現地レポート

いぶし銀の新戦力RSS

2014年01月05日 19時57分

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移籍選手が移籍1年目に考えることの1つに「果たして自分はチームにとってプラスになっているのだろうか?」と思う点がある。特にトヨタ自動車アルバルク東京は昨シーズンが終わった段階で3人の選手を放出し、たった1人の選手だけを獲得している。その1人――菊地 祥平選手は3人分の戦力を背負っているわけだ。


「特に今日は相手に熊谷(宜之)選手という、僕と入れ替わりでトヨタ自動車を出た選手がいたので、僕が入ってプラスになったと思われるように、一段と自分の役割に徹しました」


その言葉どおり、菊地選手はベンチスタートながら、ディフェンスやリバウンドでチームにエネルギーを与え、チームの勝利に大きく貢献している。


昨シーズンまで在籍していた東芝ブレイブサンダース神奈川では「何でもやろうとしていた」という。責任感が強いといえば聞こえはいいが、無理にでもやろうとするあまり、チームにとっても、自分の心身にとってもバランスを崩す要因となっていた。


「でも今は自分の仕事に徹しきれています。自分が無理をしなくてもトヨタ自動車には優れたシューターがいるし、スクリーンなどでスペースが空いたときにドライブをすればいい。あれこれと悩むことがなくなりました」


バスケット選手として前進をしたい、外国人ヘッドコーチのもとで、これまでとは異なるバスケットを経験してみたいとトヨタ自動車への移籍を決めた。当初は細かい約束事に対応しきれず、プレイタイムも少なかったが、NBLの前半戦を経験して対応できるようになってきた。ドナルド・ベックヘッドコーチも菊地選手の加入を歓迎している。


「ショウヘイは我々のフィロソフィーにフィットした、いい選手だ。スマートで、フィジカルなプレイができて、そして何よりもアタックできるところが、チームにとって大きなプラスになっているよ」


準決勝の相手はNBL1位のアイシンシーホース三河。今シーズン、リーグ戦では4試合を戦って1勝3敗と負け越している相手だ。だが菊地選手はどうしてもそこを突破して、決勝に進みたい思いがある。


「できれば決勝で東芝とやりたいですね」


古巣に自身の生き生きとしたプレイを見せることで、6年間育ててもらった恩返しをしたいと考えている。



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連覇への道を切り開く“元気娘”RSS

2014年01月05日 15時29分

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26点差の大勝だったが、けっして手放しで喜べるほどいい出来ではなかった。「前半はチーム全体の思い切りがなくて、重たい展開になってしまいました」とトヨタ自動車 アンテロープスの栗原 三佳選手も認める。そんな空気をなんとか変えようと、栗原選手はコート上でも、ベンチに下がっても、プレイに、声掛けに全力を尽くしていた。その結果、両チームトップの16得点を挙げている。


「チームがどうすれば勝てるかなんて2年目の私が言える立場ではありません。でも年下の立場だからこそ、チームが一丸になれるように盛り上げることは常に頭に入れています」


ルーキーイヤーの昨年からスタメンに抜擢され、オールジャパン2013ではJXサンフラワーズ(現JX-ENEOSサンフラワーズ)との決勝戦でも7本の3Pシュートを含む23得点を挙げている。今のチームをどうすればいいかは答えられないが、それでも昨年の経験から「チームが一丸にならないと勝てない」ことは強く感じているわけだ。


準決勝の相手は、前回大会の準決勝でも対戦している富士通 レッドウェーブ。そのときは4点差で勝っているが、実力は同等と言っていい。


「ポイントはリバウンド、ルーズボールになると思います。富士通は大きいので、床に転がったボールをいかにみんなでカバーしあって、自分たちのものにしていくか。粘り強く戦わなければいけないと思います」


厳しく、激しい戦いになるだろう。でも、だからこそ、チームが一丸になるために、栗原選手はプレイでも、声掛けでも、元気のよさを出し続けるつもりだ。


「そうして(勝利への)突破口を開きたいですね」


――2年目の“元気娘”が連覇の鍵を握っている。



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打倒NBLへ――新成人の誓いRSS

2014年01月04日 21時48分

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思っていたとおり、東芝ブレイブサンダース神奈川のディフェンスは激しく、ニック・ファジーカス選手は高かった。終わってみれば23点差の完敗だが、それでも自分たちの――東海大学のバスケットは最後まで出し切った。


「個人的には昨年よりも自覚を持って、積極的になれるところもありましたが、やはり守りのドリブルをしたときにスティールされるなど、課題も多く残りました」


得点こそ昨年よりも少なかったものの、それでもポイントガードとしてしっかりとゲームをコントロールしたベンドラメ 礼生選手がそう言えば、211センチのファジーカス選手に真っ向勝負を挑み、14得点を挙げた203センチのセンター、橋本 晃佑選手も続く。


「昨年よりはポストプレイのディフェンスで簡単にシールされないようにはなりました。またオフェンスでも、今日はアウトサイド中心のチームオフェンスでしたが、相手に合わせてアウトサイドプレイをしたり、インサイドプレイをしたり、うまく対応できたと思います」



ともに昨年のオールジャパン2013でもJBL(現NBL)のチーム――リンク栃木ブレックスと対戦した経験を持ち、そこから1年の成長をそう感じている。結果として今年もNBLの壁を乗り越えることはできなかったが、2人はまだ2年生。学生としてNBL打倒を果たすチャンスはあと2回もあるのだ。


むろん今大会で勝てなかった悔しさはある。でもそれは本気で東芝神奈川を倒しに行こうとしていたからにほかならない。悔しさは成長への大きな糧である。


「来年はエースがいなくなるので、全員でその穴をカバーしなければいけません。個人的にはもっと得点も取りにいかなければいけないだろうし、ドリブルもそうですが、積極的にゴールに向かうプレイを磨いていきたいです」(ベンドラメ選手)


「NBLを倒すには、もっとチームでどう守るかを突き詰めていかなければいけないと思うし、個人的にはシュートの精度を上げたいと思います。やはりいくらディフェンスがよくできても、シュートが入らないと勝てないので…」(橋本選手)


成人の日には少し早いが、二十歳の2人が立てた“新成人の誓い”は達成できるのか。可能性を秘めた2人だからこそ、来年以降も注目したい。



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