現地レポート

唇をかみしめてRSS

2011年12月27日 16時11分

「JX-ENEOSウインターカップ2011」女子のファイナリストが決まりました。


決勝のカードは、
札幌山の手×山形市立商業 です。
札幌山の手は2年連続の決勝進出で2連覇を目指します。一方の山形市立商業は初めての決勝進出です。連覇か、初優勝か、明日の決勝戦が早くも楽しみなところです。もちろんその前には3位決定戦もあります。


桜花学園×岐阜女子
桜花学園は今日の札幌山の手戦に敗れたすぐあと、まだ選手が涙を流しながら取材を受けているときに「練習です。着替えたら練習会場に行ってください」とマネージャーからの伝言がまわってきました。そうです、まだ終わりではありません。明日の3位決定戦に向けて、最後の準備は始まっているのです。


そんな桜花学園において、この大会で久々にコートに戻ってきたのがヒル理奈選手です。昨年の女子U-17日本代表選手でありながら、「久々」と書けば、怪我でもしていたのかと思われるかもしれません。しかし、そうではありません。北東北インターハイまではスタメンでしたが、あまりの不甲斐なさにその座を1年生に奪われてしまったのです。山口国体でも愛知県選抜のメンバーとして名を連ねていましたが、出場機会に恵まれないまま大会を終えています。そのヒル選手が、ベンチスタートながら、今日の試合では23分17秒、チームのために走り続けていたのです。


「インターハイの負けから始まって、いろいろありました。たぶん先生(井上眞一コーチ)は自分をエースにしたくて、インターハイが終わってからBチームに下げられて自分を奮起させようとしていたんですけど、自分が奮起できなくて…国体のときもやらなきゃいけないとは思っていたんですけど、やはりコートの上ではまったく表現できませんでした。そうなると当然使ってもらえないし、その繰り返しでこのウインターカップまで来ました。この大会の前にようやく自分の調子も上がってきて、ちょっと交替で使ってもらえるようになったので、この大会は優勝するつもりできましたが、それが果たせなくて悔しいです。結局、自分の力不足のまま1年間が終わったような気がします」


試合後、ヒル選手は涙を浮かべながら、そして言葉を選びながらこの1年間をそう振り返ってくれました。


今年の桜花学園の3年生にはキャプテンの三好南穂選手とヒル選手、武田綾華選手といった昨年の女子U-17日本代表のメンバーが3人います。それ以外にも板谷日香里選手、菅原絵梨奈選手は中学時代に、「U-15女子トップエンデバー」で最終の15人に選ばれています。いわば、当時の超中学級たちが集まっていたわけです。しかし最上級生になった今年はインターハイ以降、ポイントガードの三好選手、控えで出ることの多かった板谷選手を除く3選手はほとんど出番がなくなりました。腐ってもおかしくない状況の中で、最後の大会だからと奮起し、ヒル選手が出場機会を得たわけです。つまり彼女からすれば、武田選手や菅原選手を代表してコートに立つという気持ちも持っていたのです。


「武田や菅原もスタメンを外されてすごく悔しかったと思うし、自分から見れば2人とも頑張ってはいたと思うんですけど、それ以上のものがなかったというか、先生に認められるほどではなかったので…(外されていた3人の)代表してという気持ちはありました」


今年はインターハイでも札幌山の手高に【83-87】で敗れ、国体でも、札幌山の手を中心とする北海道に【68-79】で敗れています。そしてウインターカップでもまた札幌山の手高に【71-74】で行く手を阻まれています。「3回とも最後は長岡選手にやられてしまって…」。そういってヒル選手は唇をかみしめていました。


高校卒業後は、アメリカの高校に入り直して、そこからアメリカの大学を目指すそうです。バスケットだけではないでしょうけど、バスケットも勉強し直して、また大きくなって日本に帰ってきてもらいたいと思います。唇をかみしめたこの悔しさを忘れずに――。

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