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【ロンドン2012パラリンピック特集】 ハヤテジャパン 藤井 新悟選手

2012年8月8日

 8月29日(水)にイギリス・ロンドンで開幕する“パラリンピック”へ出場する車椅子バスケットボール男子日本代表チーム「ハヤテジャパン」
 日本初参加となった1964年東京パラリンピック以来、11大会連続出場中の車椅子バスケットボール男子日本代表チーム。これまでの最高成績は1988年ソウル大会、そして前回2008年北京大会の7位。強化合宿や海外遠征を重ねてきたハヤテジャパンの目標は、準々決勝の壁を乗り越えベスト4進出。さらにメダル獲得を目指します。
 宮城MAXが中心となり、さらに北京パラリンピック経験選手も多く、長い年月をともに過ごした分、チームワークは抜群。スピードを活かした疾風(ハヤテ)の如く、世界の強豪に立ち向かいます。
 ハヤテジャパンを率いる岩佐 義明ヘッドコーチ、日本代表12名全選手のロンドンパラリンピックへ向けた意気込みをご紹介します。

#4 藤井 新悟選手 (宮城MAX) キャプテン/クラス1.5/34歳

パラリンピック出場歴:2008年北京大会、2004年アテネ大会

─ ロンドンパラリンピックに向けた思いは?
 僕自身、3度目のパラリンピックとなります。最初はアテネパラリンピックに出場しましたが、今振り返ってみると全く記憶がありません。それはまだ僕も若く、先輩たちに連れて行ってもらった大会だったからだと思います。2回目の北京パラリンピックは立場も変わり、キャプテンとして出場しました。中心選手となり、「今回はやってやるぞ」という思いを持って臨みましたが、結果は7位。すごくトレーニングして臨んだのですが結果がついて来ず、すごく悔いの残る大会でした。そこで夢をあきらめるわけにはいかないと思い、今があります。間違いなくロンドンパラリンピックへ向けたこの4年間は、一番準備ができていると言えます。

─ 前回大会の反省点を活かして成長した点は?
 今までは自分のためだけにバスケットをしていました。アマチュアですので、みんな仕事を持っている中でも自分は練習に時間を割くことができ、誰よりも練習はしていたと思っていました。一番練習している自分が、一番良い結果が出てくるという青臭い思いを持っていました。しかし、自分一人が頑張ったところで内容の濃いものではなくて、実は弱いものでした。それに気付かせてくれたのが4年前の北京パラリンピックでした。北京パラリンピックを境に、すごく応援してくれている人が増えてきたという実感があります。そうなると、応援してくれている人のために頑張ろうという気持ちが芽生えました。そして今は、自分も結婚をしたことで家族のために頑張ろう、みんなのためにも頑張ろうという力をもらって、今までやってきた自分一人の力よりもすごく大きな力になることが分かりました。その点で今は、すごく充実した時間を過ごすことができています。

─ チームとして変わったところは?
 スタッフが岩佐ヘッドコーチと及川アシスタントコーチになったことは大きいです。岩佐ヘッドコーチはすごく良いバスケ論を持っている方です。及川アシスタントコーチは車椅子バスケットボールのスペシャリストだと自分は考えています。その2人のコーチのバスケ論がミックスされたこの日本代表は、長い間プレイヤーとしてやってきましたが、今までで一番楽しくプレイすることができています。中心となる藤本選手、香西選手といった若手と、一番ベテランである京谷選手、そして中堅選手や伸び盛りの豊島選手などいろんな年代がいる中、それぞれが役割を分かっていて、自分ができることを頑張ってチームの力になれるよう努力している思いはすごく感じます。その点はすごく良いチームだと思います。

─ 前回の銀メダリストであるカナダとの対戦からパラリンピックは幕開けしますが、予選リーグはどのような戦いを想定していますか?
 カナダは正直言って厳しい戦いになると思います。冷静に判断してみて、すごく強いチームです。しかし、負けても良いという意味合いは全くありません。自分たちの持てる力を全部出し切って良い試合をし、次からの試合につなげていきたいと思っています。イギリスとドイツは今年の強化遠征で何度も対戦してきました。格上のチームではありますが、多く対戦したことでスカウティングはできています。

─ イギリスやドイツとも対戦した今年の海外遠征では1勝もできませんでした。その部分の不安はありませんか?
 本番前の対戦でしたので、全てを出し切って1回でも勝っておくことよりも、いろいろと試せたことや相手を把握することができたことの方が大きいです。10回対戦して8回勝つ必要はありません。実力は確かに上かもしれませんが、負けるつもりもありませんし、パラリンピックの舞台で勝てば良いと思っています。

─ 世界のチームに比べて、日本代表の良い点とは?
 高さもパワーも海外のチームには及びませんが、クイックネスという部分では戦えると思っています。さらに日本の特性を活かさなければ、到底太刀打ちできないスポーツでもあります。何を持って戦いにいくかと言いますと、日本が優れている部分として「緻密さ」を挙げています。細かい正確性や組織だったプレイは日本の文化として優れていますので、バスケットにも取り入れて戦っていきます。これまでも取り入れようとは思っていましたが、なかなか体現できてはいませんでした。しかし今は、コーチ陣が具体的な戦略を立ててくれていますので、今回が一番その日本の良さを発揮できるチームになっていると思います。

─ ロンドンパラリンピックへの意気込みを!
 チームとして掲げる目標は「ベスト4」です。しかしベスト4というのは、過去の日本の成績から考えると歴史がひっくり返るくらい大変なことだと思っています。バスケットボール全体を見ても、日本ではさほど盛んではなくまだまだ弱いです。ベスト4、メダル奪取と言いたいところですが、まずは決勝トーナメントに出ること、そしてその決勝トーナメントの1試合目に勝つことに集中したいです。1試合目に勝つことは結果として、決勝トーナメントに出場できるのは8チームですので、1回勝てばベスト4に進めます。同じ意味ではありますが、今まで成し遂げたことがない決勝トーナメントの初戦に勝つことを目指して頑張ってきます。