ニュース

バスケットボール女子日本代表国際強化試合2016 三井不動産 BE THE CHANGE CUP 東京大会・第3戦結果 -女子日本代表は3連敗。最終戦は世界2位のオーストラリアを苦しめて手応えを掴み、第2次強化合宿終了-

2016年5月11日

22得点を挙げた#8髙田 真希選手は連日二桁得点の活躍

日本の斬り込み隊長#14本川 紗奈生選手が復活し、勢いづける

 「バスケットボール女子日本代表国際強化試合2016 三井不動産 BE THE CHANGE CUP」は国立代々木競技場第2体育館にて最終日を迎え、「アカツキファイブ」女子日本代表チームはオーストラリア代表に一時リードを奪い、最後まで接戦を繰り広げるも73-84で敗れて3連敗。一方、女子U-23日本代表チームは80-63で勝利し、KDB生命ウィナーズに3連勝を飾り、閉幕しました。
 長岡大会から始まった「三井不動産 BE THE CHANGE CUP」は、連日多くの方にご来場していただきました。「アカツキファイブ」へご声援いただきまして、ありがとうございました。

 39点差(● 41-80)、26点差(● 55-81)とこれまで2戦は、オーストラリア代表に大差をつけられ連敗中の女子日本代表。その中で、第1戦は第3ピリオド(17-19)のみ、第2戦は後半(39-39)で対等に戦える時間帯が増えていました。
 第2戦終了後、#8髙田 真希選手は「後半の最初にシュートが入り、その後も積極的に打っていったことでリズムに乗ることができました。リバウンドでも後半から相手に体を当てていったことで、大きい相手にもリバウンドが取れることが分かりました。でも、そこは前半からやらなければいけませんでした」と反省。最終戦へ向けた試合前、内海 知秀ヘッドコーチは、「今日はゲームの入り出しを良くしていこう」と指示を出します。

 最終戦の立ち上がり、184cmの#6間宮 佑圭選手と205cmの#14キャンベージ・エリザベス選手のジャンプボールは身長差があるため、最初にボールを保持するのはオーストラリア代表であり、この日も先制されました。しかしすぐさま#14本川 紗奈生選手が3Pシュートを決め、ともに1回の攻撃を終えたばかりですが、今大会初めて女子日本代表がリードします。
 「なかなか自分のプレイができていなかったので、今日は絶対にやってやる」と気持ちを強く持って試合に臨んだ#14本川選手が、ドライブからファウルをもらいながら3連続得点を挙げます。昨年のアジア予選同様、日本の斬り込み隊長が復活したことで、ようやく序盤から競った試合ができ、会場を盛り上げます。

 これまで10点以下が続いた第1ピリオドでしたが、早くも23得点を挙げた女子日本代表。それに対し、78.6%(11/14本)と高確率で、シュートをほとんど落とさなかったオーストラリア代表に32点を奪われ、9点を追いかけ第2ピリオドへ。

 これまでの2試合の反省点を生かし、#8髙田選手は前半から次々と得点を決め、追い上げます。前半残り4分、オフェンスリバウンドで粘った#15王 新朝喜選手が#12吉田 亜沙美選手につなぎ、そこから素早いパスを受けた#14本川選手が2本目の3Pシュートを決め、35-40。代わって入った#9山本 千夏選手がドライブを仕掛け、ヘルプにきたディフェンスの裏パス。ノーマークでもらった#8髙田選手がシュートを決め、41-40と逆転に成功。その1点を凌いだ日本が43-42とリードしたまま後半へ向かいます。

 後半、日本選手たちの頭上をパスが飛び、#14キャンベージ選手の高さに合わされ、失点が続きます。しかし女子日本代表は、#7栗原 三佳選手が2連続3Pシュートを決めると、#8髙田選手が果敢に攻め込み、一歩も引きません。アグレッシブに相手のボールを奪いにいく激しいディフェンスでミスを誘い流れを作り、女子日本代表が5点差までリードを広げます。ですが終了間際に連続失点され、58-61とオーストラリア代表にリードが移り、3点を追いかけ最終ピリオドへ。

 すると、焦る女子日本代表はミスが目立ち始め、開始3分には63-73と10点差に。しかし#7栗原選手、#14本川選手の連続3Pシュートで息を吹き返し、反撃に転じます。残り4分49秒、スティールした#6間宮 佑圭選手がファウルを受け、フリースローを決めて71-73。2点差まで迫った日本でしたが、最後までオーストラリア代表の高さを止められず。最終的に73-84で敗れ、一矢報いることはできませんでした。

 3連敗で終わった今大会ですが、最終戦でFIBAランキング2位のオーストラリア代表を最後まで苦しめられたことに自信をのぞかせています。
 「攻めるプレイを忘れなければ、こうして世界の強豪にも戦えたことは自信となりました」と#14本川選手。キャプテンの#12吉田選手も、「もちろん手応えはあります。これから続く海外遠征でも、世界の高さやコンタクトに慣れていきながら、日本の武器である外角シュートを決めきれれば、オリンピックでメダルを狙えるチームになれると思います。課題を一つひとつ克服しながら、完璧なチームを作っていきたいです」と前向きに捉えていました。

 「三井不動産 BE THE CHANGE CUP」の閉幕とともに、17日間に及んだ第2次強化合宿が終了。束の間のオフでリフレッシュし、再び5月16日(月)から第3次強化合宿が始まります。
 国内で調整した後、ヨーロッパ遠征(フランス~ベラルーシ)へ渡り、世界の強豪との腕試しをしながら、12名への選考が行われます。リオデジャネイロオリンピックで“メダルへの挑戦”を目標に掲げる「アカツキファイブ」女子日本代表チームへ、引き続きご声援をよろしくお願いいたします。

 2020年東京オリンピックを見据えた女子U-23日本代表チームは、韓国女子リーグ(WKBL)のKDB生命ウィナーズを相手に、中と外をバランス良く攻められたことで得点が伸び、第3戦も80-63で勝利を挙げ、3連勝を飾りました。
 5本の3Pシュートを決めた#6池谷 悠希選手は、「今回はシューターとして、シュートを決めることを目標としていました。今後はアウトサイドだけではなく、ドライブやインサイドでプレイするなど、いろんな工夫をしながらまだまだ改善しなければなりません」と話しており、新たな課題が見つかったようです。

 一方、#10中村 優花選手は、積極的なドライブでチームハイとなる17点を挙げました。
 「スペースを見てどういうプレイをすれば良いか瞬時に判断し、行けるところはシュートまで行き、ダメであればパスをすることを意識してプレイしていました。落ち着いてプレイした方がうまくいくことを実感しました」
 国内では得られない経験をし、それぞれ課題と自信を得られています。

 試合を終えたロッカールームで、女子U-23日本代表の萩原 美樹子ヘッドコーチは、「所属チームに戻れば先輩たちに頼ってしまいがちになるが、今大会を通じて『これだけやれるんだ』という自信を持ち、強いメンタルを持って今後もプレイすること。KDB生命に対し、フィジカルでの当たりや強さでやられている部分はまだまだある。今回のようなコンタクトが世界基準となるわけだから、あの強さの中でどう戦うかを常に考えてプレイし、これからも継続すること」と、選手たちに伝えました。
 今後も日々の練習から世界を意識することが2020年へつながっていきます。『次世代』を託す若き選手たちのさらなる活躍にご期待ください。