現地レポート

3年ぶりの舞台へ――RSS

2012年01月05日 22時02分

シャンソン化粧品 シャンソンVマジックが、オールジャパンでは3年ぶりに準決勝の舞台へと駒を進めました。ポイントガードの林眞未選手は試合直後にこう言っています。


「下の子たちが…本川(紗奈生)と元山(夏菜)の2人が本当に頑張ってくれたので勝てました。チームとしては相乗効果というか、下からの突き上げがあるので、今はすごくいい状態だと思います。しかも(オールジャパン明けの)Wリーグの再開が富士通(レッドウェーブ)戦なので、オールジャパンで同じブロックになったときは「ここで絶対に勝たなければいけない」と、みんなでこの一戦にかけてきたんです」


オールジャパン2012の準々決勝、シャンソン化粧品はWリーグで現在1勝1敗の相手、富士通に【70-69】と勝利をあげました。林選手の言う本川選手(13得点)、元山選手(15得点)の活躍もさることながら、最終的な1点差の勝利は、この試合にかける気持ちの強さで勝ち取ったものでしょう。


ここ数年のシャンソン化粧品はどちらかといえば気持ちの弱いチームでした。負ければ泣き、相手に体をぶつけられれば動きが消極的になる。それを打開しようとすると、動きが雑になる。そんなチームが準決勝をかけた大一番で最後まで折れることなく、戦い続けたのです。


「正直、昨シーズンまでは『名門・シャンソン』、『リーグ10連覇のシャンソン』という過去にとらわれすぎて、やらなきゃいけないという気持ちが悪い方向に向かっていたように思います。でも今はここまで落ちたら(昨シーズンのWリーグでは6位)やるしかないという思いに、みんなが変わってきました。昨シーズンがバラバラだったわけではないんですけど、今は一人ひとりが自覚を持ってプレイしているし、チームとしても本当に一つになってきているなと感じます」


林選手はチームの変化をそう見ています。


変化という意味では、藤吉佐緒里選手も変わりつつあるように思います。これまではチームと同じように、当たられ、守られると逃げるような、気持ちの強さを前面に出しきれない選手でした。しかし今日は何度守られても次にまた立ち向かっていました。結果としては8得点でしたが、何かそれ以上のインパクトを受けました。


「まだまだ自分の気持ちやプレイをコントロールして、試合に持っていくことができていないので、試合によっては波があるんです。でも今日の試合では途中までは自分でもわかるくらい気持ちも入っていたし、足も動いていたと思います。ちょっとずつではあるけど変わってきていると思います」


藤吉選手も自分自身の変化を実感しているようです。


準決勝の相手はJXサンフラワーズで、藤吉選手の同学年である吉田亜沙美選手がいます。チームとしても、藤吉選手自身としても過去には「宿敵」だとか「ライバル」と呼ばれた相手ですが、今は大きく水をあけられています。しかも今シーズンのWリーグではすでに対戦を終えていて、4連敗を喫しています。藤吉選手は言います。


「久しぶりにオールジャパンの準決勝で戦えるし、(今シーズンに)もう一度JXと試合ができるということで、思いきり向かっていきたいと思います」


準決勝ではガムシャラにゴールに向かう藤吉選手、過去を捨てて戦い続ける新しいシャンソン化粧品のバスケットを見てみたいと思います。


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