ニュース

平成28年度男子U-16日本代表チーム 第5次強化合宿 開催報告

2017年3月6日

ドライブを仕掛ける横地 聖真選手(春日井市立岩成台中学校 3年)は、シュートに対する判断力と決定力向上を目指す

アウトサイドシュートやドライブを積極的に狙うことを課題に挙げた結城 智史選手(世田谷区立梅丘中学校 3年)

 平成28年度バスケットボール男子U-16日本代表チームは、3月2日(木)~5日(日)の期間、味の素ナショナルトレーニングセンターにて、第5次強化合宿を実施しました。今合宿では成立高校と八王子高校に胸を借り、年始に実施したチェコ遠征以来となるゲームを中心とした実戦形式の強化を行いました。

 今秋に開催が予定されている「第5回FIBA ASIA U-16男子バスケットボール選手権大会」まで、半年以上の時間があります。しかし、トーステン・ロイブル ヘッドコーチは、「毎月合宿を行なってきたことで、いつでもゲームができる状況になってきました」と話しており、順調に強化は進んでいます。3泊4日の短期間の合宿において、「練習を詰め込むよりも、ゲームを行う方が修正点が明確になりやすいです」と言うように、実戦を通してさらなる課題を浮き彫りにしていきます。

 ゲームを踏まえて、「大きいセンターはいませんが、インサイドもアウトサイドもしっかりローテーションするプレッシャーをかけるディフェンスはとても良くできています」と、ロイブル ヘッドコーチはディフェンスに関しては及第点を与えました。一方のオフェンスでは、「シューターを含めて、まだまだ課題は多いです。練習の中ではなかなかその資質を発揮できていない選手がいたので、今回のようなゲームを通した方が本来の力を見せてくれるだろうと期待していました」というのも今合宿で練習試合を行なった意図でした。

 毎月のように合宿を積み重ねていることでチームワークは向上しており、コート上で思ったことを言い合えるリーダーシップをそれぞれが発揮しています。
 結城 智史選手(世田谷区立梅丘中学校 3年)は、「だんだんとみんなの息が合うようになってきています。みんな仲が良いですし、楽しくバスケットができています」とチームワークが良い状況を説明。ゲームを通して、「U-16合宿やビッグマンキャンプで学んだ体の作り方を家でも継続してきました。高校生のセンターは体が強かったですが、それでも戦うことができていたと思いますし、そこは成長していると感じました」と手応えを感じています。「このチームはドライブが得意な選手が多いので、その選手に合わせてパスをもらいながらアウトサイドからシュートを打てるようにしたり、自分自身も積極的にドライブを狙うようにしたいです」と課題点も明確になりました。

 積極的に1on1で勝負をする選手が多いのも、この男子U-16日本代表候補選手たちの特徴です。しかし、高校生相手にゴールを阻まれる場面も見られました。
 横地 聖真選手(春日井市立岩成台中学校 3年)は、「ドライブに行くことはできていますが、そこからシュートに対する判断と、しっかりフィニッシュを決めきらないとチームの流れも良くなりません」と反省点を挙げています。ゲームを行ったことにより、「毎月のようにこのメンバーで練習していることで、みんなのプレイが分かってきてしまっていました。でも、こうして他のチームとゲームができることで、思うようにはいかない部分もありますし、自分のプレイを生かすこともできるので、こういう機会はうれしいです」と話しています。また、相手の特徴を把握し、アジャストさせていくこともポイントガードの役割であり、実戦形式だからこそ得られることも多くあったようです。

 前述したとおり本番まではまだ時間があり、良い選手を引き上げながら選考が続きます。今合宿中、ロイブルヘッドコーチは「名のある選手や、大会を通じたスタッツの記録、メディアに取り上げられたとか、そんなことは選考には関係ない。この合宿中にしっかりと良いパフォーマンスを見せて、しっかりと戦うことができる選手だけを選考します。もし、コーチが恐いとか、落とされるのを恐れて無難なプレイをしたり、消極的なプレイをするような選手は日本代表選手ではありません。失敗しても、積極的に戦う姿勢がある選手が必要であり、その素質がある選手が12名に残るわけです」と選手たちに伝えました。

 「自分のプレイを積極的に出し続けなければいけないですし、ロイブルヘッドコーチが言うように、ディフェンスを頑張らないといけません。この先もここに残れるように必死に頑張りたいです」と横地選手も気を引き締めています。他の選手もみな同じ気持ちであり、日本代表入りを目指してさらなる努力と競争は続いていきます。

※活動の様子はフォトギャラリーにてご覧ください。