TO(テーブルオフィシャルズ)

公益財団法人日本バスケットボール協会(JBA)では、2021年4月より新たにTO委員会を設立し、TOの技術向上や育成に取り組んでいます。
TOは、審判とともに、ゲームの公正かつ円滑な管理を担う、重要な役割を果たしています。0.1秒単位の時間管理、数多くの得点機会、回数制限のない選手交代など、他の競技には見られないバスケットボールの特性を考えれば、TO の重要性は明らかです。また、近年、Bリーグ、Wリーグなどトップリーグのゲームでは、プレーのハイレベル化と、各種機材の進化により、今まで以上にTOの専門性が高まっています。
また、TOはとてもやりがいのある仕事でもあります。ミスやトラブルが発生したときには非難されることがある一方、無事にゲームを終えた後に、対戦チームや観衆から称賛されることはめったにないかも知れません。しかし、両チームのコーチやプレーヤーが、TO の存在など忘れてしまったかのように、ゲームに集中して最高のパフォーマンスを発揮してくれたとしたら、それこそが、TOに対する最高の評価であると言えます。このとき、TOクルーは、互いの健闘をたたえ、大きな達成感を味わうことができるはずです。
TOは、抜群の身体能力も運動神経も必要としません。プレーの経験がなくても問題ありません。必要なものは、「正しい知識」「責任感」「豊かな経験」、そしてそれらを得ようとする意欲です。
この度、JBAでは、「テーブルオフィシャルズマニュアル」および「テーブルオフィシャルズマニュアル簡易版」を作成いたしました。このマニュアルが、TO の「正しい知識」を得るとともに、TO への「責任感」を醸成することに資すると信じています。その上で、ミスやトラブルが発生したときは、その事実を受け止めたうえで次なる成長につなげていただきたいと考えております。
■TOの役割
TOは、審判と協力してゲームを円滑に運営するために重要な役割を果たしています。TOには、次の4つの役割があります。
・スコアラー:主に得点やファウルの数、タイムアウトの数などを管理しています。
・アシスタントスコアラー:スコアボードを操作し、チームやプレーヤーに得点やファウルの回数、タイムアウトの回数などを知らせます。
・タイマー:ゲームタイマーをルールに沿って操作し、ゲームの時間を計測します。
・ショットクロックオペレーター:ショットクロックをルールに沿って操作し、ボールをコントロールしてからシュートまでの時間を計測します。
■TO委員会設立の目的
① 全国の組織化を図り、情報共有システム等を確立
② 全国統一のTOマニュアルを作成し、全国およびU12からトップリーグまでの一貫した普及育成・強化システムの構築
③ 将来のライセンス制度確立を見据え、まずはトップリーグ担当者の登録制度を実施
④ 各種国際大会時のTO担当者として、FIBAライセンス保有者の育成・指導体制の充実