現地レポート

挑戦に不可能はない!RSS

2011年12月24日 22時18分

ちょうど1ケ月前の11月24日に「JX-ENEOSウインターカップ2011」の組み合わせが決まりました。つまりそれは対戦相手が決まると同時に、出場するすべてのチームが目標を明確にする瞬間でもあります。青森・県立弘前実業にとっての「明確な目標」は、昨年度の優勝校、福井・北陸を倒すことでした。結果は――【77-71】でその目標を達成しました。


「ウォーミングアップをしているときから何かやってくれそうな気がしていて、試合前に『なんかお前ら、今日、いいな』って…科学的な根拠はまったくないんですけど、ウォーミングアップが終わって、彼らと会ったときから、何かやってくれそうな気がしていたんです。これまで苦しい道のりばかりだったので…本当に嬉しいです」



試合直後、小野公太郎コーチはそう言っていました。この1ケ月、とにかくみんなで守ることを繰り返し練習してきたと言います。


「点数の取り合いに持ち込もうかなと思ったんですけど、やはり厳しいかなと。そうなると、彼らと出会ってからずっとディフェンスばかりを鍛えてきたので、マンツーマンのディフェンスで、みんなで守って、攻めようと。指示としては、とりあえず速攻を出されないことと、リバウンドを死に物狂いで取ろうということだけでした」


その言葉どおり、全員で守って、全員でリバウンドに…北陸のリュウ孟涛選手などビッグマンたちに対しては2人がかりでボックスアウトして、他の誰かがリバウンドに飛び込んでいました。オフェンスでは山崎渉真選手が両チームトップの40得点・15リバウンドをマークしています。まさにエースの活躍でチームを引っ張りました。山崎選手自身「(高校生活)最後の大会ということもありますし、自分がやらないと勝てないという思いもあるので、とにかく得点を取ることだけに集中して、チームを引っ張っていけたと思います」と言っています。


もちろん彼だけではありません。小野コーチは他の選手たちの成長を認めています。


「今までは渉真に頼りきりだったなかで、今回は渉真が大学入試などで5日間ほど練習に出られない時期があって、そのときに周りの子たちが本当に伸びてくれました。7番の工藤駿は積極的に3Pシュートを打ってくれましたし(この試合でもベンチスタートながら3Pシュート4本を決めています)、ガードの葛西崇臣も本当にチームを引っ張ってくれました。彼は中学2年生からバスケットを始めたんですけど、本当に気持ちの強い選手で、練習を見ていても本当に感心するくらいやってくれるので、神様が見ていてくれたのかなと思います」


最後まで本当にコートに立っている5人の、いえ、ベンチメンバーや応援席で応援する仲間たちの集中力までも切れることはありませんでした。小野コーチは言います。


「ずっと応援されるチームでありたいと思ってきたんです。昨日の福島・県立福島商業もそうでしたけど、応援力というのは本当に大きい。だからこの会場に入るまでにとにかく1人でも増やそう、増やそうと言ってきました。そういった応援力が彼らの、普段は入らないようなシュートが入ったり、ローテーションの力に変わったのかなと思います。感謝しています」


もちろん、これで終わったわけではありません。明日は2回戦、千葉・県立幕張総合戦が待っています。山崎選手は言います。その言葉を信じましょう。


「自分たちのブロックは厳しいところばかりなので、一戦一戦全力でプレイしようってみんなで話し合っていたので、目標は決めていません。行けるところまで行くだけです」

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