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2016 FIBA ASIAチャレンジ 休息日 準々決勝はアンダーカテゴリーが世界への切符を勝ち取った縁起の良い会場でヨルダンと対戦

2016年9月15日

連日、イランで活躍されている日本人の皆さんが多くの日の丸を掲げ、大きな声で応援していただきホームのような環境で試合ができている

現在、平均12.8本でリバウンド王の#35アイラ・ブラウン選手

 「2016 FIBA ASIAチャレンジ」は、予選ラウンド5試合を戦い終え、本日は大会全体の休息日です。グループEとFの上位4チーム、計8チームが準々決勝に駒を進め、明日9月16日(金)より決勝トーナメントがスタートします。

 優勝を勝ち取るのはもちろんですが、もう一つのミッションに、来年にアジアNo.1を決める「FIBA ASIAカップ」へのサブゾーンの出場枠を増やす戦いでもあります。幸い、日本が所属する東アジアサブゾーンは、韓国、中国、チャイニーズ・タイペイとともに全てが決勝トーナメント進出を決めました。韓国vsチャイニーズ・タイペイはどちらが勝ってもベスト4進出が決まるので、既に1枠増えることは確定しています。日本はヨルダンを倒して、東アジアからの出場枠を自らの手で勝ち取りにいきます。

■9月16日(金) 準々決勝 スケジュール
14:00(日本時間 18:30)~ 韓国(F2位) vs チャイニーズ・タイペイ(E3位)
16:15(日本時間 20:45)~ イラク(F4位) vs 中国(E1位)
18:30(日本時間 23:00)~ インド(E4位) vs イラン(F1位)
20:45(日本時間 25:15)~ ヨルダン(E2位) vs 日本(F3位)

 予選ラウンドを戦いながらチーム力を結束させ、調子を上げている「アカツキファイブ」男子日本代表チーム。しかし、勝ち上がってきたチームもまた、日々良くなっているのを実感しており、準々決勝に勝ち進んだ8チーム全てがライバルとなります。その中で一番脅威に感じていたチームがヨルダンであり、長谷川 健志ヘッドコーチも「これまでの試合を見てきて、イランとヨルダンが強いと感じています」と評価しています。

 4勝1敗と同勝率でしたが、開幕戦で中国に敗れたため、この直接対決の結果によりグループE2位通過となったヨルダン。
 その試合を振り返れば、ヨルダンは5ファウルで4人が退場しており、現在得点ランキング1位(平均27.4点/リバウンド1位は日本#35アイラ・ブラウン選手)の#3 Darquavis TUCKER選手も不用意なファウルでコートを退き、自滅した試合でした。
 精彩を欠いた予選1次ラウンドでのヨルダンでしたが、予選2次ラウンドでは見違えるように全て100点ゲームで圧倒し、余裕を持って勝ち上がっています。ファストブレイクポイントは合計67点で全体2位(1位はチャイニーズ・タイペイで79点)。それを武器にする日本は46点に留まっており、トランジション速い展開で100点に乗せる爆発力があります。

 昨日のフィリピン戦で#3 TUCKER選手は37点、#13 Mohammad HUSSEIN選手は26点、#23 Mousa ALAWADI選手は21点を挙げています。しかも、いずれも25分程度のプレイタイムで到達し、第4ピリオドはほとんどベンチに下がっており、一気に得点を離してペースを握る力があります。
 昨年のFIBA ASIA選手権では9位に終わりましたが、その時の主力を含めた6人が残っており、さらに帰化選手であり、ポイントゲッターの#3 TUCKER選手が加わったことで厚みは増しています。アメリカではダー・タッカーの愛称で知られる#3 TUCKER選手はNCAAのデ・ポール大学出身。その後、NBA Dリーグを渡り歩き、フランスやベネズエラなど強豪リーグを経て、現在はバーレーン・プレミアリーグで活躍してます。

 ヨルダンとの対戦が決まり、長谷川ヘッドコーチは、「強いチームに挑めることを楽しみにしています。韓国とイランに予選ラウンドでは勝てなかったですが、勝負することはできました。次のヨルダンを相手にどれくらい戦えるか挑んでいき、(強豪である韓国、イランの敗戦をリベンジすべく)3度目の正直で勝ちにいきます」と意気込んでおり、休息日を使って対策を練り、万全の状態で明日を迎えられるよう準備しています。

 連日、在イラン日本大使館の方々やイランで活躍されている日本人の皆さんが、会場にて日の丸を掲げ、熱い声援を送っていただいています。選手それぞれの名前を呼びながらの応援はホームのような環境であり、とても心強いです。
 #7篠山 竜青選手は、「応援していただくだけではなく、物資の部分でも積極的に強力していただいて助かっています。本当にありがたいですし、応援してくださる方々のためにも、日本代表として良いプレイを見せなくてはいけないという気持ちになります」と話すように、試合以外でも多大なるサポートをしていただき、チーム一同感謝しています。
 さらに、日本から期待して応援していただいている皆さんのためにも、日本を代表するとともに、1週間後に開幕を控えるBリーグを代表して、結果を求めて、さらにチーム一丸となって戦っていきます。

 明日は、隣接する約8万人収容可能なアザディ・スタジアムでサッカー国内リーグが開催されるとあり、その混雑を避けるために、急きょAzadi Sports Complex内にあるイランバスケットボール協会の小さなアリーナへ会場が変更となりました。
 今年7月、この会場で男子U-18日本代表チームは戦い、来年開催されるFIBA U-19世界選手権への切符を18年ぶりに勝ち取りました。遡れば2013年にも、男子U-16日本代表チームが同じくここでFIBA U-17世界選手権への初出場を決めており、縁起の良い場所でもあります。

 今大会自体は直接的に世界にはつながりません。しかし、2019年FIBAワールドカップ、そして2020年東京オリンピックへとつながる長い戦いのオープニングであり、日本の位置を示すためにも大事な大会です。アンダーカテゴリーが躍動した会場で、3年連続アジアベスト4への挑戦が始まります。

 準々決勝・ヨルダン戦は、9月16日(金) 20:45(日本時間 深夜25:15)にティップオフを迎えます。大会公式サイトにて速報や試合経過をご覧いただけます。