ニュース

【北海道インターハイ/現地レポート⑥】インターハイのファイナリストが決定。あと一歩届かなかったチームの思い

2023年7月29日

北海道・札幌市でおこなわれている「令和5年度全国高等学校総合体育大会 バスケットボール競技大会(以下、インターハイ」は大会5日目。男女の準決勝がおこなわれ、インターハイのファイナリストが以下に決まりました。

【男子】
日本航空(山梨)
東山(京都)

【女子】
桜花学園(愛知)
京都精華学園(京都)

女子の札幌山の手(北海道)は、昨年度のウインターカップの決勝戦と同じ、京都精華学園と対戦しましたが、88-107で敗れ、地元インターハイでの決勝戦進出はなりませんでした。
「とにかくリバウンドとディフェンスですよね。これを課題にしてもう一度、冬までに頑張ります」
札幌山の手の上島正光コーチは敗因をそのように語ります。

107点を取られてしまったディフェンスと、リバウンドも札幌山の手の32本に対して、京都精華学園は53本。もちろん京都精華学園には高さのあるディマロ ジェシカ選手(188センチ)とユサフ ボランレ選手(191センチ)がいるとはいえ、チーム作りの根幹を「ニュートラルボール」、つまり、どちらのチームが保持しているものでないボールをいかに自分たちが支配するかに定めている札幌山の手としては、この差は大きいと言えるでしょう。

「今年のチームは身長が小さいから走るバスケットをやらなければいけません。ですが、ディフェンスとリバウンドを徹底できないため、走るバスケットができていないんです。今日もファストブレイクでの得点はゼロだと思います。これからの一番大きな課題だと思います。じっくり守られると3ポイントシュートを打つことも厳しくなるから、速く攻めて、ディフェンスが崩れている状態からの3ポイントシュートを素早く狙えるようなチーム作りをしていかなきゃいけない。それは今大会で特に感じたところです」
課題を得た一方で、収穫もなかったわけではありません。この日21本沈めた3ポイントシュートは収穫だったと上島コーチも認めます。そのうちキャプテンの巻朋花選手が9本を沈めています。39%の成功率には本人も「めっちゃいいほうです」と笑顔を見せるほどです。

「北海道大会では15本以上決めた試合はありますが、これまで全国大会で10点くらいしか取れなかった私が、しかも昨年度はほとんど試合に出ていないにも関わらず、インターハイの準決勝でこんなに入るとは思ってもいなくて、自分でもびっくりしています」
自らの武器だと信じているスキルが、インターハイの準決勝という大舞台で日の目を見たことは、結果的に敗れはしたものの、今後の自信につながるでしょう。

この試合は、地元の札幌山の手が登場するとあって、会場である北海きたえーるに駆けつけた観客からも「(札幌)山の手コール」が、試合中に何度も響いていました。大差をつけられながらも、最後までみんなが笑顔でプレーし続けた理由のひとつに、そうした応援があったと巻選手は言います。
「応援がすごくて、みんなで興奮しながらやっていました。「山の手コール」もすごくしてくださっていたし、本当に自分たちの「ホーム・北海道」という、地元の力をすごく感じて、本当にありがたかったです」
1987年以来36年ぶりとなる北海道でのインターハイ。ホームの声援を背にメインコートで戦ったことは、巻選手をはじめとする札幌山の手の選手たちにとっては、結果以上に大きな財産になることでしょう。

男子は上記の2校が勝ったことで、すなわち開志国際(新潟)と福岡第一(福岡)という、昨年度のインターハイおよびウインターカップのファイナリストがそろって敗れる結果になりました。
日本航空に76-88で敗れた開志国際の富樫英樹コーチは、日本航空の1-3-1ゾーンを崩せなかったことと、日本航空のオルワペルミ ジェラマイア選手のアシストに驚かされたと認めます。オルワペルミ選手はこの試合で21得点・29リバウンド・12アシストの「トリプルダブル」を達成しています。
「一言で言えば、私たちの研究不足です。彼があれほどのパスを出せるとは……。もう一度、やり直しです」
2年生エースの平良宗龍選手も反省しきりでした。

「終盤の追い上げのときに、自分でシュートまで行ききることができなかったところに差が出ました……エース失格だなって思います。昨年は(介川)アンソニー(翔)さん(現・専修大学1年)というエースに頼りすぎているところがあったので、これからはやはり自分がやってやるというメンタルと持たなければいけないと思っています」
敗れて気づき、それを成長の糧にできれば、この負けはけっして無駄にはなりません。

一方の福岡第一は東山に75-93の完敗でした。福岡第一の井手口孝コーチは「予感が……しかも悪いほうの予感が当たってしまいました」と力なく試合を振り返ります。
「言い訳にしたくはありませんが、日頃の練習が常に怪我の連続で、全員が揃っていることがあまりなかったんです。そういう状態だったから、チームとして鍛えきれませんでした。それでも、我々のいい面が出れば昨日のような(仙台大学附属明成(宮城)戦)、終盤に突き放すゲームもできるんですけど、今日は修正力の無さを露呈してしまいました。修正ができるような練習や練習試合をやり込めてないから、運が良ければ勝つけど、うまくはまらなければボロボロに負けるという、課題が浮き彫りになりました」
他のチームを圧倒してきた福岡第一の「堅守速攻」が完全に鳴りを潜め、攻撃的な東山の良さだけが際立つゲームになってしまいました。

「この負けを、当然生かさないといけないんですけど、あとは、選手たち本人がこの負けを……この負け方をどう捉えて、これからの練習をどう取り組んでくれるかです。チームとしてやることは、基本的に毎年変わらないわけです。これから特別なことはしないので、同じ練習をやることにしても、精一杯やるのか、何となくやるのか。そこがウインターカップに向けた大きな課題だと思っています」

桜花学園(愛知)に敗れた大阪薫英女学院(大阪)を含めて、あと一歩でファイナル進出を逃した4校が、その悔しさをどのように受け止めて、どのように次のステップにつなげるのか。ファイナル進出を目の前で逃したチームにしかわからない思いをどのように昇華させるのかにも今後、注目したいところです。

しかし、まず注目すべきは明日の男女決勝戦です。高校生たちの熱い夏をぜひご覧ください。