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平成29年度女子日本代表チーム 第1次強化合宿 開催報告

2017年4月17日

リーダーシップを発揮し、練習を盛り上げる伊集 南選手(デンソー アイリス)

ミスを恐れず積極的にシュートを狙う栗林 未和選手(富士通 レッドウェーブ)

 4月6日(木)より今年度の強化活動をスタートした「AKATSUKI FIVE」平成29年度バスケットボール女子日本代表チームは、味の素ナショナルトレーニングセンター(東京都北区)での10日間にわたる第1次強化合宿を4月16日(日)に終了しました。今合宿はオフを与えられていた昨年のリオデジャネイロオリンピック出場メンバーの数名が姿を見せ、逆にケガのために参加できなかった選手もおり、約20名での強化合宿となりました。

 今合宿では、日本代表が目指すべきトランジションオフェンスとハーフコートディフェンスを軸にドリルや分解練習を行い、5on5やスクリメージで試していきます。当初から伝えられていたとおり、今合宿はトライアウトです。トム・ホーバスヘッドコーチは、「第1次強化合宿はあえて厳しい練習を課しており、それに耐えられるかどうかもテストです」と話し、それに応えるよう選手たちは練習に励んでいました。

 唯一高校生の竹原 レイラ選手(大阪桐蔭高校 3年)、高校を卒業してWJBLに入団したばかりの梅沢 カディシャ樹奈選手(JX-ENEOSサンフラワーズ)と栗林 未和選手(富士通 レッドウェーブ)の3名は、将来が楽しみなビッグマンたち。初めて指導したトム・ホーバス ヘッドコーチは、「思ったよりも良いプレイをしていますが、逆に思っていたよりもできていないこともありました。まだ若いですし、それは致し方ないことです。それでも力があり、しっかり足を動かしているなど良い部分も見せてくれています」と期待を寄せ、練習中は厳しくも丁寧に指導していました。

 初日は緊張が見られた栗林選手でしたが、「できないことは分かっているので、張り切ってやることが大事だと思っています。ミスしても良いから思いっきりやることと元気よく動き回ることを心がけています。得られるものしかないし失うものもないので、やるだけです」と、日ごとに積極性が増し、チャレンジする姿勢を見せていました。
 しかし、栗林選手にとっては「周りの皆さんテレビで見ている方々ばかり」という日本代表候補選手たち。今シーズンもWNBAシアトル・ストームでプレイする渡嘉敷 来夢選手が渡米前に参加していました。「ガードとの1on1でミスマッチになった時に『ボールをもらった時はもっと余裕を持ってゆっくり攻めていいんだよ』とアドバイスしてくれて、落ち着いてプレイすることができました」と、少ない時間でしたが渡嘉敷選手と一緒に練習ができたことで、様々なことを吸収したようです。

 常に声をかけてリーダーシップを発揮し、練習を盛り上げていた伊集 南選手(デンソーアイリス)。過去2度も日本代表候補として合宿に参加してきましたが、次のステージには進めずにいました。「(前ヘッドコーチ)内海(知秀)さんの時は1番(ポイントガード)ができると信じて選んでくれていましたが、その期待に応えるだけのプレイはできませんでした。それは自分の責任ですが学ぶことも多かったです。でも今は、本職の2番(シューティングガード)としてこのトライアウトに参加できている以上、自分の全てを出さなければいけないと思っています」と、これまで以上に前向きに取り組むことができています。
 また、「日々、良い練習で終えたい」という意識を持って臨んでいました。「自分がアピールすることもそうですが、いかに後輩たちが自分の力を出せるか、良い雰囲気で練習ができるかを考えていました。初めて参加する選手もいるので、萎縮させてしまったらチームとして意味がありません。そこは個人で切り抜くことも大事ですが、やっぱり周りが生かすことや雰囲気作りは誰もができることだと思っています」と言う伊集選手のリーダーシップにより、先に挙げた栗林選手なども若い選手たちも思いきってプレイすることができていました。

 約20名で行われた第1次強化合宿ですが、「5月にはWNBAチームと対戦するアメリカ遠征が控えていますので、このような大人数での合宿はここまでです。次回からはチームとして強化していくためにも、半分くらいにしなければなりません」とホーバスヘッドコーチは明言します。候補選手34名から約半分くらいを想定しています。多くの選手が第1次合宿で姿を消すことになりますが、トライアウトという位置づけであり「それは当たり前のこと」と言うホーバスヘッドコーチ。だからこそ、この合宿がスタートする時に、「日本が目指すオフェンスの中で自分のプレイを出しなさい」と選手たちに伝えていました。

 リオデジャネイロオリンピック出場メンバーが参加する第2次強化合宿は4月20日(木)よりスタートします。その中に、第1次強化合宿を経て、どれだけの選手が食い込んでいけるのか。
 本番となる「FIBA女子アジアカップ2017」まであと3ヶ月程度。新生「AKATSUKI FIVE」女子日本代表チームは、急ピッチで強化を進めていきます。

