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平成29年度男子日本代表チーム 第8次強化合宿 開催報告

2017年10月19日

大学生の平岩 玄選手と西田 優大選手も臆することなく力を発揮

身長も長所も異なる宇都 直輝選手と富樫 勇樹選手が切磋琢磨するポイントガード争い

 平成29年度バスケットボール男子日本代表チームは、10月16日(月)~18日(水)の期間、味の素ナショナルトレーニングセンターにて、第8次強化合宿を実施しました。
 フリオ・ラマスヘッドコーチ自身が、最高のチームを作るためにベストな24名を選出し、11月24日(金)に駒沢体育館でのフィリピン戦から開幕する「FIBAバスケットボールワールドカップ2019 アジア地区 1次予選(以下、FIBAワールドカップ予選)」へ向けた準備を行うため、強化活動を再開しました。

 去る10月11日、FIBAランキングが更新され、日本はランキングを2つ下げ、50位。FIBAに加盟する「213」の国・地域から、FIBAワールドカップ2019は「32チーム」、さらに狭き門となる2020年東京オリンピックは「12チーム」しか出場できません。50位の男子日本代表チームにとって、まずはベスト32の大枠を目指すべく、最初の関門として2019年に中国で開催されるFIBAワールドカップへの出場が必須となります。

 FIBAワールドカップ予選の開幕戦となるフィリピン戦までは5回の強化合宿を行います。最初の3回は、日本が目指すべきバスケットボールスタイルにフォーカスして徹底させ、残る2回でゲーム中に実行できるよう精度を高めていきます。最初の3回について、「ディフェンスやオフェンスなど分けて考えるのではなく、試合で使うシステムをトータルして教えています。ただ、毎回そのルールや手法を変え、バリエーションを増やしながら強化を行なっていきます」とフリオ・ラマスヘッドコーチは話しており、シーズン中にも関わらず強度を上げた練習となりました。

 富樫 勇樹選手(千葉ジェッツ)は、「土日に試合をしてきているので、今回は確認程度かと思っていました」が、実際には「対人練習が結構あり、最後はスクリメージもありました。思った以上に練習の強度は高かったです。でも、これくらいの質や量のある練習をしなければ、11月のフィリピン戦には間に合いません。しっかり準備していきたいです」と自覚と責任を持ってレベルアップに励んでいます。タフなゲームを勝ち抜くためには、日頃からタフな環境に慣れていくことも重要です。

 現在、B.LEAGUEのシーズン中であり、合宿に集合する過程もタフになります。川崎ブレイブサンダースの篠山 竜青選手や辻 直人選手、野本 建吾選手の3選手は、月曜日に北海道での試合を終えた後に移動し、翌日に合流。休む間もなくハードワークとなりましたが、それでも日本代表入りを目指し、練習に取り組みました。また、一番遠い沖縄から参加するアイラ・ブラウン選手は、沖縄~東京間を往復し、週末の試合に備えて島根へ再び移動。「移動ばっかりの厳しい1ヶ月になる」と覚悟を決めたブラウン選手は、誰よりも元気に練習を盛り上げていました。FIBAワールドカップ予選も、フィリピン戦の3日後となる11月27日(月)にはアウェーでのオーストラリア戦が続きます。長い移動後、いかに早くコンディションを整えて戦えるかも大事な要素であり、良いシミュレーションになっています。

 今回、日本代表候補として初選出された中西 良太選手(熊本ヴォルターズ)と宇都 直輝選手(富山グラウジーズ)は、それぞれ持てる力を発揮し、アピールをしていました。ポイントガード争いに割って入ってきた宇都選手は、「スピードやそこからアタックしていける部分、ディフェンスでは高さを生かしてしっかりプレッシャーをかけられるところ」という長所を生かし、良い動きを見せています。ラマスヘッドコーチのバスケスタイルを把握しなければならないポジションであり、「今回の合宿ではこと細かくは把握しきれなかったですが、プレイ自体は全て覚えることはできています」としっかり吸収していました。「新しいコーチに学ぶことは好き」という宇都選手は、「コーチが変われば全然違うことを言われることもありますが、見方を変えれば2パターンあるだけの話。どっちが正解でどっちが悪いわけでもないと思っており、いろんなことを吸収することが好きです」と話す通り、ラマスヘッドコーチからもたくさんのことを学び、経験値を上げています。「その状況に応じて的確な指示を出すのがポイントガードの仕事です」とも話しており、貪欲に自身の引き出しを増やしていました。

 また、平岩 玄選手(東海大学 2年)と西田 優大選手(東海大学 1年)の大学生たちも臆することなく向かっていき、良いプレイを見せました。馬場 雄大選手(アルバルク東京)らも含めた若い選手たちに対し、ラマスヘッドコーチは「日本代表を成長させるためには、若手選手たちも存在感を示していく必要があります。2020年以降の日本代表を引っ張ていくようなチームの核になってほしいと期待しています。日本のバスケットボールはまだまだ成長できると考えています」と先々を見据え、期待を込めて招集しました。

 FIBAワールドカップ予選まで1ヶ月強と迫っており、その中でいかに効率良く強化をするかに重点を置いています。
 ラマスヘッドコーチは、「JBA、日本代表、B.LEAGUEの3つが融合し、協力し合ってともに日本のバスケットボールが向上するプロセスを作っていきたい」と考えており、日本の男子バスケットボール界全体の底上げを図っていきます。

 11月24日(金)に行われるFIBAワールドカップ予選の開幕ホームゲーム「男子日本代表vsフィリピン戦」のチケット(全席種指定)は、明後日10月21日(土) 朝10時より、ローソンチケットほか各種プレイガイドにて一般発売を開始します。
 先行販売分は完売し、一般販売においても良席については早期の完売が予想されます。前売券が完売した場合は、当日券の販売を行いません。観戦ご希望の方は、お早目のご購入をお願いいたします。