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平成28年度男子U-16日本代表チーム 第1次強化合宿 開催報告

2016年10月25日

やり甲斐を感じながら取り組み、成長した姿を見せた星川 堅信選手(宇都宮市立鬼怒中学校 3年)

早生まれの高校1年生、笹山 陸選手(洛南高校 1年)はリーダーシップを発揮

 平成28年度バスケットボール男子U-16日本代表チームは、10月22日(土)~24日(月)の期間、味の素ナショナルトレーニングセンターにて第1次強化合宿を実施。30名の男子U-16日本代表候補選手を招集し、来年開催される「第5回FIBA ASIA U-16男子バスケットボール選手権大会」へ向けた強化と選手選考が始まりました。

 オフェンスに関してトーステン・ロイブル ヘッドコーチは、『スペース』『パス』『モーション』『スクリーン』をキーワードに上げます。
 「ディフェンスの動きに対して角度を考えてしっかりスクリーンをかけること」「両手パスは国際大会では通用しない。必ずスナップを効かせて素早いワンハンドパスをすること」「良いスペースに走り、パスでペースアップしていくこと」がオフェンスの目指す点です。ディフェンスは「常に良いポジションでのディフェンスを心がけること」「1本のリバウンドが勝敗に直結するくらいの気持ちで全員で取りにいくこと」など、細かい動きや国際試合仕様に意識を変えることから徹底させていきます。

 選手選考も兼ねた今合宿中は、スクリメージに多くの時間を費やしました。しかし最初はミスが目立ち、ロイブルヘッドコーチを悩ませます。そこで最終日はパスやスクリーンの練習を行い、基本の動き方を復習する時間を設けました。その後のスクリメージでは、見違えるような動きで成長した姿を選手たちは見せてくれます。「ボールの動かし方を強調しましたが、最後のスクリメージはすごく良かったです」とロイブル ヘッドコーチもひと安心。短期間での成長に、「良いチームができることを確信しました」と手応えを感じていました。

 ロイブル ヘッドコーチは技術とともに、「全員がリーダーシップを示すこと」を強調しています。これは男子日本代表チームでも、長谷川 健志ヘッドコーチが同じことを選手たちに伝えており、日本代表に不可欠な要素です。「サイズがなくても、技術が足りなくても、リーダーシップある選手がチームには重要」と伝えると、早生まれの高校1年生たちがすぐさま行動に移しました。

 笹山 陸選手(洛南高校 1年)は「後輩の方が多い中で、練習の雰囲気を良くしたり、試合の中でも自分が先頭を切ってやりたいことを徹底するように心がけていました」とリーダーシップを発揮。体の当たりや状況判断もレベルが高い高校で練習している笹山選手にとって、「後輩たちはまだ動きが遅れてしまいます。それを感じた時に、自分が指示を出したりコミュニケーションをとって、自然に後輩たちが動けるように要求していかないといけませんでした。力を出させてあげることがまだできなかったのは反省点であり、もっと具体的に伝えていけるようにしたいです」と、新たに気づくことも多くありました。

 「個人的にはうまくいかなかった部分が多かったです」と星川 堅信選手(宇都宮市立鬼怒中学校 3年)は反省点を挙げていきます。「エルボー付近からのジャンプシュートを決められるチームが、世界でも強いチームとロイブル ヘッドコーチが仰っていたので、意識して打つようにしていました。しかし、仲間が空いていたり、ディフェンスがプレッシャーをかけてきているのに無理して打ってしまい、シュートのセレクションをもっと考えていかなければならなかったです」と自分の力を発揮しきれない場面もあったようです。それでも、「世界を見据えた合宿はおもしろかったですし、やり甲斐があります」と話しています。次回合宿に選考されるために選手たちは持てる力を出して練習に取り組んでいました。

 今合宿に選ばれた30名から選手を絞り込み、11月23日(水・祝)より第2次強化合宿が行われます。合宿を終えたロイブル ヘッドコーチは、「次回選ばれなくても終わりではありません。常にパフォーマンスは波があるものです。今回、調子が悪かった選手もいるかもしれないし、1年後に伸びる選手もいます。我々は常にみんなを見ています。実際、U-16日本代表の選考合宿でカットされた選手が、次のU-18日本代表に選ばれて活躍し、U-19世界選手権への切符を勝ち取った選手もいます」という具体例を挙げ、選手たちのさらなる努力を促していました。日本代表への道は始まったばかりであり、合宿で習ったことを継続していくことが近道となります。

※活動の様子はフォトギャラリーにてご覧ください。