※活動の様子はフォトギャラリーにてご覧ください。


■「AKATSUKI FIVE」平成29年度バスケットボール女子日本代表チーム
 FIBA女子アジアカップ2017 日本代表候補選手 メンバー表

【チームスタッフ】
チームリーダー 高橋 雅弘 (JX-ENEOSサンフラワーズ)
ヘッドコーチ トム・ホーバス (JBA)
アシスタントコーチ 恩塚 亨 (東京医療保健大学)
アシスタントコーチ 知花 武彦
トレーナー 岩松 真理恵 (JBA)
トレーナー 石山 静香 (株式会社リニアート)
チーフマネージャー 成井 千夏 (JBA)
マネージャー 藤田 愛奈 (JX-ENEOSサンフラワーズ)
マネージャー 木村 絵理 (トヨタ自動車株式会社)
ビデオコーディネーター 今野 駿 (JBA)
パフォーマンスコーチ 佐藤 晃一 (JBA)
パフォーマンスコーチ 阿部 勝彦 (JBA)
ドクター 李 小由 (公立昭和病院)

【選手】
吉田 亜沙美 (JX-ENEOSサンフラワーズ)
王 新朝喜 (三菱電機 コアラーズ)
森 ムチャ (トヨタ自動車 アンテロープス)
栗原 三佳 (トヨタ自動車 アンテロープス)
髙田 真希 (デンソー アイリス)
大﨑 佑圭 (JX-ENEOSサンフラワーズ)
伊集 南 (デンソーアイリス)
水島 沙紀 (トヨタ自動車 アンテロープス)
落合 里泉 (東京羽田ヴィッキーズ)
櫻木 千華 (三菱電機 コアラーズ)
渡嘉敷 来夢 (JX-ENEOSサンフラワーズ)
山本 千夏 (富士通 レッドウェーブ)
篠崎 澪 (富士通 レッドウェーブ)
篠原 恵 (富士通 レッドウェーブ)
近藤 楓 (トヨタ自動車 アンテロープス)
川原 ゆい (トヨタ紡織 サンシャインラビッツ)
本川 紗奈生 (シャンソン化粧品 シャンソンVマジック)
渡邉 亜弥 (三菱電機 コアラーズ)
町田 瑠唯 (富士通 レッドウェーブ)
大沼 美琴 (JX-ENEOSサンフラワーズ)
宮澤 夕貴 (JX-ENEOSサンフラワーズ)
三好 南穂 (シャンソン化粧品 シャンソンVマジック)
長岡 萌映子 (富士通 レッドウェーブ)
藤岡 麻菜美 (JX-ENEOSサンフラワーズ)
河村 美幸 (シャンソン化粧品 シャンソンVマジック)
林 咲希 (JX-ENEOSサンフラワーズ)
根本 葉瑠乃 (三菱電機 コアラーズ)
馬瓜 エブリン (アイシン・エィ・ダブリュ ウィングス)
宮崎 早織 (JX-ENEOSサンフラワーズ)
赤穂 さくら (デンソー アイリス)
西岡 里紗 (三菱電機 コアラーズ)
梅沢 カディシャ樹奈 (JX-ENEOSサンフラワーズ)
栗林 未和 (富士通 レッドウェーブ)
竹原 レイラ (大阪桐蔭高校 3年)

※所属は2017(H29)年4月4日現在
※第1次強化合宿は、リオデジャネイロオリンピック代表選手12名を除くメンバーで実施します。オリンピック代表選手は、第2次強化合宿の後半、4月25日(火)からの参加となります。

 
■強化活動 スケジュール
<第1次強化合宿>

日程:2017(H29)年4月6日(木)~4月16日(日)
会場:味の素ナショナルトレーニングセンター(東京都北区)

<第2次強化合宿>
日程:2017(H29)年4月20日(木)~4月30日(日)
会場:味の素ナショナルトレーニングセンター(東京都北区)

<海外遠征>
日 程:2017(H29)年5月上旬~5月中旬(予定)
渡航地:アメリカ(※調整中)

<第3次強化合宿>
日程:2017(H29)年5月20日(土)~5月31日(水)
会場:味の素ナショナルトレーニングセンター(東京都北区)

<海外遠征>
日 程:2017(H29)年5月下旬~6月中旬(予定)
渡航地:※調整中

<第4次強化合宿>
日程:2017(H29)年6月22日(木)~7月10日(月)
会場:味の素ナショナルトレーニングセンター(東京都北区)

<第5次強化合宿>
日程:2017(H29)年7月14日(金)~7月18日(火)
会場:味の素ナショナルトレーニングセンター(東京都北区)

※施設の都合により、合宿の見学はできません。
※第2次強化合宿以降のスケジュールは、変更になる場合がございます。
※各合宿の取材をご希望の方は、合宿施設への入館手続きの関係上、取材希望日の5営業日前までに(第1次は4月5日13時締切)、JBA広報担当まで申請手続きを行なってください。

 
■平成29年バスケットボール女子日本代表チーム 国際大会情報

【大会名称】FIBA女子アジアカップ2017
【開催期間】2017(H29)年7月23日(日)~7月29日(土)
【開催地】 インド・バンガロール
【会 場】 ※未定

【出場国】全14チーム
レベルⅠ:8チーム 日本、中国、韓国、チャイニーズ・タイペイ、フィリピン、北朝鮮、オーストラリア、ニュージーランド
レベルⅡ:6チーム ※未定

【FIBAワールドカップ出場枠】
レベルⅠの上位4チームが、2018年にスペインで開催される「FIBAバスケットボール女子ワールドカップ2018」の出場権を獲得する。
※2018年大会より、女子もFIBA女子世界選手権大会から名称変更