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【北海道インターハイ/現地レポート①】いよいよ明日開幕。夏の覇者は果たしてどのチームに?

2023年7月24日

7月25日から30日まで、北海道・札幌市の「北海きたえーる(北海道立総合体育センター)」をメイン会場に、「令和5年度全国高等学校総合体育大会 バスケットボール競技大会(以下、インターハイ)」がおこなわれます。各都道府県の予選を勝ち上がってきた男子53校、女子51校が夏の頂点に向けて、しのぎを削り合っていきます。

男子の注目は、今年度に入ってからもさまざまな大会で勝利を収めていて、今大会の第1シードに位置する開志国際(新潟)が挙げられます。キャプテンの澤田竜馬選手(3年)を中心に、平良宗龍選手(2年)ら強力なバックコート陣と、ネブフィ ケルビン シェミリー選手(2年)らフロントコート陣が、攻守のバランスよくゲームを展開させていきます。昨年度からゲームに出ている選手も多いため、チームディフェンスの安定感が強さにもつながっているようです。

対抗はまず第2シードの福岡第一(福岡)と第3シードの藤枝明誠(静岡)が挙げられます。福岡第一は昨年度のインターハイ優勝、U18日清食品トップリーグ2022でも優勝し高校2冠を達成。当時も主力として活躍した崎濱秀斗選手(3年)を中心に、こちらもバックコートが強力です。堅守速攻をモットーとし、ハードなディフェンスからのファストブレイクは、勢いに乗ると相手チームも手がつけられなくなるでしょう。藤枝明誠は大会トップクラスのスコアラーである赤間賢人選手(3年)と、208センチとボヌ ロードプリンス チノンソ選手(2年)を軸に、2013年の北部九州(大分)総体以来、10年ぶりの決勝戦進出と、そこでの勝利を目指します。

第4シードの福島東稜(福島)は仙台大学附属明成(宮城)や能代科学技術(秋田)といった強豪ひしめく東北ブロック大会を制しています。センターにアデバヨ オニロルワ ジョセフ選手(2年)を置き、機動力のあるアウトサイド陣がコートを駆け巡ります。しかし同じブロックには、東海ブロック大会準優勝の美濃加茂(岐阜)もいます。203センチのエブナ フェイバー選手(2年)を擁し、またいずれも190センチを超す北條彪之介選手(3年)、遠藤広貴選手(3年)という強力なフロントコート陣をどう攻略するかが鍵となりそうです。

その美濃加茂の初戦がチームディフェンスに重きを置く北陸学院(石川)というのも、興味深いカードです。1回戦の好カードという点では、土浦日本大学(茨城)と仙台大学附属明成も注目です。

その他にも超攻撃的な布陣の東山(京都)や、U18日清食品トップリーグ2023への参戦が決まっている中部大学第一(愛知)、新体制となった東海大学付属諏訪(長野)などがどのように絡んでくるか、注目したいところです。

女子は近畿ブロック大会を制した大阪薫英女学院が第一シードを獲得しました。1年次からメンバー入りをしているフォワードの島袋椛選手(3年)や、双子で勝負強さのある木本桜子選手、桃子選手(いずれも3年)ら、総合力で昨年度のインターハイ準優勝を越える成績に挑みます。

同じブロックには、新体制となった明星学園(東京)や、女子U16日本代表の阿部友愛選手(2年)を擁し、東北ブロック大会を制した聖和学園(宮城)などもいて、一筋縄では勝ち上がれそうにありません。

第2シードは札幌山の手(北海道)は、攻守においてオールラウンドにプレーできる大山瑚南菜選手(3年)や、昨年度のSoftBank ウインターカップ2022決勝戦で21得点をあげた谷口憂花選手(3年)らが中心です。地元の声援に後押しされ、どのようなチームバスケットを見せてくれるか、注目したいところです。

第3シードに位置するのは3大会ぶりのインターハイ出場となる精華女子(福岡)です。米森奈々心選手(2年)や下川蒼乃選手(2年)ら、下級生を中心としたチームですが、激戦区・福岡県を勝ち上がり、九州ブロック大会も制しています。精華女子としては初となるナイジェリアからの留学生、アキンデーレ タイウォ イダヤット選手(1年)の高さも加わり、目標として掲げるベスト4を目指します。

しかし、同じブロックには昨年度のインターハイおよびSoftBank ウインターカップ2022で優勝し、U18日清食品トップリーグ2022準優勝と高校3冠に肉薄した、堀内桜花選手と八木悠香選手(いずれも3年)を擁する京都精華学園(京都)や、昨年度の下級生チームが持ち上がった岐阜女子(岐阜)もいます。また女子U16日本代表に名を連ねた後藤音羽選手(2年)を擁する浜松開誠館(静岡)などもいて、このブロックを勝ち抜くのは簡単でなさそうです。

第4シードはU18日清食品トップリーグ2022優勝チームの桜花学園(愛知)です。昨年度はインターハイとSoftBank ウインターカップ2022ではともに3回戦で敗れましたが、田中こころ選手と黒川心音選手(いずれも3年)を中心に、チームを立て直しています。彼女たち以外にも192センチの福王伶奈選手(3年)を筆頭に、「FIBA U16女子アジア選手権大会2023」で準優勝を果たした女子U16日本代表にも最多5人の選手を送り出すなど、タレントは今年もそろっています。

 

リーグ戦文化を導入し、公式戦の試合数を確保された環境下で競技に取り組むことにより、競技力のさらなる向上を目指して設立した競技大会である、U18日清食品リーグ。全国のトップチームが参加するU18日清食品トップリーグ2023はすでに男女各5チームの参加が決まっています。残りの各3チームは今大会の結果や、各ブロック大会の結果、代表選手選出やチーム強化など総合的な観点から審査され、決定します。

その先にある夢や目標に向かって、インターハイの一戦一戦を大切に戦い、さらにより高みを目指そうとする高校生たちの熱い夏を、ぜひご注目ください。