現地レポート

優勝を知るベテランの力RSS

2012年01月07日 22時08分

女子に引き続き、男子のファイナリストが決まりました。アイシンシーホースとトヨタ自動車アルバルクです。


現在オールジャパン4連覇中のアイシンですが、その最初の優勝をしたときの決勝の相手がトヨタ自動車で、もっと言えば、その前年、つまりアイシンの4連覇が始まる前年のオールジャパン王者はトヨタ自動車でした。しかもそのときの決勝の相手がアイシンで、さらにはそれがトヨタ自動車のオールジャパン初制覇でした。オールジャパンでのアイシンとトヨタ自動車は、そういう関係にあります。


トヨタ自動車がオールジャパンを初めて制したときのメンバーで、その後も移籍することなくチームに残っているのは渡邉拓馬選手と高橋マイケル選手だけです。当時を知る渡邉選手はこう言っています。


「みんなが同じ方向を向いていて、コートに出ている人間も、ベンチにいる人間もコーチの言うことに真剣に取り組んでいるし、本当に優勝したいという強い気持ちを持っているのは優勝した当時とよく似ているなと感じます。ただ若い…特に日本人が若くて、決勝という大きな舞台に立った経験のある若い選手がいないというのがちょっと違います。その点は今大会に入る前にちょっと不安だったところもありました」


しかし、その心配は杞憂に終わったと言います。それでも決勝戦はこれまでと違う雰囲気が漂う舞台です。渡邉選手は続けます。


「そこをマイケルや僕がフォローできればなと思っています。今日は熊谷(宜之)くんが出られないということで、ヘッドコーチからも『ベテランの力を見せてほしい』と言われていましたし。結果として僕はたいしてプレイができませんでしたけど、決勝ではプレイじゃなくても、若手に『バックアップに僕らがいる』ってことをわかってもらえれば、思い切ってプレイできると思うので、そこは『どんどん自分の力を出し切っていい』と伝えたいなと思っています」


勝てば5年ぶり2度目の優勝です。そのことも渡邉選手はすごく理解しています。


「毎年(優勝の)意識はありますけど、今年は特にリーグ(JBL)でも調子がいいですし、この大会もチームで戦って優勝できるチャンスができたので、5年ぶりの優勝を狙いたいですね」


試合に出る時間は短くても、いやたとえゼロだとしても、ベンチに渡邉選手や高橋選手がいてくれるのは若手にとっても――この若手には正中岳城選手や岡田優介選手ら、ファイナルを経験したことのない中堅も含みます――大きな力となるでしょう。明後日の男子決勝戦では、渡邉選手ら経験豊富なベテランの妙技にも期待したいと思います。


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