現地レポート

ウインターカップに飲み込まれた2年生エースRSS

2013年12月28日 20時12分

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藤枝明誠(静岡)の2年生エース・角野 亮伍選手にとって、初めてのウインターカップはほろ苦いものとなった。インターハイと同じように決勝戦進出を狙った準決勝で、明成(宮城)に[92-108]で敗れたのである。


「ウインターカップは3年生にとって最後の舞台。それだけどのチームの3年生も気持ちが強いなと感じました。気持ちでは僕も負けていないつもりでしたが、3年生の最後にかける気持ちは想像以上に強かったです」


たった1年の差ではあるが、その差が高校生にはとてつもなく大きい。特に角野選手が挙げた“気持ちの強さ”は、試合の結果さえも大きく左右する。


それでもエース対決となった明成の3年生、白戸 大聖選手とのマッチアップで、角野選手は厳しいマークを受けながら両チームトップタイの37得点を挙げている。加えて、最後までオフェンスリバウンドに飛び込むなど、「勝ちたいんだ」という気持ちを前面に出していた。リバウンドなど献身的なプレイをしたことについて、角野選手はこう言っている。


「3年生が真剣にやっているのに、2年の僕がサボったらダメだから……今大会は3年生に引っ張られました」


“ウインターカップは3年生が主役”と言われるゆえんを角野選手は肌で感じたわけだ。


来年はその3年生になる。名実ともに藤枝明誠の大黒柱として、チームを引っ張らなければならない。その一方でエースである以上、どのチームからも厳しく守られるだろう。そのことは角野選手もわかっている。


「技術的にうまくなるのはもちろんですが、マークのされ方がこれまで以上に厳しくなると思います。そのときにどれだけ頭を使って得点を取れるか、来年の課題です」


勝っても負けても、そして自身の調子がよかろうが、悪かろうが、記者から毎日のようにコメントを求められるのは、すでにエースである証拠だ。しかし昨年度の日本代表候補はまだまだ発展の途上にある。最上級生になって技術に頭脳が加わり、そしてメンタル面でも波が小さくなれば、これまで以上にアンストッパブルなエースになるだろう。


だが、来年に向かう前に忘れてはいけない大事な試合がある。インターハイの決勝で敗れた京北(東京)との3位決定戦である。角野選手は言う。


「決勝戦よりも注目させるゲームをしたいです。そして色は気に入らないけど、メダルを3年生に贈りたいです」


2年生としての最後のゲームに、2年生の自分にできるすべてを注ぎ込むつもりだ。



 



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