現地レポート

高校生年代の日本代表が教えてくれたことRSS

2011年12月23日 13時28分


高校生年代の日本代表とはどれほどのものなのか? それをいきなり見せてくれたのが女子1回戦、東京・東京成徳大学と青森・柴田女子の対戦でした。東京成徳大学には昨年の「第1回FIBA U-17女子世界選手権大会」で5位になったときのメンバー、根岸夢選手(3年)がいます。一方の柴田女子には、今月、中国でおこなわれた「第2回FIBA ASIA U-16女子バスケットボール選手権大会」に出場し、優勝に貢献した中村優花選手(2年)がいます。根岸選手が高校1年生のときに創設されたU-16。根岸選手は第1回のアジア選手権を2位で通過して、上記の世界選手権に出ています。いわば、根岸選手と柴田選手は、U-16日本代表の姉妹のようなものです。


その2人は、ポジションが違うのでマッチアップをすることはありませんでしたが、対戦し、東京成徳大学が【57―44】で勝利し、2回戦進出を決めました。



「点差が少し開いたときに、相手が諦めるくらいにもっと開かせることができなかったのはまだまだだと思うし、自分も全然得点が取れていないので、そこは明日の試合までに修正していきたいと思います。柴田女子のディフェンスはジャンプシュートを打たせないように間合いを詰めてきていたし、ドライブに対しても周りの寄りが早かったので、行きにくかったです。でもそれは練習のときに男バス(同校の男子バスケット部)がやってくれていたんです。フェイスガードでついてくれたりもしていたんですけど、それに自分が対応できていなかったので、どこのチームもやってくると想定して、冷静にやらないといけないと思いました」


試合後に根岸選手はコメントしていました。一方の中村選手はこう言っています。


「ウインターカップに向けてチームが1つになって、いいチームワークで戦えたなと思いました。でも負けるってことは足りないところがあるんだと思います。ただ、経験のない選手が集まっているチームですけど、今回、自分たちがみんなで力を合わせてやれば戦えるってわかったので、自分は来年1年あるので、もっと強くなって、こういう大きな大会で1勝でも多くできるように、自分自身もレベルアップしていきたいと思います。個人的にはイージーシュートを外したり、フリースローを落としたりしていたのが残念ですけど、自分のスタイルであるドライブやリバウンドは通じたので、その質をもっと高めていきたいと思います」


さらにU-16アジア選手権から持ち帰った教訓として、こんなことも中村選手は言っています。


「試合に出るのは5人だけですけど、その試合に出ている5人が、コーチやトレーナーさん、チームメイトなどチームのみんなの思いを背負って、みんなが1つになって戦って、相手が誰であろうが勝つという気持ちを学んだので、そういうところもチームに伝えていけるように心がけてきましたし、今日もその気持ちで戦いました」


勝てば嬉しいけれども、次に向けて、また手綱を引き締めなければいけない。負ければ悔しいけれども、こちらも次に向けて、気持ちを新たにしなければいけない。そうやって高校生たちは大人の階段を昇っていくのでしょう。そのことを2人の高校生年代の日本代表選手が教えてくれました。


まだ大会初日の8試合が終わったところですが、すでに勝者と敗者が分かつドラマが生まれているのです。ここではゲームの雰囲気をだけではなく、高校生たちの生の言葉、偽りのない気持ちも伝えていければいいと思っています。やはり「JX-ENEOSウインターカップ2011」は熱い!


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