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女子ユニバ日本代表:第1次強化合宿レポート「ボールは絶対に渡さないという気持ち同士のWリーグ ファイナルに感動」三浦舞華選手

2023年4月24日

2つ先を考えながらプレーメイクする三浦舞華選手

次々と3ポイントシュートを決めてアピールする林真帆選手

 7月28日より中国・成都で開幕する「FISUワールドユニバーシティーゲームズ」へ向け、4月20日(木)〜23日(日)の期間、味の素ナショナルスポーツセンターにて2023年度女子ユニバ日本代表は第1次強化合宿を実施。柏倉秀徳ヘッドコーチは「エネルギー」「パッション」「トーク」といったキーワードを挙げ、明るく元気なチーム作りを行っています。

 柏倉ヘッドコーチは、今シーズンのWリーグを制したENEOSサンフラワーズのアソシエイトヘッドコーチでもあります。第3戦までもつれたトヨタ自動車アンテロープスとのファイナルは、今回招集された候補選手すべてが様々な形で見ていました。特別エキシビジョンイベントとして同じコートに立った三浦舞華選手(白鷗大学4年)は、「お互いに勝ちたいという意思や最後まで走りきる、ボールは絶対に渡さないという気持ち同士の対決がものすごく感動しました」と目の前で見た興奮冷めやらぬ状態です。同じく現地で見た林真帆選手(東京医療保健大学4年)も、「最後に林(咲希)さん(ENEOS)のスリーポイントが決まったのを見て、同じシューターとしてとても刺激的になりました。私もあのような場面で決めれる選手になりたいとすごい思いました」と言い、同じ舞台に立てる日を心待ちにしています。

 予選ラウンドはハンガリーとアルゼンチンと同組になりました。情報収集している最中ですが、「身長の高さをイメージさせるために、4〜5番は渡嘉敷(来夢)選手(ENEOS)であり、3〜4番は林(五十美)コーチや玉城(耕二)コーチと同じ180cmオーバーのサイズ感。ポイントガードは175cmの私ぐらいと、まず視覚でイメージさせています」と柏倉ヘッドコーチは工夫しながら、国際大会へ向けた準備を行っています。

 高さやフィジカルの差を埋めるためには、「まずコンタクトを嫌がらず、身体をぶつけながらもシュートを決め切ること。そのためにも自分からぶつかってプレーする必要があります」と柏倉ヘッドコーチは細かく練習に落とし込みます。「個々のディフェンスでのプレッシャーや1on1の強さは、このチームでも徹底していきたいです」と、気持ちのこもったWリーグ ファイナルのプレーシーンをお手本とします。一番の課題はリバウンドであり、「相手にディフェンスリバウンドを取られないようにするためにも、シュートを決め切ることが大事です」とその精度を高めることにも注力しています。

 「積極的にドライブを仕掛け、ディフェンスでは相手のキープレーヤーを止めること」が三浦選手の役割です。2017年FIBA U17女子ワールドカップを経験し、「脚力では上回ることができていたので、ディフェンスからトランジションで攻めることは通用すると感じました」と振り返ります。しかし、169cmの三浦選手にとっては、「ノーマークだと思っていても長い手でブロックやスティールされ、身長の部分の差をものすごく感じました」。それを克服するためにも、「普段の工夫に加えて、もうひと工夫しないと打開できません。2つ先のことを考えてプレーしなければいけないです」と話し、連携を深めるためにも「トーク」が大事になります。

 2021年FIBA U19ワールドカップに出場した林選手は、「それぞれが個人プレーになりすぎて、うまくいかなかったことが多かったです」と反省点を挙げます。「自分たちよりも高い選手を相手に、チームとしてどう戦っていくかをみんなで話し合いながらプレーが確立できれば絶対勝てると思います」とやるべきことは明確になっています。林選手をはじめ、3ポイントシュートを武器とする選手を多く選出した柏倉ヘッドコーチは、「シュート力はもちろんですが、レンジの広さや決定力も考慮したので楽しみです」と期待を寄せます。シュートタッチが良いと話す林選手は、この合宿中も次々と沈めて好調さをアピールしていました。

 女子ユニバ日本代表の合宿は終えたその日から、林選手と岡本美優選手(東京医療保健大学4年)、朝比奈あずさ選手(筑波大学2年)は女子日本代表チームのディベロップメントキャンプにも招集され、さらにレベルの高い強化を続けています。