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“女子日本代表戦から学ぶ” リフレッシュ研修 (2022年6月18日・19日開催) 開催報告

2022年7月20日

試合観戦の様子 (試合内容のみでなく、幅広い観点からメモをとる参加者)

グループディスカッションの様子 (3人一組でディスカッションを繰り返し、全体発表を行いました)

 当協会 (JBA) では、去る2022年 6 月18日 (土)、19日 (日) に『三井不動産カップ2022 (千葉大会) 女子日本代表国際強化試合』のタイアップ企画として、JBA 初の試みとなる「“ 女子日本代表戦から学ぶ ” リフレッシュ研修」を開催しました。
 このリフレッシュ研修は、日本国内で開催される国際試合を通して指導者の皆さまが新たな情報を得る機会を設けるとともに、試合後のグループディスカッションにおいて指導者同士で意見交換・ディスカッションをすることで、さらに新しい考え方に触れ、考えを深めることを目的とし、この機会を通じて日常のコーチングに生かしていただくこと、またコーチ同士のコミュニティを広げていただくことにつなげていただければと期待しています。
 前半は試合会場での試合観戦、後半はファシリテーターに東頭俊典氏 (JBA 指導者養成委員会) を迎え、『明日からの練習に活かす方法を考える』のテーマでグループディスカッションを行いました。

 
<試合観戦>
 女子日本代表 vs.トルコ代表戦を観戦後に『明日からの練習に活かす方法を考える』をテーマとするグループディスカッションを行うための事前準備として、試合観戦をしながら各自で事前資料にメモを取っていただきました。メモのポイントとして、「試合前後や試合中に “ 自分が指導しているチームに取り入れたい ” と感じたこと」という設定を行ったため、参加者の皆さまはただ試合観戦をするのとは違った視点で、たくさんの気づきがあったようです。ウォームアップ中やコート外の選手の様子までも細かく観察され、多くの方の事前資料がメモの文字で埋め尽くされていました。

<グループディスカッション>
 試合終了後、別会場に移動しグループディスカッションを行いました。東頭俊典氏をファシリテーターとし、1 時間という短い時間の中で学びを深めていただくため、冒頭で目的を明確にするところからスタートしました。目的は 2 つ、① 試合観戦をした後、良いと思った行動・スキル・戦術を自チームに落とし込むための具体的な方法の引き出しを増やすこと ② 短い時間で相手に伝えることの難しさを体感すること、の 2 点です。講師が正解を導き出すのではなく、本研修に参加された方同士でアイデアの共有を活発に行い引き出しを増やしていただくこと、また普段の指導の中ではなかなか難しいかもしれないものの、短い時間で要点をまとめて伝えることにチャレンジしてほしいというメッセージのもと、個人ワーク・グループワークが展開されました。
 ワークを繰り返すたび、「2 分って短い!」「伝え方の具体的な方法を突き詰めるのが難しい!」との感想が多く聞こえましたが、1 回目より 2 回目は良くできるようにしよう、他の方の上手なやり方を真似てみよう、という意欲的な姿勢が随所に見られ、この研修で何かをしっかりと持ち帰ろうという参加者の強い意志が感じられる時間でした。
 年代も活動地域も様々な参加者同士の活発なコミュニケーションが続き、あっという間の 1 時間でした。

<参加者の声>
・コロナ禍で思うように練習も観戦もできない期間が長かったので、代表戦を観戦しての講習は非常に魅力的でした。
・代表戦を見ること自体なかなかない機会なので、バスケットボールに携わる者として、非常に良い経験になりました。また、ただ観戦するのではなく、指導者という立場で見たことで分かったことや気づけたプレーもあり、勉強になりました。
・ほとんどの人が、会場にいたからこそ分かる話をしていました。指導カテゴリーごとにいろいろな視点があることも、勉強になりました。これからもこのような研修会に参加してみたいと思います。
・自身のコーチングを見つめ直すきっかけになりました。何を教えるかに力を注いでいましたが、誰にどのように伝えるか? という視点は、その通りだと納得しました。

○ 研修後の実践を踏まえた具体例のご紹介
チーム名:High Performance Basketball Academy 指導者名:橋本開さん

◇実践した内容(スキルの伝え方の工夫)
女子代表選手のゴール下でのフィニッシュスキルを U12・U15 世代の選手に伝えようと考える中で、下記のような順番で導入
① 自チームの映像と代表チームの映像を用意
② 選手が両者を比較しながら、気づいたことを紙に書き出す

◇実践後の感想
元々、自分が学んだことをトップダウンで映像を見せるだけで伝える傾向もあり、選手も面白そうではありませんでした。自分としては、正しい、有効とされているスキルを学び選手に伝達をしているつもりだったため、歯がゆさも感じていました。
今回のリフレッシュ研修を通じ、伝え方、選手目線に立つこと、体験の創出等に目を向けることを学び、上記のような導入アプローチをしてみました。もし、研修に参加していなければ、代表選手のプレーを見て、機械的に何かしらのスキル、例えばワンステップのステップスルー等を教えていた可能性が高いと思います。選手の目もイキイキとしていて、今後が非常に楽しみです。研修会の機会に感謝しています!

<総評>
研修を実施した 2 日間で、北海道から沖縄までの全国から、また年代も様々な約100名の方にご参加をいただきました。ご好評をいただきました今回のリフレッシュ研修でしたが、日本代表戦というきっかけから指導者同士のコミュニケーションの場を創出できるこのような機会をこれからも創出できるよう努めます。
参加者の方々の各指導現場でのますますのご活躍を期待しています。