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バスケットボール男子日本代表チーム 第3回重点強化合宿① 開催報告

2017年3月22日

馬場 雄大選手(筑波大学3年)イラン戦に続き、学生選抜チームとして参加した韓国遠征を通じて、「ルカコーチが求めるバスケットができた」と手応えを実感

イラン戦の映像を振り返り、明確となった課題克服へ向けて復習に励む比江島 慎選手(シーホース三河)

 昨年12月より男子日本代表の強化活動の一環として、また今秋よりBリーグ開催期間中に行われる2019年FIBAワールドカップ予選へ向け、3月20日(月・祝)から21日(火)の2日間、味の素ナショナルトレーニングセンターにて、第3回重点強化合宿①を実施しました。
 Bリーグや男子U-24日本代表スプリングキャンプで評価された“ベストな30人”が選出され、最初の15名がルカ・パヴィチェヴィッチ テクニカルアドバイザーの指導を受けました。

 先月、北海きたえーるでイラン代表と対戦した「バスケットボール男子日本代表国際強化試合2017」を振り返りながら、パヴィチェヴィッチ テクニカルアドバイザーは課題点を浮き彫りにします。「日本がアジアや世界で1番アグレッシブなディフェンスをするチーム」を目指しており、「INTENSITY(プレイと気持ちの両面の激しさ)」「AGGRESSIVE(攻撃性・積極性)」「SOLIDNESS(ミスをしない堅さ)」の3本の柱を軸とし、ディフェンスの強化を進めています。

 比江島 慎選手(シーホース三河)は、「ディフェンスでプレッシャーをかけていたつもりでしたが、映像を見返すともう少し詰めるべきスペースが空いてしまっていました」と細かな課題点を認識し、復習しながら克服を目指します。ディフェンスでは、「積極性と激しさがなければ、向上することもできない。状況判断をしっかりし、ミスせず賢く守ること」を徹底するパヴィチェヴィッチ テクニカルアドバイザー。世界に勝つためのディフェンスを体に染み込ませています。

 オフェンスでは「No Game」の状況を無くしていかなければなりません。パヴィチェヴィッチ テクニカルアドバイザーは単にボールを回しているだけであったり、どう攻めるべきかを全員が把握できていない状況を指摘します。「2020年東京オリンピックまで時間がない。しっかりスペースを作る動きをする中で、それぞれのアイディアを鮮明にして『No Game』の状況を無くしていかなければならない」と伝え、それを打破するためにも全員がピック&ロールの動きを理解し、そのピック&ロールからプレイを作っていくことを重要視しています。

 男子U-24日本代表スプリングキャンプを経て、日本学生選抜チームは3月13日(月)から18日(土)の期間、韓国遠征を実施しました。韓国プロリーグKBLの下部チームと5連戦を行い、3勝2敗と勝ち越して帰国。イラン戦に続き、パヴィチェヴィッチ テクニカルアドバイザーの教えを実戦で体現してきた馬場 雄大選手(筑波大学 3年)は、「練習してきたピック&ロールに対するディフェンスを使う場面はあまりなかったですが、『INTENSITY』という部分は見せることができたと思います。オフェンスのフォーメーションは、韓国のプロチームを相手にも通用する部分がありました。そこからボールをつないで得点する場面もうまく出せましたし、ルカコーチが求めるバスケットができたと思います」と成果が見られています。

 同じく大学生として今合宿に参加し、韓国遠征も行ってきた平岩 玄選手(東海大学 1年)は、「点差が離れた時やチームが苦しい状況の時に、ルカコーチに教わってきた『AGGRESSIVE』や『INTENSITY』を上げたことで自分たちの流れも良くなりました。ボールが上手く回り、ディフェンスもハードにでき、それによって点差もどんどん詰まっていって、最後は粘って勝てた試合がありました。困った時は原点に返れば良いということが分かったのは大きかったです」と手応えを感じています。パヴィチェヴィッチ アドバイザリーコーチが掲げるディフェンスの3本の柱を原点とし、格上である韓国プロチームに勝利した大学生たち。今合宿では、Bリーグの先輩たちの中でも臆することなく、自信を持ってプレイしていました。

 「小さな修正を正しくすることで成長でき、それが成功につながる。その成功体験が、さらなる成長にもつながっていく」とパヴィチェヴィッチ テクニカルアドバイザーは言います。Bリーグはシーズン終盤に差し掛かり、疲労が蓄積されている選手たちのコンディションを考慮し、「バスケットに必要な規律や素質を上げるため」の情報を与えることが重点強化合宿の目的です。「聞く耳を持って情報を吸収してくれていますし、上手くなりたいという欲求が高いです。それぞれの選手が日本代表としての誇りを持ってこの場に集まってきています」とパヴィチェヴィッチ パヴィチェヴィッチ テクニカルアドバイザーは取り組む姿勢を評価しており、短い期間ながら確実に成長を実感していました。

 次週、3月27日(月)~28日(火)に、第3回重点強化合宿②が行われます。

※活動の様子はフォトギャラリーにてご覧ください。