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第34回男子ウィリアム・ジョーンズカップ 大会第6日目 vsアメリカ選抜 現地レポート

2012年8月24日

 「第34回男子ウィリアム・ジョーンズカップ」(以下ジョーンズカップ)は第6日目。台風14号が接近中の台湾の天気は、激しい雨が降ったかと思えば、時折日が照って暑さが戻り、さらに黒い雲が早い風に流されていき、天気の移り変わりが激しい1日でした。台風の影響で学校行事などは早々に中止を決定していましたが、ジョーンズカップはしっかり4試合が行われました。台風の影響か、またはチャイニーズ・タイペイが休息日を迎えたからか、今日の客席は閑散としていました。

 これまでとは違って静かな雰囲気の中で始まった日本vsアメリカ選抜戦。もちろん日本から来たファンや地元ファンの皆さんに歓声を送っていただきながら、試合はスタート。「集中力に欠けており、簡単にやられてしまっていました。日本代表として戦う姿勢を見せることがまずベースになければいけない」と、試合後の控え室で選手たちを叱責した鈴木 貴美一ヘッドコーチ。いつもは「いいよ、いいよ。思い切ってやって来い」と多少のミスには目をつぶり、何事も経験、と大きな気持ちで選手たちに積極的にプレイをさせていました。しかし、その積極性を欠いたプレイに対して、我慢ならずに今大会初めて檄を飛ばしました。

 立ち上がり、いきなりショットクロック24秒バイオレーションで止められます。日本も続くディフェンスで24秒守りきり、その後は確率良くお互いにシュートを決め、点の取り合いとなる中、日本は22-19とリードして第1ピリオド終了。第2ピリオド中盤まではシーソーゲームでしたが、その後、アメリカ選抜にセカンドショットを決められ、イージーミスからのターンオーバーが失点につながり、40-51と11点差とされて前半を終えました。鈴木ヘッドコーチは、「一生懸命やってのミスは仕方ないですが、弱気になってのミスは絶対にダメです。それはヨルダン戦、フィリピン戦の第4ピリオドも同じでした。結局、弱気になってしまってシュートを躊躇してしまいます。シュートを打って負けるのであれば諦めもつきますが、打たずに負けては悔いが残ります。勝負どころをキチンと見極めて、積極的に行かないといけません」と話し、ここ2戦と同じ悪い状況が、この試合は第2ピリオドでやってきました。

 後半になっても流れをつかめず、点差は離れていきます。第4ピリオド、ベンチで戦況を見つめる#10竹内公輔選手が、「しっかりプレイしよう」とコートの仲間たちへ向けて声をかけます。その声に応えるように、「最後の場面ではペネトレーションしながら外のシュートを狙ったり良いプレイも見せてくれました」と鈴木ヘッドコーチが話すように、積極性を取り戻した日本でしたが点差は埋まらず、73-95で敗れて2連敗。

 鈴木ヘッドコーチから檄を飛ばされた後の記者会見にて、#4古川選手は「少し受け身になりすぎた部分がありました。ミスやターンオーバーからの失点やシュートをこぼれた後に、流れで相手に持って行かれた時に、自分たちがディフェンスに戻りきれずにやられてしまいました。その点は自分たちの気持ちがもっと出ていれば、ファウルで止めることなどもできたと思います。相手がどうこうというよりも、自分たちのやるべきことをしっかりやらなければいけなかったところを、集中力を欠いたまま簡単に試合に入ってしまいました。この反省を踏まえて、残る2試合をしっかり戦って行きます」と話し、太田選手も「出だしと後半はやっぱり戦っていなかったというのが、コーチの言われた通りだと思います。途中良い場面もありましたが、それを1試合通すことができなかったことが、この点数が離されてしまった結果につながりました。残り2試合へ向けて反省して、しっかり改善して戦っていかなければいけないと感じています」と、反省しきりでした。

 9日間で8試合という長く感じていたスケジュールもあっという間に6試合が過ぎ、次戦で日本の連戦が終わり、休息日を挟んだらもう最終日です。これまでの反省点を踏まえ、残る2試合へ向けて鈴木ヘッドコーチは、「自分たちの得意なトランジションやしっかりスクリーンを使ってシュートを打てたことなど、通用したプレイをどれだけ多く出すことができるか、そしてこれまでも口酸っぱく言ってきた当たりに負けないという気持ちを持ってプレイすること。今日のような試合ではダメです。ディフェンスとリバウンドは気持ちが大事です」と話し、次の韓国KBL・安養KGC戦に備えます。

第6日目(8月23日) 試合結果
○ アメリカ選抜(4勝1敗) 95-73 日本(2勝4敗) ●
○ レバノン(2勝4敗) 91-72 フィリピン(4勝1敗) ●
○ 安養KGC(韓国)(3勝2敗) 105-84 ヨルダン(1勝4敗) ●
○ イラン(5勝0敗) 83-71 チャイニーズ・タイペイB(0勝6敗) ●

 安養KGC(韓国)は何と言っても、フルコートで当たってくるプレスディフェンスが脅威です。PGにコンバートされたばかりの#6比江島選手がしっかりボールを運ぶことができるかどうかも、ひとつの経験として試せる良い相手です。平均身長は日本の196.3cmに比べ、194.7cmと低いですが、#14STUTZ選手は211cmあるビッグマン。大型化を図った日本のPGはミスマッチとなり、そこをどう活かすかがポイントでもあります。昨日行われたヨルダン戦も、前半の競った展開の中から流れをつかみ、後半は一気に相手を振り切って完勝した安養KGC。しっかり戦い、FIBA ASIA カップへ向けても価値ある成果を上げたいところです。

第7日目(8月24日) 試合日程
13:00~ アメリカ選抜 vs ヨルダン
15:00~ フィリピン vs イラン
17:00~ 安養KGC(韓国) vs 日本
19:00~ チャイニーズ・タイペイB vs チャイニーズ・タイペイ
※時間=現地時間