2013年 新リーグ創設に向けて

Q&A

Q:新リーグはなぜプロリーグと呼ばないのですか?

A:今回の新リーグ設立のプロセスにおいては、プロリーグ設立ありきで進めてきたわけではありません。ただし、2005年のプロ化検討委員会による答申がベースにありますので、これまでもプロ化を目指すという方向で検討を進めてきており、今後の方向性もそれに変わりはありません。今回の新リーグ設立にあたっては、2010年のトップリーグあり方検討委員会の答申にある、“プロという呼称にこだわらず「地域化」「分社化」「事業化」を推進するべき”という内容に沿って検討してきました。その答申の中にある、企業形態チームの「独立分社化(すなわちプロチーム化)」については急速な形態変更は難しく、段階的措置が必要であると判断し、新リーグスタート時点(ステップ1)においては、独立分社化はしなくとも「地域名称を付与すること」と「自主興行を行うこと」を必須条件としました。よって、一般論としてプロリーグとは、独立分社化されたチームの集合体であるとされるため、正式呼称にプロリーグという言葉は用いないことにしました。しかしながら、地域名称の付与、自主興行、加えてプロ契約選手の存在などを鑑みれば、実質的にプロフェッショナルな運営をするリーグとして捉えていただけると考えています。ちなみに、世界各国のプロフェッショナルリーグを見ても、正式名称にプロリーグという言葉を用いているケースはあまり見受けられません。


Q:企業形態チームの参入についてはどのように考えていますか?

A:企業形態のチームとは、福利厚生を目的としているコストセンターであることが前提となるため、その部門を独立分社化すなわち収益部門(プロフィットセンター)に即座に変えていただくことは現実的にかなりハードルが高いことであると考えています。Jリーグは約20年前にそれを一気に進めることができましたが、当時とは経済環境が異なるため、現状ではより難易度が高い状況であると認識しています。企業形態チームは現状トップリーグにおいて多くの選手の雇用や契約を確保することにより選手市場を支え、またそれにより日本のバスケットボールの強化を支えるという役割を担っています。よって、現状は選手市場の確保という観点からも、企業形態チームの参入については認めるべきと判断しました。ただし、今後は地域化や自主運営が進み事業性が担保できるようになれば、企業形態チームであっても独立分社化、すなわちプロ化できるチームがでてくる可能性は十分にあると考えています。


Q:チーム名称に企業名をいれても良いとする理由は?

A:バスケットボールはサッカーや野球に比べてまだまだ市場規模が小さいのが現状です。そのような市場の中でチームが経営を確立するためには、「チーム名の命名権(ネーミングライツ)」という権利を認めること、すなわちチーム名称に企業名を入れることについては、現状やむを得ないと考えています。将来的に市場が拡大し、チーム名の命名権を販売しなくとも経営が安定するような状況になった際に、チーム名称に企業名を入れるべきかどうかについては議論すればよいと考えています。


Q:今後、新リーグはプロ化を目指すのですか?

A:新リーグ設立後は、あくまでも参加チームによる合意形成によって物事を進めていきますので、その合意によってはあり得ると思います。2013年にスタートする新リーグは「ステップ1」と位置付けており、あくまでも段階措置となっています。当初の計画では2015年からスタートする予定となっている「ステップ2」においては、さらに上位となるPリーグ(仮称)を設立する計画となっていますので、2013年に新リーグがスタートされた後には、その検討に入っていくことになります。その議論の中でPリーグについては、あるべき姿、求められる姿を検討していくことになると思います。


Q:なぜドラフト制度を導入しないのですか?

A:運営形態が異なるチームが混在するリーグにおいては、運営規模の差など現状を踏まえると、選手の権利保護という観点からドラフト制度の導入は難しいと考えています。今後、各チームの経営が安定し規模の差異が解消され、参加チームによる合意があれば、2015年以降のステップ2においては導入の可能性はあるかもしれません。新リーグにおける選手の流動性については、サッカー的な発想ではありますが、契約期間の統一、移籍ルールの整備、期限付き移籍の導入、出場選手数の制限、新卒選手の獲得ルールなど、諸制度の整備により担保できると考えています。


Q:オンザコート1と2の併用の理由は?

A:日本人選手の強化を目的に2008年からJBLにおいてオンザコート1ルール(外国籍選手の試合出場が1名のみ)が導入されました。その考えを踏襲しながらも、新リーグにおいてはチーム数の増加による選手確保の観点、興行的な観点などから外国籍選手のオンザコート出場数および契約人数については議論が必要と考えています。それらの要件を踏まえた上で、2013年のステップ1スタート時には、クォーター毎にオンザコート1と2を用いる方向で検討をしていますが、他国の事例や外国籍選手の身長制限ルールなども検討しながら、2014年以降も適宜対応していくことが必要と考えています。