした。もっと3ポイントシュートを打って、自分から攻められるようになりたいです」とユニフォームをつかめなかった課題を把握しています。昨年のU14ナショナル育成センターにも選ばれた高橋選手は、「攻めない無駄なドリブルが多かったり、オフボールの動きが中途半端だったりすることがあると指摘され、そこから意識して直したことで攻めやすくなりました」という学びを生かしたことで女子U16日本代表候補に選出され、今年のキャンプでもさらなる成長へつなげます。

 今回参加した30名から、来年2月1日にはじまる第2回キャンプへ向けて20名に絞られます。マルティネスヘッドコーチは、「コーチが求めることに取り組む姿勢が見られました。メンバー選考を行いますが、ここにいる全員が変わらぬ努力を続けて上手くなってください」とメッセージを送り、今後も成長を見続けていきます。技術やポジション、身体的にもまだまだ確立されておらず、日々成長できる世代です。たった3日間のキャンプでは、将来の日本代表に必要な練習方法やトレーニングをコーチ陣は紹介することしかできません。しっかりと日本代表を目標に掲げ、自分が何をすべきを考え、今回学んだ練習を所属チームに戻って取り込むことがスタートラインです。