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平成28年度男子U-24日本代表チーム 第1回スプリングキャンプ 開催報告

2017年2月26日

「学んだことを専修大学でも生かしたい」と意欲的に練習にとり組む秋山 熙選手 (専修大学 3年)

速攻からゴールを狙う岡田 侑大選手 (東山高校 3年)

 平成28年度バスケットボール男子U-24日本代表チームは、ルカ・パヴィチェヴィッチ テクニカルアドバイザーの指導の下、世界レベルへとスタンダードを引き上げるための「スプリングキャンプ」がスタート。
 第1回キャンプは、2月20日(月)~24日(金)の5日間、味の素ナショナルトレーニングセンターにて、主に「ディフェンス」の強化を実施しました。

 男子U-24日本代表候補選手38名を招集し、2チームに分けます。Aチームはパヴィチェヴィッチ テクニカルアドバイザーが、Bチームは同じメニューを陸川 章ヘッドコーチを中心とした男子U-24日本代表スタッフが指導します。キャンプ中は、AチームとBチームの入れ替えを陸川ヘッドコーチが提案し、選手たちの競争心を煽ります。2日目には既にAチームへ昇格、またはBチームに降格する選手が現れ、緊張感や危機感のある練習が続きました。また、このスプリングキャンプは、本年8月に開催される「第29回ユニバーシアード競技大会」に向けた選考会と、3月中旬に全日本大学バスケットボール連盟で開催される韓国遠征のメンバー選考も兼ねて行われています。

 ディフェンス練習を最初に行なったことについて、パヴィチェヴィッチ テクニカルアドバイザーは、「選手たちの将来に向けて、絶対に生かされるのがディフェンスだからです。激しく、アグレッシブ(攻撃的)さがあり、さらに正確なディフェンスが求められます。正確なディフェンスとは、正しいポジションや正しい反応をしなければなりません。特にヘルプは必要な時だけに止めること。しっかり訓練された選手は、必要なヘルプと不必要なヘルプを使い分けています。この第1回キャンプでは、ヘルプを見分ける練習を徹底させました」と説明。練習中は、「ゲーム中は1on1が全て。1on1を守り切ることができなければ、良いバスケットをすることもできない。役割に徹し、責任感を持ってマークマンを守り切れ」と発破をかけます。

 パヴィチェヴィッチ テクニカルアドバイザーの指導を初めて受けた秋山 熙選手(専修大学 3年)は、「ディフェンス時のチェックなどの考え方が、専修大学で行なっているのとは全然違いました。これまでもチェックしていたつもりでしたが、それは全然できていなかったことを認識させられ、さらに細かく指摘されました」と感想を述べています。

 パヴィチェヴィッチ テクニカルアドバイザーによる世界基準の指導は、アカツキファイブ 男子日本代表チームも含め、これまで学んできたことが覆されることもあります。陸川ヘッドコーチは多くのトップ選手を育ててきた指導者であり、これまで積み上げてきたことが否定される感も否めません。しかし、「勉強になりました。私にとってはすごくラッキーなことです。例えるならば、これまで習ってきたことを試験されているような感じでした」と話しており、選手だけではなく陸川ヘッドコーチをはじめとしたスタッフ陣も大きな刺激を受け、全てを吸収しながら学ぶ機会となっています。
 「まず、練習の基準が明確です。どの時に何をすれば良いかという判断基準が全てのプレイにおいてしっかりとあります。細かく教えてくれているので、選手たちも理解しやすいです。ただし、それが少しでも正確性を欠くとものすごく怒られてもいます。考え方が実に分かりやすく、さらに疲れた場面でもメンタリティや考える力で求められるプレイを遂行できるようになれば、もっと強くなれると思いました。私にとっても良い勉強になっています。本当に楽しくてしょうがないですし、良いコーチです(陸川ヘッドコーチ)」

 ディフェンス練習時のオフェンスに対して、「もっとドライブでアタックしろ」とパヴィチェヴィッチ テクニカルアドバイザーは積極性を求めています。リスクを冒してペイントエリア内に攻めてこなければ、体を当てて抑えることを掲げているディフェンスの練習にはなりません。その指摘により、日に日にオフェンスでの積極性が高まり、必然的にディフェンスも激しくなっていきました。
 「日本では少ないドライブを起点としているプレイヤーだと思っています」と自身の長所を挙げた岡田 侑大選手(東山高校 3年)。「速攻からアウトナンバーを作って、2on1や3on2から攻めることは大学生を相手にも通用した部分はあると思います。でも、得意なドライブがフィジカルで抑えられてしまった部分もあるので、そこは慣れていかないといけないですし、その差もハッキリと見えました」と先輩たちを相手に課題が見えたようです。ピック&ロールからポイントガード陣のドライブも見応えがありました。秋山選手は「ドライブからのキックアウト、引きつけてパスを心がけ、周りとは違うところでアピールしていきたいです」と話しています。

 第1回スプリングキャンプを終え、パヴィチェヴィッチ テクニカルアドバイザーは、「選手たちはハードワークし、常に学ぶ姿勢を持って取り組んでいるのが一番良いところです。練習を乗り越えられたのも、強いハートを持って積極的に取り組んでくれたからです。中途半端な気持ちで練習に臨んでも、目指すべき地点にはたどり着けません。また、そのような意識がない選手は日の丸を背負う資格もありません。今回の選手たちは本当に一生懸命練習してくれました。世界を目指し、基準値を高めてレベルアップしていきます」と感想を述べています。

 半数となる16名が第1回キャンプで終了となります。練習後、陸川ヘッドコーチから選手たちにこのように伝えました。
「5~6千人ほどいる大学でバスケットをしている全ての選手の中からみんなは選ばれ、このキャンプに参加できた。もしかすると、特別指定選手としてBリーグでプレイしている選手たちも、ここで学びたかったかもしれない。みんなはここで学ぶことができ、それは今後バスケットで上を目指すのであれば必ず生かされる。常に高い目標を持って努力をすれば、何歳になっても必ず上手くなれる。僕が30歳を越えてからも上手くなり、38歳まで現役を続けることができた。結果は努力次第でどうにでもできる。ここで学んだことを血肉化して、もっと上手くなれるように頑張っていこう」

 参加した選手たちからは、「ここで学んだことを継続し、所属チームに戻って生かしていきたい」という意見が多く聞かれました。パヴィチェヴィッチ テクニカルアドバイザーに習った世界レベルのディフェンスを、各チームに持ち帰って徹底できれば、日本全体のバスケットレベルは自ずと向上します。秋山選手も、「教えてもらったことを取り入れながら、専修大学のスタイルに合わせてレベルアップさせていきたいです。さらにチームとして向上していける期待感を持つことができました」と言います。専修大学からはセンターの野口 夏来選手、シューターの大澤 希晴選手と各ポジションの主力選手が参加しており、新シーズンが楽しみです。

 オフェンスに突入する第2回スプリングキャンプは、2月27日(月)~3月3日(金)の期間、味の素ナショナルトレーニングセンターで実施されます。

※活動の様子はフォトギャラリーにてご覧ください。