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女子U16日本代表:第2次強化合宿レポート「1番年下でもしっかり指示を出してチームの雰囲気も形も作れるようにしたい」安井穂香選手

2025年5月15日

チームをコントロールする最年少の安井穂香選手

小田陽夏子選手は世界の高さを意識

 女子U16日本代表は5月12日〜14日の期間、「FIBA U16 女子アジアカップ2025」(9月/マレーシア・クアラルンプール)へ向けた第2次強化合宿を実施。大学生に胸を借りて練習試合を行い、現時点でのチーム状況を知ることができました。鈴木良和ヘッドコーチは「短期間で準備し、大会に臨まなければならないチームであり、はじめての日本代表となる世代なので、できないことの方が多いのは当たり前です。その中で選手たちが今持ってる武器や強みを発揮し、どれだけ大学生を相手に嫌がらせることができるかがテーマでした。もちろん課題はありましたが、収穫も多かったです」と評価します。

 はじめてこのチームの指揮を執った鈴木ヘッドコーチも、「良いマインドでコートに立ち、ベンチにいる選手たちも仲間に向かって声がけする姿が素晴らしかったです。また、よく考えてプレーしてくれました。女子U16日本代表は全体の力をどれだけ引き出せるか、今は探っている状況です。いくつか強みになる武器が見えてきました」と実戦を通して多くのことを発見します。

 フォワードの小田陽夏子選手(桜花学園高校1年)は、「やっぱり当たりの強さが違いました」と最大6歳差ある大学生との差を痛感します。「ボックスアウトをしても押し出して来るので、これから世界と戦う上でも当たり負けしない身体の強さが必要だと思いました。フィジカルや手の長さが違うために、いつもは決められるシュートが決められなかったので、もっと努力していきたいです」とこれまで以上に意識を変えて練習に励んでいます。

 最年少の安井穂香選手(四日市メリノール学院中学校3年)は「楽しかったですが、うまくいかないことの方が多かったです。でも、練習してきたことがしっかり出せて良かったです」と通用したプレーもありました。ポイントガードとして、「もっとリーダーシップを執ってガードとして指示していかなければいけないです。まだうまく指示が出せず、雰囲気を作れていません。1番年下でもしっかり指示を出してチームの雰囲気も形も作れるようにしたいです」と積極的に声を出して、チームを引っ張って行くことを心がけます。

 コーリー・ゲインズヘッドコーチ率いる女子日本代表のセレクションキャンプが同時期に行われ、目の前で練習を見学した選手たち。安井選手は「一つひとつ動きのキレも速さも違いました。年齢に関係なくしっかりコミュニケーションを取って話していることがすごいと思いました」と刺激を受けます。小田選手は「英語で指導を受ける環境ではないので、通訳を通した練習がとても印象的でした。選手たちも指導の仕方も、すべてのレベルが高いと思いました」と感想を述べ、様々な目線で多くのことを吸収していました。

 一気通貫の強化を図る日本代表であり、プレースタイルやフォーメーションだけではなく、「日の丸を背負うことに対する責任やプライドについても伝えています」と鈴木ヘッドコーチはアンダーカテゴリーに浸透させます。見学してから練習試合へ向かったことで、「大学生を相手に何もできない可能性もありましたが、毎ポゼッションでファイトして40分間戦いきってくれました。見学してから試合に臨んだことで、日本代表のプライドも深まったように感じました」とここからはじまる日本代表のレールをしっかりと歩みはじめています。

 「中国やオーストラリアの大きなチームに対して、ポストの守り方や強度の高いトランジションディフェンスをテーマに強化しています。ローテーションなどチームディフェンスは難しく、もう少し時間がかかるかと思いましたが、練習試合ではみんなが判断良く、嗅覚良く守れていました。その良かった部分は今後も継続できるように意識して欲しいです」と鈴木ヘッドコーチは宿題を与え、今合宿は無事終了しました。