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2025年度 ジュニアユースアカデミー 第2回キャンプ レポート「身長が高くても日本人選手ならば走れなければ意味がない」エルマスリ アダム選手
2025年12月16日
脚力やシュート力を鍛えてきたエルマスリ アダム選手
キャンプの成果を発揮する京王 Jr.ウインターカップ2025-26に出場する髙橋萊奈選手(North wave)
身長制限はありますが、一般応募によるトライアウトに挑戦し、キャンプへ参加するチャンスをつかんだ選手たちによるジュニアユースアカデミー。第2回キャンプも、恵まれた高身長を使いこなすための練習やワークアウトを実施しました。鈴木良和ヘッドコーチは「サイズがある選手たちばかりなので、ハンドラーとしていろんなアドリブができるというよりも、シンプルにクローズアウトでしっかりシュートを打って決めること。カウンターの1on1から状況判断良くフィニッシュをしっかり選べること。シンプルですが、BリーグやWリーグを目指すにあたって大事なことを3日間通して徹底しました」と成長を促します。
今年の男子U16日本代表エントリーキャンプに招集されたエルマスリ アダム選手(198.5cm / 横浜ビー・コルセアーズ U18 / ホライゾンジャパン・インターナショナルスクール1年)でしたが、強化合宿に進むことはできませんでした。その悔しさを糧に、所属チーム出身の先輩であり、男子日本代表のジェイコブス晶選手(フォーダム大学)が同世代の時に行っていた同じメニューに取り組みます。3ポイントシュートやミッドレンジシュートも打ち込んでおり、練習では5〜6割を超える成功率を記録することもあるそうです。今夏にはBリーグU17選抜チームとして、2025 Shanghai Future Star Basketball Championshipへ出場し、U16中国代表と対戦。「220cmとマッチアップする機会があり、その高さに対して動けなければ通用しないことも分かりました」と男子U16日本代表と同じ経験ができました。所属チームでは「白澤(卓)コーチから身長が高くても日本人選手ならば走れなければ意味がない。世界では204cmでも走れる選手ばかりだよと言われ、その後は毎日走る練習をしています。シュートもできるオールランドプレーヤーを目指しています」と磨きをかけ、来年の男子U17日本代表に照準を合わせます。
プレー面だけではなく、5on5の練習時はリーダーシップも発揮していました。「全部勝とうとか、自信を持ってシュートを打っていこうというようなメンタリティーをみんなに伝えたかったです」というエルマスリ選手。これまでも自分自身に言い聞かせてきた「今はシュートが入らなくても大丈夫。ドリブルがまだうまくできなくても大丈夫。でも、ビッグマンだからチャレンジしなくて良いわけでない。それをみんなに伝えて、一緒に励ましていました」と話し、春から比べて心身ともに頼もしくなっています。
県内では高身長であってもこのキャンプでは平均程度となるケースは多く、「普通にレイアップシュートに行ってもブロックされてしまいました。コンタクトしながらシュートを打つことや、交わしながらドライブに行くことなどを意識していました」と前回キャンプの反省を踏まえて臨んだ髙橋萊奈選手(176.8cm / North wave / 中華同文学校3年)。所属チームの練習において、「キャンプで習ったトップフット(前に出ている足)を抜くことを意識してしてみたら、チームでも通用しました」と早速その成果を発揮できたことを喜びます。
センターの高橋選手ですが、様々なポジションを経験できるこのキャンプを通じて、「所属チームではドリブルを突くことがほとんどなく、ドリブルを突いてもすぐに取られてしまうような感じでした。でも、このキャンプで試してみたら、ドリブルを突いてプレーすることもできたので、今後はセンターだけではなく45度に出てプレーすることも試してみたいです」と可能性を広げます。年明け1月4日からはじまる「京王 Jr.ウインターカップ2025-26」へ出場する選手も多くおり、高橋選手にとってははじめて全国大会へ挑みます。「これまで練習してきたことを発揮して、チームの勝利につなぎたいです」と開幕までの短期間でもまだまだ成長できる楽しみな世代です。
キャンプで学んだ練習やワークアウトを継続することが大切であり、さらに鈴木ヘッドコーチは意識改革の重要性も選手たちへのメッセージとして送りました。
「例えば、30分ほど車を運転して近所のスーパーへいつも買い物に行くことを10年、20年と重ねていけば相当な時間を車の運転をすることになる。でも、その人がF1レーサーになるかと言えばそうはならない。F1レーサーになるためには、それを目指したレベルで技術を磨く練習が必要である。なんとなく毎日練習していては高い目標に届くわけではなく、ただ長い時間練習を費やしても高いレベルには到達しない。目指すべきレベルに応じた意識や意思、覚悟を持って取り組むことで自分のポテンシャルを広げることができる」
今回のキャンプに参加する機会を得られなかった選手たちも含め、自ら一歩を踏み出してトライアウトを受け、自分自身を知る機会が必ず成長につながります。トライアウトで行った練習メニューや「テクニカルレポート2024ユース版」を参考にし、来年のU18日本代表や世界へ挑むU17日本代表を目指すための努力はまだまだ続きます。
