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平成27年度女子U-18日本代表チーム 第2次強化合宿開催報告

2015年10月8日

FIBA ASIA U-16女子選手権を経験し、さらなる国際大会出場を目指す阿部 泉美選手

栗林 未和選手は積極的にインサイドを攻めてアピール

 平成27年度バスケットボール女子U-18日本代表チームは、来年開催される「第23回FIBA ASIA U-18女子バスケットボール選手権大会」へ向け、10月5日(月)~7日(水)の期間、味の素ナショナルトレーニングセンターにて第2次強化合宿を実施。早生まれの高校3年生7名を含めた21名を招集し、強化を図るとともに選考を行いました。

 合宿期間中、初日はドリブルやボディコンタクト、シュートドリルなど基礎的な練習を身につけ、2日目以降はゲーム中心となり、選手たち個々の能力をコーチ陣は見極めていきます。日本がアジアを勝ち抜くためにも、「プレッシャーディフェンス」「全員リバウンド」「シュート精度の高さ」の3つを重点的に強化を進めています。今合宿でメインコーチを務めた高橋 仁コーチ(山形市立商業高校)は、「シュートの精度がまだ低いです。練習中から確率よく決めていかなければ、その精度は上がってきません」と課題点を挙げました。

 過去2大会、アシスタントコーチとしてFIBA ASIA U-18女子選手権を経験した高橋コーチは、「オールコートでプレッシャーをかけ続けることが、中国に対して非常に効果的でした。特に1~3番(ガードとフォワード)は、簡単にボールを自陣に運ばせない強いディフェンスをすることが大切です。またリバウンドは、センター陣だけに任せていては負けてしまいます。センターが相手に取らせないように体を張って、そのこぼれたボールをガードや外回りの選手たちが飛び込んで取りにいく意識を持たなければ中国には勝てません」と常に中国戦を意識させていました。2008年、間宮 佑圭選手や渡嘉敷 来夢選手(ともにJX-ENEOSサンフラワーズ)らが出場した2008年大会以降、決勝で中国に敗れ続けており、2位から脱却するためにも日本の武器を徹底して磨いています。

 186cmと長身の栗林 未和選手(札幌山の手高校 2年)は今年8月に行われた「第23回日・韓・中ジュニア交流競技会」を経験し、積極的にインサイドを攻めてアピールしていました。昨年、「第3回FIBA U-17女子バスケットボール世界選手権大会」に出場し、すでに日本代表として実績ある梅沢 カディシャ樹奈選手(桜花学園高校 2年/186cm)とのマッチアップでも、攻守に渡って良いプレイを見せます。「ゴール下でシュートに絡む機会が以前よりも多くできました。所属チームでは、自分が得点を取らなければならない立場になり、コーチからも積極的にシュートに行くように言われたことで、今回は良くなったのだと思います。また、攻める意識が出たことで、リバウンドも自然に取りにいけるようになりました」と自信を持ってプレイしていました。これまでは「特別な感情を持つことはなかった」と言う日本代表への意識も、「オリンピックを決めた先輩たちの活躍を見て、自分も頑張って日本代表に残りたいと思うようになりました」と心境の変化があり、モチベーション高く取り組んだことがプレイにも現れていました。

 8月に「第4回FIBA ASIA U-16女子バスケットボール選手権大会」へ出場し、初めて国際大会の経験を積んだ女子U-16日本代表選手からは、4選手が今合宿に招集されています。来年開催されるFIBA U-17女子世界選手権への切符を勝ち獲りましたが、女子U-16日本代表も中国に敗れ、2位に甘んじています。「オフェンスは互角にできていましたが、ディフェンスの部分で差を感じました。ドライブを一本守ることや、大事な場面でのディフェンスは中国の方が上回っていました」と阿部 泉美選手(聖和学園高校 2年)は決勝で敗れた中国戦を振り返ってくれました。しかし日本を上回るディフェンスをしていた中国に対し、決勝戦では31得点を挙げた阿部選手。「あの時はすごく勝ちたいという気持ちが強かったです。いつもはあまり3Pシュートを打たないですが、中国は高さがあったのでインサイドに行ってもつぶされてしまいます。そこで短期間で3Pシュートを練習して、気持ちで決めていきました」。来年はFIBA U-17女子世界選手権とFIBA ASIA U-18女子選手権の2つの国際大会があり、スケジュールさえ重ならなければ、どちらも出場資格を持つ早生まれの2年生。活躍もできた初めての国際大会は楽しかったようであり、「今まで経験したことがない海外のいろんなプレイスタイルや、今までやったことない選手たちと対戦できたことは良い勉強になりました。自分がどこまで通用するかを試すことができたのが、すごく良かったです。来年できるならば両方に出たいです」と阿部選手はとても意欲的でした。

 次回は来年3月に海外遠征が予定されています。これから年末恒例の高校No.1を決める「第46回全国高等学校バスケットボール選抜優勝大会(ウインターカップ)」があり、そこへ向けて選手たちは切磋琢磨し、成長していきます。所属チームでの活躍が、今後の日本代表合宿への招集や日本代表選考につながります。新しい戦力が出てくることを期待しています。