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FIBA女子ワールドカップ予選まであと1週間:強豪揃いのグループAを恩塚亨HCと渡嘉敷来夢選手が解説

2022年2月3日

強豪揃いのグループAを勝ち抜くために準備する恩塚亨ヘッドコーチとスタッフ陣

女子バスケ界のスーパースターとの対戦を待ち焦がれる渡嘉敷来夢選手

 「FIBA女子バスケットボールワールドカップ2022予選(以下ワールドカップ予選)」まで、あと1週間(2月10日開幕/大阪府・おおきにアリーナ舞洲/チケット好評発売中)。FIBAランキング8位、5連覇を達成したアジアチャンピオンのAKATSUKI FIVE 女子日本代表とグループAで対戦する3チームについて、恩塚亨ヘッドコーチと渡嘉敷来夢選手(ENEOSサンフラワーズ)が解説。対戦順に各チームをご紹介していきましょう。

■カナダ:2月10日(木) 19:00TIP-OFF
FIBAランキング:4位/アメリカ予選:4位/オリンピック:9位

 今大会唯一、日本よりもFIBAランキングで上位にいるのが、4位のカナダです。2018年の三井不動産カップで来日し、そのときは日本が2連勝をおさめました。しかし、FIBA公式戦では3勝6敗と大きく負け越しており、直近では2020年2月に行われたFIBAオリンピック世界最終予選で対戦。ラストは、林咲希選手(ENEOSサンフラワーズ)がディープスリーを狙いましたが逆転ならず、68-70の悔しい惜敗は記憶に新しいところです。

 カナダの印象について、「チームの規律がしっかりと取れている硬いチーム。重たい試合にならなことがひとつのポイントです」という恩塚ヘッドコーチ。東京2020オリンピックやアメリカ予選を見ても、二桁得点を挙げる選手が複数おり、的を絞るのが難しい印象を受けます。選手個々を見ても、世界最高峰のアメリカ女子プロリーグであるWNBAで活躍する選手が多くいます。その中において、オリンピックでも活躍した「#11 ナタリー・アコンワ選手はジャンプシュートが上手です。試合ではマッチアップする選手ですし、彼女も私のことは認知しているので負けられないです」と渡嘉敷選手は話し、FIBAオリンピック世界最終予選の借りを返す戦いからスタートします。

■ベラルーシ:2月12日(土) 18:00TIP-OFF
FIBAランキング:11位/ヨーロッパ予選:4位

 2戦目に対戦するベラルーシとはリオデジャネイロ2016オリンピックで対戦し、77-73で勝利しました。その前のヨーロッパ遠征で幾度も対戦してきたベラルーシですが、FIBA公式戦での対戦はオリンピックでの1度きり。2度目の真剣勝負を迎えます。

 「ベラルーシは帰化したポイントガードの#20 アレックス・ベントレー選手のピック&ロールが起点になります。そのプレーを発揮されたときに対応するためのチームとしての協力体制をいかに取っていくかがカギになります」と恩塚ヘッドコーチは警戒します。

 ベントレー選手はアメリカ出身であり、WNBAで活躍。オフェンスでもディフェンスでも、1on1が強い選手です。本橋菜子選手(東京羽田ヴィッキーズ)や宮崎早織選手(ENEOSサンフラワーズ)ら、日本も得点力あるポイントガードがおり、ベントレー選手とのマッチアップが楽しみです。

■ボスニア・ヘルツェゴビナ:2月13日(日) 18:00TIP-OFF
FIBAランキング:27位/ヨーロッパ予選:5位

 FIBAランキングでは日本よりも大きく下回り、男女合わせても初の世界大会への切符を手にしたボスニア・ヘルツェゴビナ。「スーパースターを擁するチーム」という恩塚ヘッドコーチの言葉どおり、昨シーズンのWNBAのコネティカット・サンズで平均19.4点/11.2リバウンドとダブルダブルの活躍を見せ、MVPを受賞した#35ジョンクェル・ジョーンズ選手を中心とした、全く侮れない相手です。28歳、男子日本代表の渡邊雄太選手と同い年であり、同じくジョージ・ワシントン大学出身。そのジョーンズ選手について、「バスケットが大好きなので、そのすごさを語りはじめたらすごく語ってしまいますが…」と対戦を待ち焦がれている渡嘉敷選手にお任せしましょう。

「一番の特徴は、あの身長(198cm)でオールラウンドなプレーができることが本当にすごいです。彼女は覚えていないと思いますが、WNBAでもマッチアップしたことがあり、私の中ではすごくインパクトがあった選手です。当時よりも、はるかに一つひとつの精度も上がっていると感じます。逆に、彼女はプレッシャーに弱いというか、あまり好まない選手という印象があります。オフェンスでは積極的にプレーしますが、その後のディフェンスの戻りが遅かったりするので、そういうところで粘り勝ちたいです。彼女よりも身長は低いのでフットワークを使って、チームディフェンスもそうですが、1on1でもプレッシャーをかけて守ること。相手がフラストレーションを溜めたときに、しっかりと走り勝てれば良いと思っています」

 詳細な解説とともに、頼もしいコメントをいただき、ますますマッチアップが楽しみになりました。強豪揃いのグループAを勝ち抜いた上位3チームが、今年9月にオーストラリアで開催されるFIBA女子バスケットボールワールドカップ2022への出場権を獲得します。