現地レポート

これぞ高校バスケの醍醐味RSS

2013年12月24日 21時49分

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敗れはしたが、やはり尽誠学園(香川)は戦う気持ちの見える、素晴らしいチームだった。


昨年、一昨年と渡邊 雄太選手(現在はアメリカ留学中)らを擁してウインターカップ準優勝に輝いたが、その主力が抜けた今年のチームは、今年は3年生が1人しかおらず、県大会でも勝てないところから始まった。そんなチームが色摩 拓也コーチに鍛え上げられ、インターハイ、ウインターカップに出場してきたのである。


ウインターカップ2013では中部大学第一(愛知)に[86-115]で敗れたが、最後まで足を止めることはなかった。それでも色摩コーチは「よくやったという気持ちと、もっとやれたのではという気持ちの半々です」という。そしてこう続ける。


「最後は生活の甘さなどが出たかもしれません。3年生が1人しかいない中、2年生が2年生でした。状況を見極めて、もっとやらなければという気持ちにならなかったことが、球際の一歩の遅れだったり、『まずい、ここは一つしっかりプレイをしなければ』というところに目を向けられませんでした」


厳しいといえば厳しい見方かもしれないが、それだけ、たとえどんな対戦相手であっても勝つことにこだわっていたのだとわかる。しかし下級生主体のチームが全国の舞台に立つことだけでも、来年以降の大きな財産となるのではないか。むろん、その財産をどう運用するかが一番大きな問題だが――。


その点は色摩コーチも十分に認識したうえで、「背の小さいチームこそ僕の原点。今回足りなかったところをしっかり磨いてきます」と言う。


尽誠学園はまだまだ雑草のチームである。しかし雑草に雑草の魂がある。雑草魂を持ったチームは負けたままでは終わらない。それこそが高校バスケットの醍醐味である。



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