現地レポート

「裕司っ子」の意地がぶつかる女子ファイナルRSS

2013年12月27日 14時49分

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「あのプレイは鐘ヶ江選手の意地でしたね」――敗れた昭和学院(千葉)の鈴木 親光コーチが舌を巻いたのは、岐阜女子(岐阜)のキャプテン、鐘ヶ江 さゆり選手が見せた2本連続のドライブである。第4ピリオド、昭和学院が[57-57]に追いついた直後のプレイだ。これで昭和学院に傾きかけていた流れが、岐阜女子に戻ってしまう。


鐘ヶ江選手が振り返る。


「インターハイで昭和学院と対戦したときは、自分たちが追い上げたときに流れを戻されたんです。だから今日は追い上げられたときに冷静になって、自分が得点を取りにいこうって決めていました」


インターハイのときは流れを取り戻されて敗れたが、その借りを返すべく挑んだウインターカップでは自分のプレイで流れを取り戻し、チームを勝利に導いた。見事なまでのリベンジである。


決勝の相手は今シーズン一度も勝っていない桜花学園(愛知)。そのベンチには名古屋市立若水中学校で「全国中学校バスケットボール大会」を共に制したチームメイトが5人いる。酒井 彩等選手、井澗 絢音選手、高辻 真子選手、加藤 優希選手、そして渡邊 好美マネージャーだ。


「決勝で戦おうねって話をしていたんです。それが実現できてよかったです」


東海大会で対戦したときは、酒井選手とマッチアップをした。


「酒井選手は中学のときからエース。ディフェンスでは自由にプレイをさせず、オフェンスでは積極的に1対1を仕掛けて、チャレンジャーとして戦います」


鐘ヶ江選手がそういえば、酒井選手はこう返す。


「1対1では鐘ヶ江選手のほうがディフェンスの脚力があるし、中学のときに一緒にやっている分、プレイも読まれてしまうと思うんです。だからカッティングをうまく使って、攻めたいですね」


若水中の選手たちは杉浦 裕司氏(前・若水中学コーチ。現・東海学園大学女子バスケット部ヘッドコーチ)に指導を受けたことから「裕司っ子」と呼ばれる。その裕司っ子が直接対決をするウインターカップ2013女子ファイナル。意地と意地がぶつかり合いこと、間違いなしである。



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